マイクロチップは識別の目的で、犬や猫などのペットから動物園にいる動物たちまで、体内に電子タグが埋め込まれています。
ペットが迷子になった時、災害の時などにスムーズに捜索できると言われ、マイクロチップを推奨する自治体も増えてきています。
マイクロチップは、首輪の迷子札のように外れてしまったり破損してしまうことがなく、装着もほとんど痛みがない状態でできると、メリットばかり強調されますが、デメリットはないのでしょうか?
マイクロチップのメリットを紹介するサイトはすでにたくさんあるので、この記事ではアメリカのホリスティック獣医サイト「dogs naturally」より、デメリットに焦点を絞った記事を紹介します。
マイクロチップの目的
以下、引用
マイクロチップは識別の目的で、犬や猫に埋め込まれています。
●魚
●フェレット
●馬
●アルパカ
●カメ
●象
●鳥
●ラマ
●実験動物
●動物園の動物
●ヘビ
など、犬猫以外にも埋め込まれています。
しかしマイクロチップは信頼できる識別方法なのでしょうか?
そしてマイクロチップを埋め込むことに健康上のリスクはあるのでしょうか?
マイクロチップは、一度埋め込んだら一生安全で効果が続く識別方法として推奨されています。
また、迷子や盗難に遭ったペットを飼い主の元に戻せる、避難所にいるペットの数を大幅に減らせる、危険な犬の飼い主を特定して罰せられる方法としても推奨されています。
悪徳ブリーダーや動物への虐待を防ぐ効果も期待されています。
これだけ聞くと魅力的に聞こえるかもしれませんが、ペットにマイクロチップを入れる前にさらなる事実を調べる必要があります。
健康リスク
ペットを飼う人には、「マイクロチップは安全である」ということしか知らされません。
実際、製薬・マイクロチップ大手のメリアルは、「マイクロチップはペットが耐えられる痛みしかない上に、かゆみ、アレルギー反応、膿瘍のリスクがないことを科学的研究が示している。」と述べています。
さらにメリアルは、「ヨーロッパでの症例報告から、マイクロチップが拒絶反応を引き起こすことはない。」と主張しています。
しかし、英国小動物獣医協会(BSAVA)によって記録されたレポートによるとそうではないということがわかります。
マウスとラットを含む科学的研究は、試験動物が致命的なマイクロチップ誘発性の癌性増殖を発症したことを示しています。
この報告は、動物園の動物からマイクロチップに関連したがん細胞の成長を発見したことからも示されています。
医学的報告と科学的研究はまた、犬と猫のマイクロチップの埋め込み部位で、進行の速いがん細胞増殖を発見したことを明らかにしています。
2009年、スコッティという名前のヨークシャーテリアは、マイクロチップ埋め込み部位に上皮向性リンパ腫を発症しました。
スコッティはがんを発症してから数ヶ月、6歳の誕生日に亡くなりました。
2010年10月、アンドレア・ラザーファードさんは、Merck Sharp&DohmeとDigital Angel Inc.に対して、彼女の猫がマイクロチップ埋め込み部位でがんを発症したため、訴訟を起こしました。
訴訟の結果は保留中です。
マイクロチップを推奨する人の多くは、ペットがマイクロチップ埋め込み部位からがんを発症するリスクは「無視できるレベル」「存在しないレベル」と述べています。
マイクロチップによるがんのリスクは「インターネット都市伝説」である、とさえ言う人もいます。
しかし、何十年にもわたる科学的データが、体内に埋め込まれた物体ががんを引き起こす可能性があることを証明しています。
それでも、マイクロチップの癌リスクを否定する人たちは、マイクロチップとがんは関連性がないと主張します。
ペットはがん以外にも、マイクロチップによる神経学的損傷のリスクにもさらされます。
T.J.スミス(英国の獣医)とノエル・フィッツパトリック(アイルランドの外科獣医師)の記述によると、
体重1.6 kg、6週齢のチベタンテリアは、マイクロチップを背側頸部に挿入した後、12時間に及ぶ進行性四肢麻痺の急性発症で入院しました。
と書いています。
マイクロチップ埋め込みの施術によっても、ペットの死亡事故が起きています。
2004年、BSAVAによると、子猫がマイクロチップ埋め込みの際、突然死したと報告しました。
死後の検死中に、マイクロチップが脳幹で発見されました。
2009年、チャーリーブラウンという名前の赤ちゃんチワワは、マイクロチップ埋め込みから数時間後に亡くなりました。
チャーリーはマイクロチップ装着の際、針が刺さった小さな穴から極端な量の出血があり亡くなりました。(施術をした認定獣医であるリード・ローケン医師 談)
チャーリーの飼い主のロリ・ギンズバーグさんは、「チャーリーにマイクロチップを入れることは賛成していませんでしたが、法律で義務付けられていたので仕方がなく入れました。」と述べています。
ギンズバーグさんは次のように付け加えています。
「家族や人生について決定を下すことができない、選択ができない国に住むことは恐ろしいことです。政治家は、ペットに最善を尽くす私の権利を奪うべきではありません。」
これらのような症例を踏まえても、マイクロチップ推進派は「副作用は稀」として、リスクの存在を認めません。
さらに獣医師や動物保護施設は副作用を報告する義務がないため、リスクは大幅に過小評価されており副作用の報告はごくわずかです。
機能しないマイクロチップ
マイクロチップは永久に効果が続く識別方法と言われていますが、機能しなくなったり、ペットの体から排出されたりすることもあります。
さらにマイクロチップは、体内で移動して失われることが知られており、識別を困難にします。
また、ほとんど知られていない事実ですが、マイクロチップ番号は重複するケースがあります。
複数のペットが同じ識別番号を持っているということです。
電子IDデバイスLtd のバーバラ・マサインさんは、次のように述べています。
「私はUSDA(アメリカ合衆国農務省)の公聴会に出席し、識別番号重複の問題提示を啓発しましたが、取り合ってもらえませんでした。状況は非常に政治的です。」
「USDAには、特定の製造業者と非常に密接な関係を持つ人々が関わっています。残念ながら、根底にこのような問題がある限り、彼らは国民の利益のためには動きません。」
マイクロチップ推奨派は、「マイクロチップが迷子ペット、盗難ペットを飼い主と再会させるのに役立つ。」と言います。
これを聞いた飼い主は、ペットのマイクロチップがすべてのスキャナーで読み取れると思ってしまいますが、そうではないケースもあります。
フロリダ州マイアミのサンセット動物病院の獣医師、パトリシア・クーリー医師は、次のように警告しています。
「すべてのスキャナーが同じように製造されているわけではありません。読み取り機能はピンキリです。もし迷子犬、迷子猫が保護されスキャンされた時、スキャナーが何も読取らなかったら迷子犬、迷子猫は安楽死させられる可能性が高くなります。」
大変残念なことに、生後8か月のアメリカン・ピット・ブル・テリア、ハッデンは、迷子になった際、スキャナーがマイクロチップを読み取れなかったため、バージニア州スタッフォード郡のアニマルシェルターで安楽死させられました。
ハッデンの飼い主、リサ・マーセイさんは、「アニマルシェルターのスタッフは、『ハッデンを2回スキャンし何も登録されていないこと確認した、非常に残念に思っている』と説明しました。」と述べています。
どんなに好条件下でも、すべてのマイクロチップに対して100%の感度を持つスキャナーはありません。
ペットの飼い主が知っておくべきもう1つの重要な点は、ペットが盗難に遭っても、マイクロチップはペットを見つけることを保証しないことです。
英国での最近の事例では、マイクロチップが所有権の証明を提供していないことが明らかになっています。
そのため、盗まれたペットを見つけマイクロチップの情報を読み取っても、ペットが元の飼い主に返却されない可能性があります。
2010年4月、デイブ・ムーアハウスさんは、盗まれた愛犬ロッキー(ジャックラセルテリア)の行方を探していました。
ある日、ムーアハウスさんはマイクロチップデータベース会社であるアニベース(Anibase)から連絡を受け、ロッキーのの所有記録を変更するかどうかを尋ねられました。
ムーアハウスさんは、「ロッキーが盗まれた」とアニベースに説明し、ロッキーの行方を尋ねましたが、アニベースはロッキーの所在に関する情報の提供を拒否しました。
アニベースを所有、運営しているスティーブン・ウィルドリッチ氏は、次のように述べています。
「これはデータ保護法に基づく義務のため、私たちにはどうすることもできません。もし盗難を行った人物、そのペットを保護している人物が、彼らの情報を元の飼い主に知られること望まない場合、刑事訴訟や民事訴訟で強制されない限り、私たちは元の飼い主に情報を渡すことはできません。」
ロッキーのマイクロチップはムーアハウスさんに登録されていましたが、警察は刑事事件はないと結論付け、この件に関わることを拒否しました。
ハダーズフィールド郡裁判所の裁判官は、状況は警察の管轄外であると判断しました。
ムーアハウスさんは、尋ねます。
「ペットが帰ってこないなら、ペットにマイクロチップを付ける意味は何ですか?」
マイクロチップ推奨派と、マイクロチップで利益を得る人たちは、「マイクロチップが避難所にいるペットの数を大幅に減らす。」と主張しています。
この主張は、長期的で公正な調査によって立証されていません。
実際、動物保護施設を調査したマイクロチップ、スキャナー、データベースの短期研究で、「マイクロチップは絶対的なシステムではなく、100%のパフォーマンスを期待するのは現実的ではない。」と結論付けています。
埋め込み型マイクロチップは、危険な犬の飼い主を特定して、犬の行動に責任を負わせるためにも推奨されています。
もし飼い主が良識のない人だった場合、犬のマイクロチップを部位を切除するという非人道的な方法で簡単に取り除くこともできます。
マイクロチップは、悪徳ブリーダーの抑制や動物虐待を防ぐ方法としてもアピールされています。
英国では、繁殖業者の所有する犬のマイクロチップ埋め込み義務を実施することが提案されています。
そのような政策が勧められているのも関わらず、アニマルシェルターRSPCAの検査官であるリチャード・アボットさんは、チャリティー団体スタッフが繁殖施設を視察した際、
●施設内は暗く、湿っており、アンモニア臭が充満している。
●動物には寝具がまったく与えられていない。
●子犬の死骸が落ちている。
という報告があったことを明かします。
残念ながらマイクロチップの強制は、悪徳ブリーダーやパピーミルの非衛生的な状態、動物への虐待を防ぐことはできていません。
悪徳ブリーダーは、マイクロチップコストを削減するために、マイクロチップと挿入デバイスをインターネット経由で購入する可能性が高く、施術は非衛生的な環境で訓練を受けていない素人によって行われます。
その結果、子犬は、感染症、膿れ、出血、神経学的損傷、およびマイクロチップによって引き起こされるがんなどに苦しみ、最悪のケースでは死亡します。
埋め込まれたマイクロチップが問題を引き起こすことが懸念されているにも関わらず、以下のような意見も絶えません。
さまざまなインターネットの「都市伝説」が、マイクロチップとがんを関連づけようと試みてきました。現在まで、これを確認する科学的データはありません。私たちの意見では、リスクはごくわずかであるか、存在しないかです。
NY州ニューバーグ獣医病院:エレンフリードマンDVM医師
引用終わり。
まとめ
ペットのマイクロチップは、獣医や自治体、マイクロチップ利権に関わる企業は「安全」「有益」という点ばかり主張しますが、実際は健康リスクがあり、迷子や盗難、災害に遭った際もどこまで有益かはわからないということでした。
大切なペットの健康に責任のある飼い主さんたちにとって、マイクロチップは、
●広く出回っている粗悪なペットフード
●特に脅威になっていない感染症に対して、重大な副作用のリスクを無視して接種するワクチン
とともに考えなくてはいけない問題だと思います。
マイクロチップ装着義務の法律ができてしまう前に、この問題を多くの人たちと共有することも大切になります。
・ペットの飼い主さん
・ペットを飼う予定がある人