電線、家電、電子機器、Wi-Fiなど、現代人は常にEMF(電磁波・電磁場)に曝露された環境で暮らしています。
EMFは低周波の電磁波ですが長時間曝露された状態は、体が電気的バランスを崩し健康に悪影響であることがわかっています。
DNAの断片化は、電磁波の健康への影響のひとつです。
DNAの断片化は、DNAの鎖がバラバラに切断されることです。
アポトーシスの一環として起こる場合と、
●加齢
●喫煙
●環境ホルモン
●ストレス
●化学物質
●電磁波
などの影響で起こる場合があります。DNAの断片化は不妊や流産の原因になり、代々の子孫に受け継がれる遺伝子にも影響します。
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) September 9, 2020
有害なEMFは人工的に作られた電線や電子機器から発生することがほとんどですが、地球の大気中にも自然な宇宙放射線が存在し、地表では0ボルトですが、高所に行くにつれて電圧は高まります。
それでは飛行機に乗っている間は、どのくらいのEMF・宇宙放射線の影響を受けているのでしょう?
この記事では、飛行機に乗ることでどのくらいEMF・宇宙放射線の影響を受けているのか、EMFの影響を最小限にするためにできることについて説明しています。
宇宙放射線
一般的な民間航空機はだいたい高度1万mを飛行します。
気圧は地上の4分の1、気温はマイナス50~55℃の世界です。
高度が高くなるほど、大気は薄く空気抵抗が少なくなり、より高速な飛行が可能になります。
しかし、空気が薄いということは、放射波を偏向させる粒子が少ないことを意味します。
宇宙放射線は、太陽を含む地球の周りにある星から発生し、目に見えない波として地球の大気圏に入ります。
宇宙放射線は有害ですが、地球は大気圏と磁場によりバリアのように守られています。
飛行機が飛行する高い場所ではこのバリアが薄くなり、宇宙放射線の影響を受けやすい状態になります。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、航空会社の乗務員を放射線従事者として分類しています。
宇宙放射線の影響
トム・スタッカーさんは、自動車・鉄道関係のセールスのトレーニングをするビジネスマンだった頃、世界一頻繁に移動した男として、約2千万マイルを移動しました。
38,182時間(=4.36年)飛行したことになります。
彼の累積被ばくは100 mSvを超えており、癌のリスクは0.5%増加しています。
宇宙飛行士を除いて、これは極端なケースであるため、たまに飛行機に乗る分には、被曝が健康に影響する心配はないとされています。
飛行機での移動は、外からの宇宙放射線よりも機内のEMFの方が問題になります。
飛行機内でのEMFの方が問題
より懸念されるのは、飛行機内でのEMF曝露です。
飛行機のEMF発生源
●コックピット
●通信機器
●ジェットエンジン
●電気配線
●センサー
●機体の静電気
●WiFi
●乗客のデバイス
など。
ただし、飛行機内でのEMFへの曝露を悪化させるのは、EMF発生源の数ではなく、ファラデーケージ効果と呼ばれるものによって引き起こされる影響です。
ファラデーケージ効果
飛行機の船体から尾部まで金属メッシュが組み込まれています。
この導体に囲まれた空間をファラデーケージと呼び、外部の電場が遮られます。
飛行機に雷が落ちた場合、電荷が金属に当たり飛行機の外部に沿って伝導し、乗客や乗務員、機内の機器に害を与えることなく、機体外部がを放電して地面に電気を逃します。
このようにファラデーケージによって内部は雷や宇宙放射線から守られますが、ファラデーケージ内部のEMFはほとんど外に放出されることはなく、機内はEMF放射の影響が強まります。
これはファラデーケージによるもので、それでも少しは電波が入るのは、飛行機の窓が実質ファラデーケージの穴として機能するためです。
飛行機内のEMFの発生源は以下の通りです。
Wi-Fi
多くの飛行機にはWi-Fiホットスポットが装備されており、太平洋や大西洋上を飛行していてもWi-Fiを使用することができます。
上空でWi-Fiを使用する方法は2種類あります。
●地上ベースのモバイルブロードバンドタワー
地上にある塔が、機体の下部にあるアンテナまで信号を送信。
飛行機が移動すると、電波が維持されるように最も近い塔に接続します。
●衛星
飛行機と衛星は、受信機と送信機を介して送信された信号と通信します。
機体上部のアンテナは、ルーターを使用して乗客に信号を配信します。
Wi-Fiに対応したフライト航路トップ10のうち8つは米国にあり、残りの2つは日本にあります。
乗客がより大容量で高速のインターネットアクセス(映画、テレビ番組、Netflixのストリーミング、大きなファイルの転送、オンラインゲームの再生が可能なインターネットアクセス)を望んでいるため、放出されるEMF放射線の量が増加します。
そしてこのWi-Fi放射はファラデーケージ効果により機内に閉じ込められ、拡大します。
乗客の所持するデバイス
飛行機のサイズにもよりますが、機内には数百人もの人々がいる可能性があります。
今の時代、誰もが少なくとも1つの電子機器、デバイスを持っていて、ラップトップ、キンドル、タブレット、携帯電話、、ポータブルゲームデバイスなど、多くの人が娯楽のために機内でデバイスを利用します。
これらのデバイスのほとんどがフライト時間中に使用されると、機内のEMF放射線の量が一気に増加します。
通常、EMFは発生源から1ft(30cm)離れている場合、放射線量は80%減少します。
4ft(120cm)離れている場合、放射線量は98%減少します。
飛行機の機内においては、距離を取ることが難しく、さらにファラデーケージ効果により距離を取っても通常ほど放射線量が減少しないということが起こります。
飛行機でEMFの影響を最小限にするには
EMF放射線被ばくを回避することは不可能ですが、可能な限り影響を緩和することはできます。
たまに飛行機に乗る場合は問題ありませんが、頻繁に乗る方はEMFの影響を減らす工夫をした方がいいと言えます。
飛行機に搭乗する際、EMFの影響を最小限にする方法は以下の通りです。
急いで搭乗しない
特別な理由がない限り、飛行機の搭乗は急がないでください。
機内に滞在する時間をできるだけ短くすることで、EMFの影響を減らすことができます。
席を選ぶ
機内のどこに座ってもEMFの影響は避けられませんが、特に影響が強い席は避けた方がいいと言えます。
特に影響が強い席
●Wi-Fi対応のフライトでは、通路側(Wi-FiのEMFが窓から放出されるため)
●Wi-Fi非対応のフライトでは、窓側(窓からの宇宙放射線の影響があるため)
●コックピットに近い前方の席
●ジェットエンジンが配置されている場所付近の席(翼または尾のどちらか)
電磁波シールドブランケットを使用
EMFの影響から体を防護するブランケットがあります。
青色光遮断メガネを着用
青色光遮断メガネを着用することで、デバイスから放出される青色光を遮断します。
長時間のフライトでは、このメガネを使用すると睡眠サイクルを維持するのに役立ちます。
デバイスを機内モードに
飛行中の機内では携帯電話の電波はありませんが、デバイスが電波を探すことによりEMF放射線量が増加します。
飛行機でなくても、電波がない地域では機内モードをオンにすることをオススメします。
BluetoothヘッドフォンやAirPodsは使用しない
ワイヤレスの電波を生成して機内にさらなるEMF放射線を追加してしまうBluetoothヘッドフォンの代わりに、コードのついているワイヤレスでないヘッドフォンを使用することで、頭と耳に放出されるEMF放射を減らすことができます。
Wi-Fiは使わない
どうしてもという理由がない限り、機内でWi-Fiは使わないようにしましょう。
大切なメールへの返信は、フライト前かフライト後に行いましょう。
水分補給
標高が高いと空気中の水分が少なくなるため、脱水状態から細胞がストレス状態になり、EMF放射線による病気や健康への悪影響のリスクが高まります。
また、水分を含んだ体は毒素を尿で排出し、体内の自然な電気の流れを促進します。
アルコール、砂糖の入ったカフェイン入りの飲み物は体に脱水作用があるので避けてください。
まとめ
高層階に住んでいる人は、低層階に住んでいる人に比べ脳卒中のリスクが40%高まるという報告があります。
大地から離れれば離れるほど、大気中の電圧が高くなり健康への影響も大きくなりますが、飛行機での空の旅は上空の電磁的影響を排除する目的の金属が機体を覆っているため、ファラデーケージ効果により外の電磁波の影響はほとんど受けません。(窓からは少しだけ入ってきます。)
その代わり、機内のたくさんある電子機器の影響を地上にいる時以上に受けるため、飛行機でのフライトは結局EMFの影響を受けることになります。
この記事では、機内のEMFの影響を最小限にする方法について説明しました。
飛行機に乗ることが多い方は、安全のためEMF対策をした上で搭乗するようにしてください。
・頻繁に飛行機に乗る人
・飛行機での移動で体調を崩しやすい人
・電磁波過敏症の人
・普段から電磁波に曝露されている人