私はカナダの山奥に住んでいて、庭にはさくらんぼ・りんご・プラム・なしの木があります。
それでも少しだけ生ったさくらんぼが赤くなったら食べることを楽しみにしていたのですが、
蟻と鳥に全部食べられ、1個も食べれずに終わりました。
そして、夏も終わりに近づいた先日、
洗濯物を干しに外に出たら、大きい黒い影が!
「熊だっ!!」
パニックになって、大慌てで家に舞い戻ります。
この記事は、もし熊が自宅の庭に来たらどう対処するかを実際の体験談を交えて解説しています。
「こんな記事誰の役に立つんだか・・・」と、書いている私が思ってしまうのですが…
自宅に熊が来てしまうかもしれない可能性がある方に、読んでもらいたい記事です。
庭に熊が来たら
実際に庭に熊が来て、焦った私は家に戻りネットで「熊 出没」と検索。
あんまり参考になる記事はなし。
日本より海外の方が熊被害は多いかもと思い、英語で検索。
「熊に庭に来させない対策」ばかりヒット。
唯一、同じカナダから
おじさんが庭に来た熊に「早く帰れよ〜」と落ち着いた声で説得し、
本当に熊が帰っていく動画はありました。
大きい声や音で威嚇して熊に逃げてもらう対処法ですね。
うちに来た熊はブラックベアーで、うちのプラムを食べていました。
私もとりあえず鍋を二つ持ってきてバンバン大きな音を出して熊を威嚇しました。
熊はしばらく私を凝視して、うざったそうにプラムの木から立ち去ります。
が、
5メートルくらい離れた木の後ろに隠れ、向こうは向こうで私が立ち去るのを待っています。
私の場合
私が本当に知りたかったことは、熊撃退もそうなんですが、
熊は自分の食べ物が盗られたと思い、復讐しにくるか?」
ここです。
この答えを検索で探していました。
「熊がすっごい怖い」「穏便に事を済ませたい」という気持ちと共に、
大切なプラムをガツガツ食べられて 「すっげぇムカツク!!」 という気持ちもありました。
ちょっとパニクっていたこともあり、あの状況では上手く検索できていなかった・・・
今見たら、ありましたよ。
ウィキペディアの記事ですが、もうグロ系の小説さながらの内容です。
母親を山に連れて行ったところから始まります。村人がヒグマを追跡・発見し、もう食べられてしまっていた母親の遺体の一部を持ち帰ったら、
ヒグマが怒ってまた村に戻りもっと人を襲い、最終的に7名死亡、3名重症という惨劇になります。
私はずっと前にこの事件を「奇跡体験アンビリーバボー」で見たんだと思います。
このウィキペディアを見て思い出しました。
それから私の頭の片隅に「熊が自分のものだと思っているものを、取ってはいけない。」という認識が残り、今回の熊との遭遇で記憶がよみがえりました。
そこで私の葛藤が始まります。
プラムと安全どっちが大事?
でも今来ている熊はブラックベアー。ヒグマではない。
プラムが食べられていくところを黙って指を咥えて見ているのか?
そして私は家から熊用のペッパースプレーとプラムを入れる袋を取りに行き、
またプラムの木に戻ります。
熊は相変わらず先ほどの木の陰からこちらを伺っています。
すごい緊張感。
私の心臓はバックバク。
熊が見ている前で堂々とプラムを採りました。
「ガウゥゥゥゥ〜」
やっば〜〜〜い、熊ブチ切れてる!!!
一目散に家に駆け込みました。
ペッパースプレー噴射の準備する余裕ゼロ。
脇汗かいて、家の中でガクガクブルブル震える私。
そこで諦めればいいのですが、しばらくして落ち着いてくると
また悔しさがこみ上げてきます。
またプラムの木まで行ってしまいました…
すると、おや?
熊がさっきの木にもたれかかって寝ています。
向こうも私との神経戦で消耗しているようです。
こっそりプラムを採ってみました。
全然起きません。
「イケる!!」
チャンスを逃すまいと、即収穫作業に入りました。
たまにリスが「キュッキュ」と鳴き、私は内心「うるせー、リス野郎!」と毒づきます。
手がとどく範囲は全部採りました。
熊はまだ寝ています。
木の3分の2くらいのプラムは確保できました。
『残りはあなた(熊)にくれてやるので、復讐には来ないでください!』
というのが、私の言い分です。
この日の午前中まるまる熊との神経戦で終わりました。
私も相当消耗・・・
午後は出かけ、夕方に帰宅しました。
真っ先にプラムの木を見に行きます。
熊の姿はなく、私が残した3分の1のプラムのうち3分の2くらいがなくなっていました。
お腹いっぱいになったのか、熊も私に残してくれたのかは分かりません。
今度は踏み台を持ってきて、手が届かなかったところまで根こそぎ収穫。
一応これで一件落着です。
あれから数日経ちますが、熊は復讐に戻っては来ていません。
ライフル
熊との神経戦の合間に、私と別のエリアの山奥に住む友達に熊についてどうしたらいいか助言を求めました。
友達「ライフルある?」
私「ライフルないな。BBガンならあるよ。」
友達「BBガンじゃ熊にとっては蚊に刺されるくらいのダメージだよ。」
私「そっか。」
友達「誰か送ろうか?」
私「えっ!? でも私有地といえど、熊殺すのって法律的にどうなの?」
友達「殺さなくても、お尻をかすめてもう2度と来ないようにしてもらうこともできるよ。」
私「じゃあ、最悪の事態には連絡させてもらいます。」
という流れになりました。
日本でもし熊被害に困ったら猟友会に連絡することをお勧めします。
まとめ
熊が来ないようにする対策は、詳しく書いてるサイトがたくさんあるので割愛しますが、
来ないようにする対策も大切です。
冷夏だと熊の餌になる山の植物の育ちが悪くて民家に来てしまうのか、例年より熊を見かけます。
まだりんごとなしもあるので、私の熊との戦いはしばらく続きそうです。