私がカンジダ症を治すためのグルテンは避けなければいけない食事療法「カンジダダイエット」を始めたばかりの頃は、まだ今ほど店でグルテンフリー製品を見かけることはありませんでした。
そんな中で見つけたのが、ボブズレッドミル(Bob’s Red Mill Natural Foods)というメーカーから販売されているグルテンフリーの製品です。
ボブズレッドミルのおかげで、なんとかグルテンフリーのカンジダダイエットを続けることができました。
ここ数年、私の住むカナダでは、ほとんどのスーパーで見かけるようになり、日本でも買えるようになりました。
製品の種類も増えています。
このボブズレッドミルとは、どういう会社なのでしょうか?
この記事では、ボブズレッドミルとは、ボブズレッドミルの歴史、創業者のボブさんのこと、現在のボブズレッドミル、ボブズレッドミル製品の一部を紹介しています。
ボブズレッドミル(Bob’s Red Mill)とは?
ボブズレッドミル(Bob’s Red Mill)は、オーガニックやグルテンフリーの穀物を多く取り扱う、健康志向の人たち御用達のアメリカの食品製造会社です。
パッケージの顔にもなっているボブ・ムーアさんが、1978年に創業しました。
ボブズレッドミルの歴史
ボブさんの生い立ち
ビジネスオーナーとしてのボブさん歴史は、ガソリンスタンド経営から始まりました。
50年代にカリフォルニア州・ロサンゼルスで妻のチャーリーさんと共にガソリンスタンドの経営を始めましたが、スモッグで空気が汚染されていたことに耐えられず、ロサンゼルスの北にあるリゾートタウン、マンモスレイクに引っ越し2番目のガソリンスタンド経営を始めます。
しかし経営は1年で失敗。
タイヤ店に就職して、生活を立て直しました。
その後、小規模な牧場を購入し、息子たちと共に地元で牛乳と卵の販売を始めます。
チャーリーさんはその時に全粒粉のパンを焼き、試験的な販売を始めました。
60年代半ば、ボブさんは健康的で栄養価の高い小麦粉を製粉する伝統的な石臼の製粉機についての本を読みます。
伝統的な石臼の製粉への情熱
120年前からある伝統的な石臼での製粉は、近代的な鉄製ローラーで製粉した時に比べ低温で製粉できるため、胚芽、ふすま、胚乳の栄養を損なうことなく製粉できるそうです。
その石臼の製粉方法に取り憑かれ、ビジネスを始めることを思いついたボブさんとチャーリーさんは、石臼の製粉機を購入しましたが、ボブさん、チャーリーさん、3人いる息子のうち2人がカリフォルニア州・レディングで最初の製粉所「ムーアズフラワーミル(Moore’s Flour Mill)」を始めるまで、その製粉機は数年放置されていたようです。
その後、息子の一人に製粉所を託し、引退。(息子が継いだ製粉所は、現在もボブズレッドミルと契約を結び、営業を続けています。)
家族でオレゴンに引っ越しましたが、ある日古い製粉所が売りに出されているのを見つけてしまいます。
その数ヶ月後、ボブさんはその製粉所で地元の人向けに製粉を始めました。
ビジネスは軌道に乗り、10年ほど経ったある日、放火で製粉所が全焼します。
2階にあった穀物が、石臼の製粉機の上に落ちたため、製粉機は火事からの損傷の被害を免れました。
ボブさんは250万ドルの借金をして製粉所を再建。
大企業からの契約の話には目もくれず、地元の小売店中心に、ビジネスを建て直していきます。
同業者が手間やコストをかけずに安価な製品を作る中、全粒穀物が注目され始めます。
1991年、ボブズレッドミルはグルテンフリーに特化した最初の製粉所になりました。
製粉所には、製品がオーガニックでグルテンフリーであることを検査する実験室も併設されました。
そして、ボブズレッドミルから、当時初めて小売サイズのグルテンフリーフラワーとグルテンフリーシリアルが販売されました。
現在のボブズレッドミル
2005年には、ボブズレッドミルの年間収益は推定3,000万〜5,000万ドル。
日本でもボブズレッドミル製品の購入が可能になりました。
アメリカ・オレゴン州ミルウォーキーの本社には、実験室、製造工場と流通センターがあります。
現在も昔ながらのシンプルな製粉方法で毎日何千もの製品を生産しています。
2010年、創業者のボブさんは、ESOP(イソップ)という従業員持ち株制度を導入し、会社の所有権を従業員に譲渡。
2010年時点の従業員の数は、209人ということです。
ボブさんの慈善活動
2011年、ボブさんはオレゴン州立大学に500万ドルを寄付し、全粒穀物を研究するセンターを開発。
地元の自然療法大学に100万ドル以上を子どもの肥満についての研究のために寄付しました。
ボブズレッドミル製品
ボブズレッドミル製品を幾つか紹介したいと思います。
↓オールドファッションロールドオーツは、グラノーラやクッキー作りにオススメです。
お湯で2〜3分煮ることで、オートミールにもなります。
オーツやオートミールは、グルテンフリーの表示がない場合、少量のグルテンを含むことが一般的ですが、こちらの商品にはグルテンは含まれていません。
↓iHerbでは、カスタマーレビューに「注文したいのに日本には発送されない商品に入ってしまった」という情報があるため、購入できなくなっているかもしれないです。
↓グルテンフリーのお菓子づくりに、小麦粉の代わりに使います。
小麦粉を使ったレシピで、小麦粉と同じ分量をこちらのグルテンフリーフラワーで代用します。
他のメーカーのグルテンフリーフラワーもいくつか使いましたが、こちらのフラワーが1〜2位を争うくらい美味しかったです。
↓化学薬品を使わずに石灰化重曹の沈殿物からオールナチュラルの水抽出法で抽出されている重曹です。
アルツハイマーの原因になると懸念されているアルミニウム。
↓こちらのベーキーンパウダーはアルミニウムフリーです。
↓ビタミンやミネラルが豊富なスーパーフード、アマランス。
お米のように炊く、お米に混ぜて炊く、お菓子に入れるなどの使い道があります。
この他にも、乾燥豆類、種子類、シリアル、スパイス、お菓子づくりのミックスなど、色々な商品があります。
ピザ生地ミックスは(グルテンフリーだからしょうがないのですが…)パサパサしていました。
ブラウニーやチョコレートクッキーミックスは、日本人には甘すぎるかもしれません。
まとめ
私が普段の生活でお世話になっているボブズレッドミルの創業者ボブさん、会社の歴史、製品の紹介をしました。
ボブさんのお父さんは心臓発作で49歳という若さで亡くなり、チャーリーさんのおばあさんが健康志向だったため、ボブさんも自然と健康志向になったようです。
そのビジネス方針は、お金儲けより本当に自分が食べたい商品を作るという信念があり、ブレることはありませんでした。
放火や借金など、困難なことにも負けず、自分のスタイルを貫き通すところが格好良すぎです。
カンジダ症でアレルギー体質の私と長男にとっては、「あれもダメ」「これもダメ」と食べられる物が少ないこのご時世に、ボブズレッドミルのおかげでかなり食の幅が広がりました。
そしてボブさんが、このような良質の食材の分野を切り開いてくれたおかげで、最近は後続の会社が同じような製品を販売するようになってきて、ますます助かっています。
値段は決して安いとは言えませんが、手が出せない額ではなく良心的です。
遺伝子組み換えで農薬がたっぷり使われている製品とは、もはや別物なので、値段は比べないでください。(笑)
・小麦アレルギーの人
・グルテンアレルギーの人
・セリアック病の人
・カンジダ症の人
・腸内環境の問題がある人
・グルテンフリーダイエットをしている人
・健康にいい食材をお探しの人