遺伝子組み換えは何が悪い?なぜ遺伝子組み換えが拒絶されているのかをおさらい

食の安全

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トウモロコシ、大豆、菜種、綿などに代表される遺伝子組み換え作物は、健康に有害というイメージがあります。

 

それは遺伝子組み換え作物に農薬が使われているから有害なのでしょうか?

 

それとも農薬の影響を抜きにしても遺伝子組み換え作物自体が有害なのでしょうか?

 

 

この記事では、遺伝子組み換えの目的、遺伝子組み換えの問題点を健康面と環境面に分けて説明しています。

 

 

こんな人に読んでもらいたい
・食の安全に気をつけている人
・遺伝子組み換えの何がいけないのかを知りたい人
・お子さんがいらっしゃる方

 

 

遺伝子組み換えとは?

遺伝子組み換えという言葉はよく聞きますが、どういった技術なのでしょう?

 

動物も植物も、すべての生き物はみな遺伝子を持ちます。

 

その遺伝子は、細胞が複製される際、どのような複製を作るかを指示します。

 

遺伝子組み換えは、遺伝子の一部を人工的に変えることで、違った性質のものを複製する技術です。

 

例えば、魚の遺伝子をトマトに入れると寒さに強いトマトができるそうです。

 

 

遺伝子組み換えの目的

 

 

 

遺伝子組み換えの大きな目的は、作物が干ばつや害虫から影響を受けにくくするという理由が大きいです。

 

気候・天候などの要因に影響されることなく安定した収穫量を得ることで、農業の効率を上げ食糧難の問題を解決する目的があります。

 

遺伝子組み換えトウモロコシは人の食品としてだけでなく、家畜の飼料、エタノール生産、バイオディーゼル生産にも使われています。

 

 

 

 

 

 

 

遺伝子組み換えの問題点

それでは遺伝子組み換えの問題点はなんでしょう?

 

遺伝子組み換えの問題点は、健康面と環境面の二つに分けられます。

 

健康への問題

遺伝子組み換え作物を摂取することでの人への健康面の問題は、リサーチが十分ではなく長期的な影響ははっきりわかっていません。

 

遺伝子組み換え技術の大手・モンサント(現バイエル)など、遺伝子組み換え産業が出資した研究では、

 

遺伝子組み換え穀物飼料と非遺伝子組み換え穀物飼料を20年間食べた家畜の寿命に差はなかった

出典:Are GMOs As Scary As They Seem?

 

など、「遺伝子組み換えは安全」と結論づける研究が多くあります。

 

 

しかし遺伝子組み換え食品摂取による健康への害を懸念する専門家も多く、

●アレルギー疾患
●炎症反応
●免疫の低下
●臓器の損傷
●生殖問題

などのほか、遺伝子組み換え食品が病気や抗生物質耐性につながる新しい毒素を作り出すかもしれないという恐れがあります。

 

遺伝子組み換え作物の種と通常セットで販売される除草剤・ラウンドアップは、抗生物質として特許が取られています。

 

ラウンドアップのみの摂取でも、

●発がん性
●内分泌かく乱作用
●消化の問題の原因

が懸念されています。

 

 

 

 

遺伝子組み換えトウモロコシを2年間食べたラットの実験

 

 

 

2012年9月に発表されたフランスのカン大学で行われた「哺乳類の健康に対するGMトウモロコシ品種の影響の比較」 という実験は、NK603という品種の遺伝子組み換えトウモロコシを2年間食べたラットに大きな腫瘍ができている衝撃的な写真で有名です。

 

この実験では、ラウンドアップに耐性がある種のコーンと、米政府規定量のラウンドアップ入りの水を飲んだラットで、オスは約50%、メスは約70%が早期に死亡したと結論づけられました。

 

GMO作物の消費が最終的に乳腺腫瘍、肝臓と腎臓への深刻な損傷をもたらしたと述べています。

 

特にメスで腫瘍の形成が早いことがわかりました。

 

これまで遺伝子組み換え作物のラットの摂食試験は90日間に限定されており、長期的な影響が不透明だった中、この実験は2年間という長さに注目が集まりました。

 

ラットの2年間は人間の一生涯と考えていいようです。

 

なぜこれまで長期間の影響を調べる実験がなかったかというのは、科学者が研究を行う前に、特許権者(この場合はモンサント)から許可を得る必要があったためです。

 

 

環境への影響

遺伝子組み換え作物の環境への影響は、

 

●遺伝子組み換え作物の花粉が、非遺伝子組み換え種の作物と勝手に交配してしまう

●除草剤ラウンドアップの乱用

●絶滅危惧種の問題

 

などがあります。

 

 

非遺伝子組み換え種の作物と勝手に交配

 

 

 

遺伝子組み換え作物の花粉が、風やミツバチによって近隣のオーガニック農場に運ばれ、非遺伝子組み換え種の作物と勝手に交配してしまうことがあります。

 

1997年、カナダ・サスカチュワン州の菜種農家パーシー・シュマイザーさんは、遺伝子組み換えの種を購入したことがないのにもかかわらず、モンサントの特許取得済みのラウンドアップ耐性種が自分の畑で育っていることに気づきます。

 

この記事、シュマイザーさんと同じ地域の菜種農家数件で、遺伝子組み換え菜種が栽培されていました。

 

なぜシュマイザーさんの畑に遺伝子組み換え種が紛れてしまったのか、原因は特定されていませんが、風やミツバチによって花粉が運ばれ受粉してしまった可能性があります。

 

このように、遺伝子組み換え種は勝手にオーガニック種と交配してしまうため、年々オーガニック種が減ってきている問題があります。

 

1度遺伝子組み換え種と交配したオーガニック種は、2度と元には戻せません。

 

 

 

 

除草剤ラウンドアップの乱用

遺伝子組み換え作物、特に大豆と菜種は、通常の5〜10倍の除草剤が使用されている可能性があります。

 

除草剤使用量の増加は、地下水、湖、川などの汚染を促進します。

 

さらに除草剤の使用は、除草剤耐性の雑草・スーパーウィードを生み出し、近隣の生態系を崩すことにつながる場合があります。

 

 

絶滅危惧種

 

 

 

渡り鳥のように長距離を移動するモナーク・バタフライは、絶滅の危機に瀕しています。

 

この蝶の幼虫はトウワタの葉を食べますが、この葉に遺伝子組み換えトウモロコシの花粉が付着している場合があり、これを食べた幼虫の約半分は4日以内に死んでしまいました。

 

遺伝子組み換え作物が、生態系にも影響することが懸念されています。

 

 

 

 

まとめ

 

 

 

遺伝子組み換え作物は、健康面でも環境面でも悪影響があるということを説明しました。

 

健康面への影響は、モンサントをはじめとした遺伝子組み換え推進の大企業が独自の研究結果を発表し第3者機関の研究を制限している事から、はっきりとした長期的影響が不透明ということも事実です。

 

このような大企業は、遺伝子組み換えが飢餓問題の解決の糸口になり世界を救うと宣伝していますが、食品に遺伝子組み換え表記をすることに猛反対。

訴訟や法律をコントロールすることに莫大なお金を使いました。

そのお金を貧しいため飢餓に苦しんでいる人たちに使うということはせずに、です。

 

この大企業の努力のため、私たち消費者は、どの食品に遺伝子組み換え作物が含まれているのか、よく分からない状態になっています。

 

はっきりとした長期的影響が分からないとはいえ、実験のラットの尋常ではない大きさの腫瘍を見てしまうと、「これは避けなければいけない」と誰でも思うはずです。

 

遺伝子組み換え食品を避けるためにできることは、オーガニック食品を選ぶ事です。

 

それでも「全重量の5%未満なら表記義務がない」など、完全に避ける事は簡単ではなさそうです。

 

遺伝子組み換え食品が使われる事が多い加工食品、添加物については、こちら↓の記事を参考にしてください。

 

 

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