ボーンブロスの栄養価と効能・ボーンブロスが危険な場合って?

ボーンブロス カンジダダイエット

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骨を煮込んで作るスープ、ボーンブロスはここ数年で「健康にいい」と評判になり、一気に認知度を上げました。

 

ホールフード(whole food)ダイエットという、食品を丸ごと食べることが健康に利点があるとする考え方からも、今まで捨てられてきた肉の骨の部分を煮込んでスープにすることで、無駄なく、しかもその豊富な栄養から利点を得ようというのが、ボーンブロスの流行につながりました。

 

 

カンジダ症やリーキーガット症候群など腸内環境の悪化からくる症状にも、ボーンブロスに含まれる成分が腸壁の損傷を修復するため、推奨されています。

 

その反面、「ボーンブロスは危険」という意見もネット上に存在し、その理由は単に「抗生物質やホルモン剤を投与された牛の骨のスープが危険」というものではないようです。

 

この記事では、ボーンブロスに含まれる栄養、効能、ボーンブロスは危険か?ということについて説明しています。

 

 

こんな人に読んでもらいたい
・カンジダ症の人
・リーキーガット症候群の人
・腸内環境が悪い人
・腸内環境改善のためにボーンブロススープを食べて(飲んで)いる人

 

 

ボーンブロスとは?

牛、豚、鶏、鹿、羊、魚などの骨を長時間煮込んで作るスープのことをボーンブロスと言います。

 

栄養豊富で、いろいろな効能があります。

 

欧米では昔から、風邪をひいたらチキンヌードルスープという、骨つきの鶏肉と野菜を煮たスープにパスタを入れたものを食べる習慣があります。

 

ボーンブロスに含まれる栄養素

栄養豊富なボーンブロス。

しかもこの栄養をスープで摂ることにより、体が吸収しやすいというメリットもあるようです。

 

ボーンブロスに含まれる栄養は、以下の通りです。

ミネラル

カルシウム
マグネシウム
りん
カリウム
鉄分
亜鉛
セレン
ヨウ素

 

コラーゲン

プロリン
グリシン
グルタミン
アラニン
ゼラチン
グリコサミノグリカン(GAG)
ーヒアルロン酸
ーグルコサミン
ーコンドロイチン硫酸

 

骨髄に含まれる栄養素は、

ビタミンA
ビタミンK2
オメガ3脂肪酸
オメガ6脂肪酸
リノール酸

 

カンジダ症やリーキーガット症候群のためのサプリメントのような栄養素の配分ですね。

 

ボーンブロスの効能

 

 

ボーンブロス

 

 

1、関節の炎症を緩和

関節の軟骨は、継続的に使用することにより摩耗、または収縮する傾向があります。

ボーンスープでゼラチンを摂取することにより、組織内のコラーゲン量を増加させることができます。

これが関節の保護になります。

 

特にグルコサミンは、すり減ってしまった軟骨を再生する作用があります。

 

2、抗炎症作用

プロリン、グリシンなどのコラーゲンが、抗炎症作用を示します。

 

3、腸壁の修復

グルタミンは、代謝を改善し、さらなる損傷から腸内層を保護する作用があります。

グリコサミノグリカン(GAG)は、炎症を鎮静させる治癒粘液を作ります。

グリシンは、消化器系の酸分泌を促進します。
さらに、血中コレステロールを調節し、脂肪の消化を助ける作用もあります。

 

4、皮膚の再生

コラーゲンの摂取により、肌の弾力性・水分量が大幅に改善され、再生されます。

マウスを使った動物実験では、ゼラチンが紫外線による皮膚損傷を防ぐこともわかりました。

 

組織の再生を促進するコラーゲンは、傷の治癒のためにも傷を癒すために医療用途で使用されることもあります。

 

5、代謝と心血管の健康

グリシンは、肝臓でのグルコースの産生を制御することにより、血糖調節に役割を果たしており、糖分過多の食事による影響を一部緩和することが示唆されています。

グリシンは心臓発作の可能性を減らすことも示されています。

 

6、筋肉のサポート

グリシンは、血液と筋肉組織全体に酸素を輸送するヘモグロビンとミオグロビンの合成にも重要です。

また、筋肉の修復を促進する可能性のある成長ホルモンの分泌を刺激します。

 

リンの欠乏は、筋肉のパフォーマンスを低下させることが示されていますが、ボーンブロスにはリンもマグネシウムも適度な量で含まれています。

 

ボーンブロスは危険?

抗生物質やホルモン剤が投与された牛、遺伝子組み換えの穀物飼料を食べて育った鶏、重金属レベルの高い海水で採れた魚などを煮込んでボーンブロスを取ることは、当然これらの毒素がスープに混入することになるため、オーガニックでグラスフェッドの家畜の骨、養殖ではない天然の魚でボーンブロスを作ることが推奨されています。

 

これはある意味、予想がつくことですが、ネット上で指摘されるボーンブロスの危険性は、全く別の問題のようです。

 

 

MSG in Bone Broth?
The full story behind bone broth and MSG and whether it is safe to consume this traditional food if one is sensitive to glutamates.

 

↑医師のカイラ・ダニエルが書いたこちらの記事「ボーンブロスとMSG・今知っておきたいこと」では、化学調味料、MSGに過敏な人はボーンブロスのグルタミンに注意が必要と喚起。

 

 

 

https://fearlesseating.net/when-bone-broth-is-bad-for-you/

 

↑栄養セラピーのクレイグ・フィアーが書いたこちらの記事「ボーンブロスが害になる時」では、上記の記事と同じく、グルタミンに注意が必要なため、煮込む時間に工夫が必要と書かれています。

 

 

 

Just a moment...

 

↑自然療法栄養士のキャリー・ボンフィトーは、グルタミン酸過敏症とヒスタミン不耐症の人がボーンブロスで体調不良の症状が出ると書いています。

 

 

まとめるとこういうことです。

 

グルタミン摂取に注意が必要な人がいる

腸内環境が悪く、腸壁が損傷を受けている人こそ必要なグルタミン

 

ボーンブロスにはグルタミンが豊富に含まれています。

 

ところが、腸の損傷が激しいため、高レベルのグルタミンに反応してしまう場合があるそうです。

正確に言うと、反応するのはグルタミン酸のようです。

 

グルタミン酸は、体内で発生したアンモニアと結合してグルタミンになるため、グルタミンとグルタミン酸は関係が深いと言えます。

 

 

グルタミン酸とは

グルタミン同様、アミノ酸の一つですが、グルタミンとは違います。

たんぱく質構成アミノ酸で、人間の体内で生成できるため、非必須アミノ酸です。

 

動物の体内では、脳の成長、記憶、学習の指示を伝えることで細胞を興奮させる神経伝達物質として機能しており、グルタミン酸を興奮剤と考えると、グルタミン酸の過剰摂取が心拍数の増加、顔面紅潮などの症状を引き起こす理由が納得できます。

 

食べ物に含まれるグルタミン酸のほとんどは、肉などのたんぱく質に結合していて、消化しやすく体にゆっくり吸収されます。

 

反面、たんぱく質に結合していない遊離グルタミン酸を含む食べ物もあります。

遊離グルタミン酸は、体内で血流に急速に吸収される特徴があります。

 

遊離グルタミン酸は、昆布やトマト、牡蠣やホタテなど、出汁になるような食品に多く含まれる傾向があります。

 

 

Glutamate in Food
Although virtually every food will contain some amount of glutamate, some foods rich in glutamate can easily be combined in favorite recipes.

MSGとは

味の素
化学調味料
グルタミン酸ナトリウム
グルタミン酸塩
monosodium glutamate

など、MSGの呼び方は色々あります。

MSGは、人工的にグルタミン酸にナトリウムを添加したものです。

 

現代の日本では、外食やレトルト食品、インスタント食品、お惣菜はもちろん、ソースや調味料、お菓子や飲み物にまでMSGが添加されています。

 

原材料の表記に「調味料(アミノ酸)または、調味料(アミノ酸等)」とあれば、MSGは入っています。
昆布やトマトに含まれる天然のグルタミン酸を食事から摂取している分には、過剰摂取になることはまずなく、いわゆる興奮剤を過剰摂取しているという心配はありませんが、MSGという人工のグルタミン酸ナトリウムを更に摂取することで、体内のグルタミン酸の許容範囲をMSGで使い果たしてしまっている状態になります。

 

 

化学調味料(MSG)の体への影響を実際の体験と製造方法から検証
化学調味料(MSG)は「体に悪い」です。日本では驚くほど色んな食材に使われているMSG。体には影響はないという意見もありますが、製造方法を見ただけでヤバイやつということが分かります。実際にMSGで体調不良を起こした私の経験から、MSGの体への影響を説明しています。

 

ビタミンB6欠乏

ビタミンB6は遊離グルタミン酸を、ガンマアミノ酪酸(GABA)に変換する補助の作用を持ちます。

 

そのため、ビタミンB6が不足している人は、MSGと遊離グルタミン酸摂取で体調不良の症状が出やすくなります。

 

グルタミン酸に反応した場合の症状

ブレインフォグ
頭痛

チック症状
ADD/ADHD
自閉症スペクトラム
リーキーガット症候群の症状悪化

 

腸内環境が著しく悪い場合、ビタミンB6欠乏の人、特に子どもにこの症状が出やすいそうです。

 

 

対策

ボーンブロスは煮込む時間が長ければ長いほど骨からの栄養素がスープに抽出されるので長く煮込みたいところですが、時間を短縮し、わざとグルタミン含有量を減らします。

 

目安としては、

骨つき鶏肉 1〜3時間
骨つき牛肉 2〜4時間
骨つきの魚 1時間以内

 

ボーンブロスは、グルタミン以外にも栄養価が高く、吸収されやすいので、過敏だから避けるということはもったいないようです。

低めのグルタミン含有量から始め、体が慣れてきたら煮込む時間を長くしていくといいようです。

 

 

 

ボーンブロス

 

 

ヒスタミン不耐症

ヒスタミンは、体内で生成できる神経伝達物質で、免疫、消化器、神経系の機能を維持する働きがあります。

異物が体内に侵入した際、くしゃみ、鼻水、胃の障害、かゆみなどを誘発し、炎症反応を起こすことで免疫を維持しようとします。

 

過剰なヒスタミンは、通常腸内の酵素によって分解されます。

しかし、腸内に炎症が見られる場合、酵素がヒスタミンを分解するプロセスが阻害され、分解されない過剰なヒスタミンがアレルギー反応の症状を起こします。

 

これがヒスタミン不耐症です。

 

ボーンブロスは、腸内環境を整える作用があるのですが、ヒスタミンも含みます。

 

グルタミン同様、骨を煮込む時間を短時間から始め、慣らしていくことが必要です。

腸内環境が改善してくるにつれて、ヒスタミン不耐症も改善されてくるはずです。

 

 

長時間加熱するボーンブロスに、熱に弱いグルタミンの効果は残っているのか?

 

 

 

グルタミンは50℃の熱でも破壊されてしまうらしいのですが、それなら長時間加熱するボーンブロスでは、完全に破壊されているということ?

という疑問がありました。

 

ボーンブロスを称賛する記事、その効能、栄養価、副作用について書いているものたくさんあるのですが、この疑問について書いてある記事は少なく、探すのに苦労しましたがやっと見つけました。

 

「グルタミンは調理によって失われることが知られています。特に野菜では。」

 

クリックしてImpact%20of%20Glutamine-Rich%20Foods%20on%20Immune%20Function.pdfにアクセス

 

とあるので、肉の骨では完全に失われることはないようです。

 

まとめ

ボーンブロスは栄養価が高く、効能もたくさんある反面、腸内環境が著しく悪い人の場合は、過敏症の症状が出ることもあるため、最初は煮込む時間を短めに、そしてだんだん長くしていく対策が必要ということを説明しました。

 

煮込み時間が短時間でも効果的に骨からミネラルを引き出すために、ボーンブロスにスプーン1杯のアップルサイダービネガーを入れるといいようです。

 

腸内環境の悪い私は、腸壁を修復したい一心で、副作用については無知のまま、頻繁にボーンブロスを飲んでいました。

 

幸いボーンブロスによって体調不良になることはなかったのですが、それはMSGを避ける食生活をある程度続けていたからかもしれません。

 

普通の一般的なMSG過多の食生活に長時間煮込んだボーンブロスを毎日摂取、というような場合は、注意が必要かもしれません。

 

 

Bone Broth Benefits: Everything You Need to Know | Chris Kresser
Regularly drinking bone broth benefits your skin, heart, muscles, joints, and gut. Find out more about this incredibly nutritious food.

 

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