ケイ素の役割と体が使用しやすい形態のケイ素

栄養

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ケイ素は地球上で酸素の次に多く存在する元素です。

土壌や海水、植物に多く含まれ、人の健康にとっても大変重要なミネラルです。

現代の食事は精製した食品が多く、野菜や果物も皮をむいて食べるため、ケイ素が不足しやすい傾向にあります。

胎児は体内にケイ素をたくさん持って生まれてきますが、生後少しずつその蓄えを使うため、食事からケイ素を補充する必要が出てきます。

 

とても重要な栄養素でありながら、その重要性は長年語られてきませんでした。

栄養学者のカラウス・カウフマンは、これを「ケイ素があまりにも普通にいろいろなところに存在するため」と言います。

 

この記事では、カラウス・カウフマン著「Silica~The Forgotten Nutrient~(シリカ~忘れられた栄養素~)」という本を参考に、ケイ素の役割、体が使用しやすい形態のケイ素について説明します。

こんな人に読んでもらいたい
・30〜40代の人
・老化が気になる人
・骨折を経験している人
・虫歯が多い人

 

ケイ素とは?

元素番号14、元素記号はSiで表されるミネラルがケイ素(珪素)です。

ケイ素は、

●植物性ケイ素
●鉱物性ケイ素

に分類ができます。

 

土壌・鉱物に含まれる無機ケイ素を植物が吸い上げる、菌や珪藻によって代謝される、動物に摂取されると、生体内で有機ケイ素が生成されます。

このような有機ケイ素の形態は、オーガニックシリカ、オルトケイ酸、水溶性シリカとも呼ばれます。

 

ケイ素に限らず、ミネラルの元素は単独で存在するよりも何かと結合して化合物として存在することを好み、その結合している物質によって生体利用率が変わってきます。

植物に存在するケイ素は複数の微量栄養素と結合しており、人の体が利用しやすい形態の化合物を形成している傾向があります。

 

逆に無機ケイ素は、生体利用率が低い形態のケイ素です。
生体利用率は低いのですが、デトックス作用や体内の電気的バランスを整える作用があります。

 

植物性ケイ素と鉱物性ケイ素は、両方健康に有益だが、役割が異なる。

 

鉱物性ケイ素は、鉱物、砂、泥、ガラス、水晶、セラミックなどに存在します。

カルシウムが豊富な土地は、ケイ素が少ない傾向にあります。

 

有名IT企業の本社が数多くあるアメリカのシリコンバレーは、昔フリントと呼ばれるケイ素を多く含む火打石が採れたことから、この名前が付けられたそうです。

シリコンは電子機器の半導体の材料にもなっています。

 

シリコンとシリコーン、シリカの違い

シリコン(Silicon)は、日本語でいう「ケイ素」です。
ケイ素元素の事をシリコンと呼びます。

地球上ではシリコンが単体で存在することは不可能で、太陽の内部でのみ単体で存在します。

 

シリカ(Silica)は、二酸化ケイ素(SiO2)のことです。
酸素と結合したケイ素の化合物が、二酸化ケイ素です。

 

シャンプーや化粧品に含まれるシリコンは、正しくは「シリコーン(Silicone)」と言います。
二酸化ケイ素を還元して金属ケイ素にしたものにメチノールなどの化学物質を結合させて作り出した人工的な化合物です。

シリコーンはゴム、オイル、合成樹脂(プラスチック)などの形態に加工され、日用品、化粧品、食品添加物、豊胸手術で使うバッグ、電子機器の部品などに使われています。

 

ちなみに、お菓子や乾物のパッケージに入っている乾燥剤のシリカゲル(Silica Gel)は、二酸化ケイ素からできている合成の素材です。
水分を吸収する性質があります。

 

ケイ素の役割

体内でのケイ素の役割はたくさんあります。

 

カルシウムを作る

ケイ素はカルシウムの吸収を助けると言われていますが、「Silica~The Forgotten Nutrient~(シリカ~忘れられた栄養素~)」によると、ケイ素がカルシウムの吸収を助けるのではなく、ケイ素自身がカルシウムになってしまうということです。

 

原子転換説

ケイ素はカルシウムなど、ミネラルの吸収を促進すると言われていますが、フランスのルイ・ケルブラン博士の原子転換説によると、体内でケイ素がカルシウムに原子転換すると言われています。

 

先進国では80年代くらいから骨粗鬆症が一般的になり、カルシウムのサプリメントやカルシウムを添加した加工食品などが普及しました。

ところが人々のカルシウム欠乏の傾向は止まらないどころか、どんどん悪化していきます。

 

原子転換説が正しいとすると、これはケイ素欠乏が原因になっており、カルシウムをサプリメントや牛乳などで摂取してしまうと、カルシウムは吸収されず、本来あるべきではない部位に蓄積、組織を石灰化してしまう弊害まで生んでしまうということになります。

 

逆にケイ素を摂取すると、体内で利用可能なカルシウムに変換されるため、カルシウムを摂取するよりもケイ素を摂取する方が骨を強くすることができるということです。

 

原子転換説のメカニズムは完全には解明されておらず、研究室の試験管の中でこれが証明されたことはありません。

しかし、ケルブラン博士は試験管内と体内では全く環境が違うため、体内の微生物などの働きにより原子転換が起こるのではないか?と仮定しています。

 

 

ケイ素欠乏のために起こる石灰化の例は、松果体です。

脳の中心に位置する松果体が石灰化すると、機能が阻害され様々な弊害を引き起こします。

 

歯石は歯垢が唾液のカルシウムにより固められた(石灰化された)ものですが、ケイ素を摂取することで 歯石が付きにくくなります。

 

胎児はケイ素を豊富に持っている

胎児はケイ素を豊富に持ち生まれてきますが、カルシウムはあまり持っていません。

生まれてから体内に蓄えてきたケイ素を骨や歯を強くするためにカルシウムに変換して使用します。

加齢とともに、体内のケイ素量は減り、カルシウム量が増えていきます。

 

出典:Silica: The Forgotten Nutrient 年齢別大動脈内のケイ素量の推移

 

コラーゲンを作る

骨はただ硬いだけでなく、ある程度の弾性が必要です。

骨などの硬組織に弾性を与えるのがコラーゲンであり、ケイ素がコラーゲンを作ります。

 

関節などの結合組織は、

●コラーゲン
●エラスチン
●ムコ多糖類
●粘液性炭水化物

で構成されています。

ケイ素からできているコラーゲンは、水分を保持し、結合組織の成分を結合させた状態に保ちます。

体内の炎症により発生するフリーラジカルは、この結合を分解する作用があり老化を促進しますが、ケイ素の存在がこれを防いでくれます。

 

肌の弾力もコラーゲンのおかげです。

肌の外側の層は、水分を乾燥させないように守っており、内側の層(真皮)には、コラーゲンがたくさん含まれ肌の健康を維持しています。

子どもの頃は弾力がある肌も加齢とともにハリがなくなってくるのは、体内のケイ素量が減ってくるためと考えられます。

そのためケイ素を摂取することでアンチエイジングになり、肌を若返らせることができますが、効果が実感できるまでに少し時間がかかるため、ケイ素摂取は早ければ早いほど良いということです。

できれは子どもの頃から積極的にケイ素を摂取することが推奨されます。

 

肌のシワを除去するためのコラーゲン注射は、動物のコラーゲンを使います。

効果はありますが、外来成分を体内に入れることは有害であり、アレルギー反応が出ることもあります。

人工的に合成されたコラーゲンは、効果の持続時間が短い傾向にあります。

 

 

デトックス作用

ワクチン、食品、デオドラントなどの日用品に含まれるアルミニウムという重金属は、脳に蓄積し、認知症などの問題を引き起こします。

 

ケイ素がアルミニウムと反応しやすい性質があり、一度結合するとなかなか離れません。

ケイ素の摂取により蓄積したアルミニウムがケイ素に引き寄せられ結合、排泄されます。

 

体内の電気的バランスを整える

ケイ素は微量ミネラルに分類されます。

ケイ素の持つ特徴として、特定の圧力下でミトコンドリアの機能を促進し、電気エネルギーを作り出します。

ここで作り出されたエネルギーは、血管の機能、解毒経路、細胞の損傷を修復することに使われます。

 

珪藻土(ダイアトマイト)は、珪藻という藻の殻の化石からできた堆積物です。

珪藻土の有機ケイ素の部分は分解されてなくなっているため、珪藻土は無機ケイ素から構成されています。

無機ケイ素の生体利用率は低く体に吸収はされませんが、摂取することで体内の毒素を吸着する高いデトックス作用があります。

 

さらに珪藻土は負の電荷を帯びているため、フリーラジカル、寄生虫、ウイルス、農薬、重金属、病原菌、化学物質などの正電荷の物質を引き付けて結合し、便や尿などで体外に排出する作用があります。

 

 

抗がん作用

西ドイツのダウンという町は、がんに罹る人が際立って少ない地域です。

これはダウンの土壌にケイ素が豊富に存在するため、人々が天然のシリカ水を日常的に摂取しているためと考えられています。

 

一般的にがん患者にはケイ素、マグネシウム、カルシウム、鉄などミネラルの不均衡が見られ、ミネラル欠乏の状態がなくなると腫瘍が消えることもあります。

 

フランスの研究者レリシュによると、ケイ素が豊富な土地に住む人たちにはがんの発症が少なく、反対にカルシウムが豊富な土地に住む人たちにはがんの発症が多い傾向があることがわかりました。

さらに研究では、がんの発症部位は際立ってケイ素が欠乏している傾向にあると結論付けています。

 

その他

●歯と歯茎を強くする

●老化を遅くする

●下痢、便秘の改善

●変形性関節症、リウマチの改善

●腎臓結石形成の阻害

●アルツハイマー病の予防

●骨のミネラルバランスを整え、骨粗鬆症を予防

●結核の予防と治療

 

 

ケイ素欠乏のサイン

ケイ素欠乏のサインは以下の通りです。

 

1、カルシウム吸収不全の診断

2、胃酸が少ない

3、PMS、月経前症候群

4、乳糖不耐症、牛乳の摂取が体調不良を引き起こす

5、セリアック病(特に若い頃に発症したケース)

6、過多のげっぷ

7、エストロゲン・プロゲステロン欠乏

8、肝臓・腎臓障害

9、異常に虫歯が多い、欠損歯が多い

10、睡眠中や筋トレ中にふくらはぎがつる

11、腰痛

12、身長が縮む

13、爪の伸びが遅い、爪がもろい

 

通常、加齢によりケイ素の吸収が難しくなるため、年をとるごとに欠乏は悪化していきます。

これを防ぐには、体が利用しやすい形態のケイ素を積極的に摂取することが必要になります。

 

ケイ素の推奨摂取量

ケイ素の推奨摂取量は厚生労働省などの機関によって定められているわけではないのですが、「Silica~The Forgotten Nutrient~(シリカ~忘れられた栄養素~)」では1日20〜30mgを推奨しています。

ケイ素は尿で排出されたり、抜け毛や爪からも排出されています。
この排出されるケイ素が1日平均7mgということなので、最低7mgは摂取することが必要です。

ケイ素欠乏のサインがある方は、1日40mgの摂取が推奨されます。

 

スギナは生体利用率の高いケイ素

Silica~The Forgotten Nutrient~(シリカ~忘れられた栄養素~)」でオススメしているケイ素は、スギナです。

特に春のつくしが枯れ始めてから出てくるスギナは、体が利用しやすい水溶性ケイ素が豊富です。

これはこの時期のスギナにケイ素が多く含まれているというわけではなく、この時期のスギナの持つバイオフラボノイド・クロロフィル(葉緑素)がケイ素と結合し吸収率を高めてくれているためです。

スギナ1gあたり、20〜30mgのケイ素が含まれています。

 

 

スギナをお湯で煮出し、お茶にすることが効果的です。
※お茶にすることでどのくらいのケイ素が摂取できるかという具体的な情報は見つけられませんでした。

 

さらにこのお茶をお風呂に入れると、

●リウマチ
●アトピー
●皮膚病
●浮腫
●循環器系疾患
●静脈炎
●骨折

などに効果があります。

植物性ケイ素の肌への塗布は、経皮吸収でケイ素を摂取でき、さらに体臭を抑えるデオドラント効果もあります。

オートミール風呂がアトピーに効果があるのも、オーツのケイ素を経皮吸収しているためと言えます。

 

 

ホメオパシーでは、スギナを

●膀胱炎
●無尿症
●肺結核

に使用します。

 

 

スギナ茶は1日3杯を上限とし、長期間毎日飲むことは避けてください。

スギナには微量のニコチンが含まれるため、妊娠中・授乳中の方、お子様は避けるか、飲んでも少量にとどめておいてください。

薬を服用されている方は、専門家に相談した上で摂取してください。

 

 

食品から摂取するケイ素

ケイ素は主に野菜に多く含まれます。

食品のケイ素含有量の例は以下の通りです。

食品(100gあたり) ケイ素含有量(mg)
オーツ 595
ミレット 500
233
ジャガイモ 200
全粒小麦 158
アーティチョーク 36
ホースラディッシュ 13
レタス 6〜7
いちご 6
人参 5
セロリ 4
ほうれん草 4
ビーツ 21
トウモロコシ 19
アスパラガス 18
ライ麦 17
ひまわり 15
パセリ 13
バナナ 5.3
ケール 1.6
1.5
りんご 1
さくらんぼ 1

 

これは食品のケイ素含有量の目安になりますが、例えばバナナを100g食べたからと言って、ケイ素を5.3mg摂取できたか?というと、そういうことにはなりません。

実際バナナを50本食べて、体に吸収されるケイ素は約8mgです。
バナナ1本を100gとして計算すると、バナナのケイ素吸収率は約33%になります。

食品によってケイ素の吸収率が違うことと、ケイ素は皮や芽(特に新芽)に多く含まれている、食物繊維の細胞膜に多く含まれているということを覚えておく必要があります。

そして野菜を生で食べるよりも、煮込んで食べる方がより吸収できます。

野菜を煮込んだスープは食物繊維に存在するケイ素がスープに溶け出すため、スープを飲むことで体が吸収しやすい形態のケイ素を効果的に摂取することができます。

野菜の芽や根は捨ててしまう場合も多いかもしれませんが、スープストックとして使い、煮込んだ後に捨てるとケイ素を無駄なく摂取できます。

 

シリカ水のケイ素

一般的なシリカ水に含まれるケイ素は、無機ケイ素(ミネラルケイ素)です。

デトックス作用、体の電気的バランスを整える作用はありますが、体が吸収しにくい形態のケイ素です。(多少は吸収するそうです。)

そのため、骨や肌の健康効果を期待してのケイ素摂取であれば、シリカ水など無機ケイ素とは別に植物性ケイ素も摂取したほうが効果的です。

 

ケイ素のサプリメント

スギナ茶の他に、生体利用率の高いケイ素がリビングシリカです。

 

Orgono Living Silica, Collagen Booster, 33.85 fl oz (1000 ml)
created by Rinker
シリシアムラボラトリーズ

 

リビングシリカは液体のサプリメントで、精製水と有機ケイ素でできています。

1日の摂取量は大さじ1(15ml)〜3杯です。

大さじ1杯で、22.5mgのケイ素を摂取できます。

 

他のナチュラルシリカサプリメントに比べ、吸収率が4〜10倍高くなっています。

 

私も使っていますが、まず肌の変化に気付きました。

スノーボードから帰ってくると、必ず顔にゴーグルの跡がついて何時間も消えなかったのですが、リビングシリカを摂取し始めてから、跡が消えるのが早くなりました!

ラインがたくさんありボコボコしていた爪も、少しなめらかになりました。

iHerbで$50以上の製品なので関税もかかり割高感がありますが、1日大さじ2杯摂取したとして約1ヶ月持ちます。

しかもこの効果!

アラフォー主婦の私には本当に嬉しいです!

 

まとめ

ケイ素は植物性ケイ素と鉱物性ケイ素に分けられ、生体利用率の高い植物性ケイ素は体内で他のミネラル原子に転換される、鉱物性ケイ素は生体利用率は低いがデトックス作用、体の電気的バランスを整える作用があるということを説明しました。

 

ケイ素摂取には、

●野菜スープ(植物性ケイ素)
●お茶(植物性ケイ素)
●サプリメント(植物性ケイ素・鉱物性ケイ素)
●シリカ水(鉱物性ケイ素)
●天然塩(鉱物性ケイ素)
●ゼオライト(鉱物性ケイ素)
●珪藻土(鉱物性ケイ素)
●クレイ(鉱物性ケイ素)

など、いろいろな方法があるので混乱しやすいと思いますが、この記事で目的に合ったケイ素を効果的に摂取する方法がわかっていただければ幸いです。

 

有機ゲルマニウムは、周期表でケイ素と同じ14族に属するゲルマニウムの有機化合物です。

そのため植物性ケイ素と類似する点があり、体の電気的バランスを整える作用があります。

 

今回は植物性ケイ素を中心に説明したので、次回は鉱物性ケイ素について取り上げたいと思います。

 

 

 

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