除草剤グリホサートは、遺伝子組み換え作物を始め、様々な作物、食肉、卵、乳製品、ワクチン、綿製品、生理用品、空気、水などに存在します。
「グリホサートがどういう農薬かあまりよく知らない」という方は、↓こちらの記事を先にご覧ください。
シュウ酸は主に緑の葉物野菜に「アク」として自然に存在しますが、人の体内でも肝臓の代謝物として生成されます。
シュウ酸は体内でミネラルと結合し、結石を作ります。
腎臓に蓄積した結石は腎臓結石として激しい痛みを伴うことで知られていますが、シュウ酸塩結石は腎臓以外の臓器、体のあちこちに蓄積することができ、炎症の原因になります。
「シュウ酸って何?」という方は、↓こちらの記事を先にご覧ください。
このシュウ酸塩結石の形成を予防するためには、シュウ酸を含む食品の摂取を控えるとともに、グリホサートの摂取を避けることが重要になります。
この記事では、除草剤グリホサートがどのように体内でシュウ酸生成を促進するかについて、イギリスの栄養療法士エリオット・オバートン医師のYouTubeビデオを参考に説明しています。
グリホサートを分解する腸内細菌
人体はグリホサートを分解できませんが、様々な菌が住む腸内には、分解できる菌がいます。
グリホサート分解菌は以下の通りです。
●セレウス菌 Bachillus Cereus
●枯草菌 Bacillus Subtillis(Bs-15)
●有胞子性乳酸菌 Bachillus Coagulant
●酢酸菌 Acetobacter
●アクロモバクター属 Acromobactor sp. Kg 16
●オクロバクトラム・アンスロピ Ochrobactrum Anthropi GPK 3
●モルガン菌 Morganella Morganii
●コリネバクテリウム・クツェリ Corynebacterium Kutseri
これらの菌は、グリホサートを、
●AMPA(人工アミノ酸)
●グリオキシル酸(グリシン生合成の前駆物質であり、分解生成物)
に分解します。
この際に使われる酵素は、
●グリホサートオキシドリダクテーゼ
●グリシンオキシデーゼ
です。
グリホサートが腸内に入ると…
グリホサートは、植物のアミノ酸生成経路である「シキミ経路」を選択的に阻害し、植物を枯らせます。(遺伝子組み換え作物は、グリホサートで枯れないように設計されています。)
グリホサートが腸内に入ると、特定の腸内細菌がシキミ経路を使って芳香族アミノ酸(チロシン、トリプトファン、メチオニン)を生成することを阻害します。
この芳香族アミノ酸は、ドーパミン、メラトニン、セロトニンなどの神経伝達物質生成に重要なアミノ酸です。
別の腸内細菌は、グリホサートに耐性があります。
例
●サルモネラ菌
●ウェルシュ菌
●ボツリヌス菌
●クロストリジウム・ディフィシル
●緑膿菌
グリホサート摂取により、影響を受ける菌、受けない菌がいて、それにより腸内細菌叢の不均衡が起こります。
これは体内で代謝に重要な硫酸化合物の欠乏を引き起こす可能性があります。
また、腸内に住むシュウ酸分解菌「オキサロバクター・フォーミジェネス」は、直接グリホサートによって殺されるかは分かりませんが、グリホサートの影響を受ける乳酸菌やビフィズス菌の減少で影響を受ける可能性はあります。
肝臓のシュウ酸生成
グリホサートが腸内細菌によりAMPAとグリオキシル酸に分解されることは、先ほど説明しました。
このうちグリオキシル酸は、肝臓で代謝されシュウ酸が生成されることに関係している可能性があります。
シュウ酸は体内でミネラルと結合することで、ミネラルの吸収を阻害する、結石を作ることで組織を物理的に損傷する毒性があります。
人にとってシュウ酸は野菜からの摂取が主ですが、肝臓でも代謝物として少量生成されます。
そのメカニズムを解明した研究結果はまだないということですが、このような仮説になります。
グリオキシル酸は、ビタミンB6(ビタミンB1も関与している可能性)を使用し、肝臓でアミノ酸の一種であるグリシンに変換されます。
グリシンが豊富な食品は、主に肉や魚です。
グリホサートを使用した遺伝子組み換え作物原料の飼料で育った家畜の肉ではなく、グラスフェッド、オーガニックの肉、養殖よりも天然の魚を選ぶようにしてください。https://t.co/1kfcGpXPdo
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) November 5, 2020
ビタミンB6、B1が十分にない状態では、グリオキシル酸はLDHという酵素が使用され、シュウ酸に変換されます。
このため、結石ができやすい人、慢性炎症がある人などは、グリホサートの摂取が症状を悪化させてしまう可能性があります。
グリホサートを避けるとともに、グリシン、ビタミンB群の摂取が推奨されます。
ラウンドアップにシュウ酸が添加されている?
ラウンドアップは、グリホサートを主成分にした除草剤の商品名です。
ラウンドアップの毒性はその添加物の影響により、グリホサート単体以上と言われています。
添加物に何が入っているのかは企業秘密なのでわからないのですが、そのうちの一つにシュウ酸が添加されている可能性があります。
これは雑草に散布された際、グリホサートの毒性をより強めるために添加されていると考えられます。
上部尿路結石の症例数の推移
1965年〜2005年毎年増えているのがわかります。
原因はいろいろあると思いますが、グリホサート使用量の増加とも関連しているのではないか?と考えています。https://t.co/QMcM5VGY8H pic.twitter.com/VulPiJpT0f
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) November 8, 2020
まとめ
除草剤グリホサートの摂取により、肝臓がよりシュウ酸を生成してしまうこと、ラウンドアップにシュウ酸が添加されている可能性があることについて説明しました。
シュウ酸塩の結晶の蓄積は体じゅうのどこでも起こり、IBS(過敏性腸症候群)、SIBO(小腸内細菌異常増殖症)や、自閉症、自己免疫疾患など様々な症状と関連している可能性があります。
これらを改善するためには、シュウ酸塩を体から排出する低シュウ酸ダイエットが効果的ですが、このダイエットの中でも食品はオーガニックを選ぶことが非常に重要になります。
グリホサートは食品以外にも、ワクチン、空気、水から摂取していることがあるため、完全に避けることは難しいようです。
できるだけ腸内細菌と肝臓に解毒してもらうため、グリホサート摂取が気になる方は、ビタミンB6、B1とグリシンをできるだけ摂取するようにしてください。
グリホサートを避けるためには、どのような食品に気をつけたらいいのか?
こちらの記事を参考にしてください。↓
・結石ができやすい人
・慢性疾患がある人
・食品がオーガニックかどうかを気にしたことがない人