除草剤グリホサートは本当に安全?グリホサートの健康への影響

食の安全

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グリホサートは、世界中で一番使われている除草剤の成分です。

モンサント(現バイエル)という会社が開発・製造し、ラウンドアップという商品名で販売されています。

遺伝子組み換え作物とセットで使われたり、収穫直前に散布し乾燥させるプレハーベストの目的で使われています。

グリホサートは植物特有のアミノ酸生成経路であるシキミ経路を阻害し、芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)を生成させないことにより、雑草を枯れさせる作用があります。

そのためモンサントの主張では、除草作用は植物だけに作用し人間や動物には影響はないということになっています。

 

グリホサートは本当に私たちの健康に影響を及ぼさないのでしょうか?

 

この記事では、PAN(国際農薬作用ネットワーク)という機関がまとめたグリホサートについてのPDFを参考に、グリホサートの健康への影響をまとめました。

 

こんな人に読んでもらいたい
・慢性疾患がある人
・カンジダ症の人
・食の安全に気をつけている人
・お子さんがいらっしゃる人

 

グリホサートの歴史

グリホサートは、1950年にスイスの研究者、ヘンリー・マーティン医師が、製薬会社のスポンサーを受け最初に合成しました。

グリホサートの除草作用については、1970年にモンサントの研究者、ジョン・フランツ医師により確認されました。

1974年、モンサントからラウンドアップが発売されます。

 

国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer ・IARC)では、グリホサートを2015年に「おそらく発がん性がある物質」に分類しています。

2016年、EUでは、この先15年間のグリホサート使用の申請を却下し、18か月間のみ承認。

●ラウンドアップに含まれるグリホサート以上に健康に悪影響がある疑いの界面活性剤、POEAの使用を禁止
●公共の場所でのラウンドアップの使用は最小限に抑える
●収穫前の使用を最小限に抑える

という決議を出しました。

2015年、スリランカは、グリホサート使用が農業従事者の腎臓病増加に関連しているとし、グリホサート輸入を全面禁止しました。

 

グリホサートの摂取源

私たちはどのようにグリホサートを体に摂取しているのでしょう?

特定の場所

グリホサートは雑草除去のため、

●農地
●家庭菜園
●道路脇
●ゴルフ場
●公園
●学校

など、様々なところに使用されます。

除草目的でグリホサートが使用された場所では、呼吸する空気に含まれます。

また雨にも混入し近隣の水質も汚染されるため、飲み水を汚染している可能性もあります。

 

 

作物

一般的にグリホサートが使用される作物は、遺伝子組み換えの作物、

●トウモロコシ
●大豆
●綿花
●菜種
●さとうきび

などです。

これらの作物は、遺伝子組み換え技術でグリホサートが散布されても枯れないようにできています。

 

 

遺伝子組み換えではない作物でも穀物などは、収穫前にグリホサートで枯れさせて乾燥を早めるために散布されます。

●オーツ
●米
●ソルガム
●小麦

など。

 

その他、グリホサートが検出される食品は、

●アーモンド
●りんご
●さくらんぼ
●豆(乾燥)
●グレープフルーツ
●ぶどう
●レモン
●オレンジ
●もも
●ピーナッツ
●梨
●ピスタチオ
●プラム
●甜菜糖
●トマト
●くるみ

など。

 

 

動物性食品

グリホサートが検出される食品は、植物性食品だけではありません。

●食肉
●牛乳
●卵
●蜂蜜

からも検出され、しかも高濃度な場合もあります。

 

遺伝子組み換え穀物、トウモロコシの飼料を食べて育った牛は、腸、肝臓、筋肉、脾臓、肺、腎臓などにグリホサートが蓄積することがわかっています。

ブロイラー(育種改変された鶏)もまた、内臓、心臓などにグリホサートが蓄積します。

 

 

ドイツの研究では、被験者2009人のうち99.6%の人の尿からグリホサートを検出。

農家で育った人、農場の近くで育った人は、汚染された空気、水、食品を多く摂取する傾向があることから、高濃度で検出されました。

 

また、尿中のグリホサート検出量は、

肉食の人 > 菜食主義の人
慢性疾患がある人は > 慢性疾患がない人
非オーガニック食の人 > オーガニック食の人

となっています。

 

その他

食品以外では、グリホサートを使用して栽培された綿が原料の衣服、生理用品などからも、グリホサートは検出されます。

 

また、インフルエンザワクチン、MMRなどのワクチンからも検出されます。

体内でのグリホサートの吸収率

欧州食品安全機関(EFSA)によると、経口摂取したグリホサートの約20%が体に吸収されると言われています。

米国環境保護庁(US EPA)は、30〜36%吸収されるとしています。

 

48時間以内に尿を介しほとんどが排泄されますが、約1%は体内に残り蓄積されます。

 

経皮吸収率は3%未満と言われていますが、損傷した皮膚へのグリホサートの浸透は
健康な肌の約5倍になります。

研究では、グリホサート水溶液からの経皮吸収が1.42%だったことに対し、綿生地からの経皮吸収は0.74%でした。

 

グリホサートの健康への影響

「植物だけに除草作用があり、人や動物には影響はない」とメーカーは主張する、グリホサート。

日本の食品安全委員会はグリホサートの一日摂取許容量(ADI)を1mg/kg体重/日と設定しています。

 

動物実験の結果

グリホサートの健康への影響を調べた動物実験の結果は以下の通りです。

 

●血清グルコースの増加(高容量・低容量)
●血中カリウムとリンの増加(高容量・低容量)

●血中尿素、窒素、血清アルカリホスファターゼの増加(高容量)
●膵臓病変(高容量)
●鼻血(高容量)
●成長遅延(高容量)
●唾液腺病変(高容量)
●下痢(高容量)
●腎臓、肝臓、胸腺、心臓、精巣の重量の変化(高容量)
●腸壁の炎症(高容量)
●胆汁酸の増加(高容量)
●食欲減少(高容量)
●血清の減少(高容量)

●わずかな紅斑と浮腫(高容量の経皮摂取)

●多数の酵素、代謝障害
●酸化ストレス
●組織の損傷
●遺伝毒性
●内分泌かく乱作用

●体重増加
●白内障の発生率の増加
●ミトコンドリア代謝機能障害

 

腸内環境への影響

1998年頃にはグリホサートが土壌中の細菌叢の不均衡を引き起こすことが認識されていましたが、人の腸内環境の不均衡を引き起こすことが注目され始めたのはここ数年です。

鶏を使ったラウンドアップの影響を調べる実験では、

●サルモネラ菌
●ウェルシュ菌
●ボツリヌス菌
●クロストリジウム・ディフィシル
●緑膿菌

は、ラウンドアップに耐性があることがわかりました。

 

クロストリジウム・ディフィシルは、自閉症患者の腸内に多くいる傾向があります。クロストリジウム・ディフィシルの代謝物P-クレゾールは、硫酸塩代謝を干渉することで脳の発達に影響を及ぼすと考えられています。

 

●エンテロコッカス・フェカーリス
●エンテロコッカス・フェシウム
●ラクトバチルス属
●ビフィドバクテリアム属
●枯草菌

は、ラウンドアップにあまり耐制がない、または非常に影響を受けやすいことがわかりました。

腸内にはシキミ経路を使用しアミノ酸を生成してくれる菌も存在するので、私たちはこれらの菌に頼っています。

植物のシキミ経路を阻害し除草作用を働くグリホサートは、これらの菌の働きも阻害します。

菌のシキミ経路が阻害されると、ビタミンB12、メラトニン、セロトニン、ドーパミン、メラニン、甲状腺ホルモン、葉酸などの生成に影響が出ます。

以上のことから、グリホサートの摂取が腸内細菌叢の不均衡に影響、さらなる問題を引き起こす可能性があることがわかります。

 

グリホサートがシュウ酸の合成を促進することにより、慢性炎症の原因になる可能性もあります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。↓

 

グリホサートを飲むと…

1980年〜1989年、中国で報告された80件のグリホサート摂取のうち、7人が死亡。

1984年〜1986年、日本で報告された56件中、9人が死亡。

1986年〜2007年、台湾で報告された2,186件中、146人が死亡。(注射からの摂取も含む。)

 

以下の例は、ほぼ全てがグリホサート摂取の自殺を図った例です。

56歳女性

500 mlのグリホサート入り除草剤を経口摂取。

●高カリウム血症
●呼吸器機能不全
●腎臓機能不全

女性は命は落としませんでしたが、警戒昏睡に。

 

36歳男性

300 mlのグリホサート製剤を経口摂取。

●高カリウム血症
●アシドーシス
●低血圧
●乏尿
●低酸素
●急性腎不全

男性は回復しましたが、5日目から腎機能の低下が見られました。

 

71歳の男性

グリホサート配合の製剤を経口摂取。

●脳症
●急性中枢神経系
●重度の心原性ショック
●代謝性アシドーシス
●CT脳スキャンは正常

10日目に集中治療室から転院し、回復。

 

58歳の日本人女性

41%のグリホサートと15%のPOEAを含む製剤を約150ml経口摂取。

●半昏睡状態
●急性呼吸窮迫症候群
●循環器機能不全
●急性腎不全
●血管内凝固障害
●髄膜炎の疑い

女性は39日目に退院。

 

57歳台湾人女性

41%のグリホサートと15%のPOEAを含む中国製の製剤を経口摂取。

●代謝性アシドーシス
●呼吸不全
●ショック死

 

29歳の男性

300mlのラウンドアップエースを経口摂取。

●持続性乳酸アシドーシス
●高カリウム血症
●低血圧
●激しい水様性下痢
●最初の24時間の腹部膨満
●不整脈
●心停止

 

南米のグリホサート空中散布

1997年以降、コロンビアとエクアドルとの国境に沿いでは、コカインの原料になるコカを根絶するため、除草剤の空中散布が繰り返し行われてきました。

また、南米は大豆の大規模栽培農地での雑草除去のためのグリホサート空中散布も行われています。

 

アルゼンチン

アルゼンチンでは、遺伝子組み換え大豆栽培のためのグリホサート空中散布による健康被害が報告されています。

●がん
●先天性欠損症
●狼瘡
●腎臓病
●呼吸器疾患
●皮膚疾患
●先天性奇形
●新生児死亡率の上昇

大豆農場に隣接する小さい町、コルドバのイツザインでは、2009年までに5,000人の人口で300人に癌が発生したと報告されています。
これは人口の6%にあたり、この割合は全国平均(0.145%)の41倍です。

 

コロンビア

コカの畑へのグリホサート空中散布による直接暴露後の症状は、

●赤目
●めまい
●嘔吐
●下痢
●腹痛
●胃腸感染症
●皮膚のかゆみ
●皮膚の発疹
●感染症(特に子ども)
●呼吸器感染症
●頭痛
●発熱

以上の報告があります。

 

まとめ

 

 

メーカーは「ラウンドアップは飲んでも安全」と主張しますが、PAN(国際農薬作用ネットワーク)のグリホサートについてのPDFによると、「安全」とは程遠い恐ろしい農薬であり、一日摂取許容量(ADI)を超えていなかったとしても、体に蓄積され健康被害が出る心配が残ります。

 

特に、毒素を処理する臓器、肝臓、腎臓に大きな影響があり、腸内環境の破壊も懸念されます。

しかも私たちが日常でさらされる毒素はグリホサートだけではないので、すでにグリホサートでダメージを受けている臓器は、他の毒素に対応出来る範囲を超えてしまいます。

それにより、慢性炎症、アレルギー疾患、ホルモンバランスの不均衡、遺伝子の損傷、がんなどが引き起こされる懸念があります。

 

この影響を避けるためには、遺伝子組み換え食品、非オーガニック食品は避けることが重要になります。

野菜や果物をよく洗う、皮を剥くなどの対策では避けられません。

 

世界はグリホサート使用に関する規制を強化する傾向にある一方、日本では残留基準値を緩和するという非常に残念な流れになっています。

 

日本ではグリホサートの怖さが消費者に知らされていないということが問題の根底にあると思います。

グリホサートの怖さに気づき、声を上げる、グリホサート製品は買わないなどの行動が増えれば、これからいくらでも現状を変えていくことはできると考えます。

 

 

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