サプリメント購入の際、「ベジタブルカプセル」「ゼラチンカプセル」といった表示を見かけますが、この二つはどう違うのでしょう?
成分表示にたくさんの知らない名前が並んでいますが、これはすべて安全なのでしょうか?
この記事では、サプリメントの種類とそれぞれの違い、サプリメントに添加されている可能性がある避けたい6つの添加物、一般的に安全な添加物の例について説明しています。
サプリメントの種類と違い
サプリメントの種類
●カプセル
ーハードカプセル
*ベジタブルカプセル
*ゼラチンカプセル
ーソフトジェルカプセル
●錠剤・トローチ・タブレット
●粉末
●液体
サプリメントの違い
ハードカプセルのベジタブルカプセルとゼラチンカプセルは、原材料が植物性か動物性かの違いです。
両方とも摂取後すぐに胃で溶け、無味無臭です。
錠剤に比べ、大きさが小さいため飲み込みやすく、添加物が使われていることが多い錠剤に比べ、余計な成分が添加されていないことも特徴です。
ベジタブルカプセルとゼラチンカプセルの違いは何でしょうか?
ゼラチンカプセル
牛、または豚由来の原料で作られたゼラチンでできています。
ゼリーを作るゼラチンと同じです。
ひづめ、骨、腱などの関節の結合組織を煮詰めた後に、冷水で冷やすと膨張します。
●利点
ゼラチンに含まれるコラーゲンは、皮膚や関節の健康に利点をもたらします。
一般的にゼラチンカプセルはベジタブルカプセルよりも安価です。
●欠点
ベジタリアンには向いていません。
ベジタブルカプセル
ベジタリアンでも摂取できるように作られたものがベジタブルカプセルです。
樹木などからの植物セルロースを使用しています。
ベジタブルと言っても、野菜からではなく木から出来ているのですね。
●利点
デンプンや砂糖、その他のアレルゲンを含みません。
●欠点
カプセルの内容物によっては、ベジタブルカプセルと反応してしまうものもあるため、使えない場合があります。
一般的にゼラチンカプセルに比べ、高価です。
↑アメリカのサプリメントのオンラインストア「iHerb」では、ベジタリアンカプセル、ベジカプセル、ベジキャップなどと表記されていることもあります。
ソフトジェルカプセル
ほとんどのソフトジェルカプセルは動物由来のゼラチンでできています。
ベジタリアン向けに、プルラン(pullulan)とヒプロメロース(hypromellose)という成分で作られているものもあります。
プルランは水溶性多糖類で、ヒプロメロースは植物性セルロースから作られています。
ソフトジェルカプセルには、フレーバーを添加されているものや、着色されているものがあります。
着色は見た目のためだけではなく、紫外線からの保護や、内容物の酸化を防ぐ目的もあります。
脂溶性のビタミンA・E・D、コエンザイムQ10などは、粉末で販売されている場合もありますが、より吸収率を高くするため油脂に添加してソフトジェルカプセルに入れられます。
その際に使用される油脂は、大豆油やサンフラワー油が一般的です。
健康のことを考えれば、オリーブオイルを使っているものを選びたいです。
錠剤・トローチ・タブレット
カプセルに比べ、結合剤や乳化剤が添加されていることが多いということが特徴です。
一部では、カサを増す目的で添加される成分もあるということです。
表面をなめらかにするために、動物由来のゼラチンが使われることもあります。
キレートとは?
キレート加工とは、ミネラルのサプリメントを特定のアミノ酸でコーティングし、吸収しやすくなるように施した加工のことです。
●グルコン酸
●クエン酸
●アミノ酸
●ピコリン酸
など。
キレート加工に使う「○○○酸」の種類がいくつもあって、どれが1番いいのか、わかりにくいと思います。
腸内の問題についても取り上げるこちら↑のアメリカ大手健康サイトによると、
ピコリン酸を使ったピコリネートキレート加工の亜鉛が、一番吸収率が高かったという研究結果を紹介しています。
(ここでは、亜鉛を例にしています。)
ただ、日本ではグルコン酸でのキレート加工が主流のようなので、ピコリネート加工のミネラルは海外のものを選ぶようになります。
サプリメントに添加されている可能性がある避けたい6つの添加物
1、人工着色料
FD&C Blue Nos. 1 and 2,
FD&C Green No. 3,
FD&C Red Nos. 3 and 40
FD&C Yellow Nos. 5 and 6,
これらの青、緑、赤、黄色の合成着色料は、FDA(アメリカの連邦食品医薬品局)に認可されていますが、発達障害や免疫系の疾患に関連していると言われています。
2、二酸化チタン(Titanium Dioxide)
着色剤の二酸化チタンは、綺麗な白い色をしたサプリメントに含まれている可能性があります。
二酸化チタンが、免疫系の疾患、炎症、DNA損傷、腎臓毒性に関連することを指摘する研究結果があります。
3、BHT(Butylated Hydroxytoluene)
BHTとは、ブチル化ヒドロキシトルエンの略です。
これは、脂肪の分解を防ぐ抗酸化物質の防腐剤です。
肝臓の機能への影響と、発がん性が疑われています。
4、ケイ酸マグネシウム(Magnesium Silicate)
粉末サプリメントが固まってしまわないように添加される、固化防止剤です。
胃がんと肺の炎症に関連している可能性を指摘する研究結果があります。
5、ステアリン酸マグネシウム/ステアリン酸(Magnesium Stearate / Stearic Acid)
サプリメント加工中に、材料が機械に付着することを防ぐための流動剤として、マグネシウムとステアリン酸の組み合わせから作られています。
ステアリン酸は、植物性および動物性脂肪に自然に含まれています。
ステアリン酸マグネシウムは、錠剤のコーティングとしても使用されます。
コーティング剤としてのステアリン酸マグネシウムは、免疫系の働きの阻害を疑われていましたが、最近の研究では、「健康に影響は出ない」という主張が主流になってきています。
ステアリン酸についての議論の争点は、防腐剤目的のステアリン酸が、綿実油とキャノーラ油、パーム油から採られているということです。
綿実油とキャノーラ油のほとんどは遺伝子組み換えであることと、パーム油はアジアの熱帯雨林が伐採されていることが問題になっています。
6、安息香酸ナトリウム(Sodium Benzoate)
カビや細菌が増殖するのを防ぐための保存料です。
安息香酸ナトリウムと一緒に、ビタミンC、アスコルビン酸(酸味料、酸化防止剤の成分)などの酸を摂取すると、猛毒のベンゼンが生成されることがあります。
ベンゼンは、発がん性があり、白血病を引き起こすリスクがある物質です。
一般に安全な添加物の例
安定剤として使われる、
●キサンタンガム(xanthin gum)
●硫酸カルシウム(calcium sulphate)
●塩化カルシウム(calcium chloride)
●硫酸マグネシウム(magnesium sulphate)
などは、天然由来の添加物で、比較的安全です。
防腐剤として使われる、
●ビタミンA
●ビタミンC
●ビタミンE
●クエン酸(citric acid)
なども、安全です。
先ほども出てきた「植物セルロース」はコーティングやカプセルの材料に使われ、安全な成分です。
まとめ
サプリメントの種類とそれぞれの違い、サプリメントに添加されている可能性がある避けたい6つの添加物、一般的に安全な添加物の例について説明しました。
この記事に書いてある成分と、サプリメントのパッケージに書いてある成分を見比べて・・・となると、少し面倒に感じますが、ぱっと見、直感で判断する方法が上記のnaturalstacks.comの記事に書いてありました。
成分が少なければ少ないほど、安全な可能性が高いということです。
これはサプリメントに限らず、加工食品などでも使える判断基準です。
また、粉末、液体、カプセルのサプリメントは、より安全な成分で作られている傾向があるということです。
私の個人的な基準では、グルテンフリーでNon-GMOのものを選び、
大豆油、人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど)が使われているサプリメントは買わないことにしています。
ビーガンかどうかはあまり気にしていません。
日本のサプリメントは人工甘味料が使われていることがあるため、アメリカのサプリメントを選ぶことが多いです。
避けたい添加物を列記したので、サプリメントに対してイメージが悪くなってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に健康のことを考えて作られているサプリメントもたくさんあります。
一つ信頼できるサプリメントを見つけられると、同じメーカーから出ている他の種類のサプリメントも比較的信頼できる成分で作られている傾向があるため、選ぶ基準にしてみてください。
・サプリメントの購入を考えている人
・どのサプリメントを選べばいいのかわからない人
・サプリメントを選ぶ基準を明確にしたい人