ケイ素がカルシウムに転換!ケルブランの原子転換説

栄養

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骨粗鬆症は、1980年代頃から先進国でどんどん症例が増えていきました。

その頃からサプリメントでカルシウムを補うことが一般的になり加工食品にもカルシウムが添加されるようになりましたが、骨粗鬆症の増加は止まりませんでした。

この原因の一つとして、カルシウムサプリメントが体に吸収されていないことが考えられます。

吸収されないカルシウムは、体の様々な組織に蓄積し石灰化したり結石を作り組織の機能を阻害します。

健康のために摂取するカルシウムが、逆に体調不良を引き起こしてしまうということになります。

 

フランスの科学者・ケルブラン(1901〜1983年)は、生体内の酵素や菌が存在する環境で一つの原子が別の原子に転換するという「原子転換説」を提唱しました。

これによると、ケイ素が生体内でカルシウムに転換され、このカルシウムこそが生体が利用でき骨を強くするカルシウムであると言えます。

これは一体どういうことなのでしょうか?

この記事では、カラウス・カウフマン著「Silica~The Forgotten Nutrient~(シリカ~忘れられた栄養素~)」という本から、生体内原子転換説についてを説明しています。

ケルブランの原子転換説

1966年、ケルブランは、「Biological Transmutations(生物学的原子転換)」という本を出版しました。

「原子核を構成する核子のクラスターの結合に何らかのエネルギーが加わると、構造が組み変わり原子転換が生じる」

ということを提唱しています。

 

これにより、生体内ではケイ素原子がカルシウム原子に転換されるということが起こります。

この説は実験室の試験管内では証明されておらず、既存の科学からの批判の対象になりました。

これはそれまで18世紀のフランスの学者、アントニー・ローレント・ラボアジエの「質量保存の法則」が正しいと信じられてきたためです。

何事も自然には発生しません。
すべての(化学)反応では、その前と後に同じ量の物質が存在します。
交換または修正の反応のみが存在します。

ラボアジエ「保存の法則」

何も失うこともなく、発生することもないということです。

個々の基本原子の不変性を示しています。

例えばケイ素はケイ素のまま変わることはない、ということになります。

 

 

20世紀になりケルブランの原子転換説など、反対意見が出てきました。

核時代に突入し、特定の元素は転換することができエネルギーになる、そして元の物質とは違うものになる、ということが発見されます。

核反応により放射性物質が生成されるというのが例です。

ラボアジエの質量保存の法則は間違いで原子転換説が正しいと裏付けるような事例が、自然界でいくつも観察されています。

ケルブランの幼少期の発見

ケルブランの育ったフランス・ブリッタニー地方の土壌は、花崗岩、長石、雲母、石英など、ケイ素を豊富に含む地域で、逆にカルシウムを含む石灰岩は少ない場所でした。

彼の親が飼育していた鶏は、炭酸カルシウムが極めて少ない土地で餌からもカルシウムを与えられることなく育てられていました。

それなのに鶏は毎日、石灰質の殻の卵を産みます。

幼いケルブランが鶏を観察していると、鶏たちが地面から一生懸命雲母のかけらを探し出し食べていることに気づきます。

さらにケルブランは母が鶏をさばくのを見ていた際、砂肝に砂が入っているのに雲母は入っていないことに気づきます。

雲母はどこに行ったのでしょう?

なぜカルシウムを摂取していないのに。石灰質で硬い殻の卵が産めるのでしょう?

当時この疑問に対しての答えを持っている人はいなかったため、ケルブランは自分で答えを探すことにしました。

ウィリアム・プラウトの発見

ケルブランの時代よりも約100年前の1822年、イギリスの科学者ウィリアム・プラウトは、卵に含まれるカルシウム量とひよこの持つカルシウム量についての研究をしていました。

プラウトは、ひよこの体内に卵の4倍の量のカルシウムが存在することを発見しました。

このカルシウムはどこから来たのでしょう?

プラウトは「未知の要素がカルシウムに転換する」という推測をしましたが、これは証明されることはありませんでした。

フォーゲルの発見

ドイツの研究者フォーゲルは、ミネラルを含まない蒸留水で発芽させたクレソンの新芽から、豊富な硫黄を検出しました。

この硫黄はどこから来たのでしょう?

ロザムステッド、ローズ、ギルバートの発見

1870年、イギリス研究者、ロザムステッド、ローズ、ギルバートは植物から土壌に存在する以上のマグネシウムを検出しました。

 

溶接工の中毒死

ケルブランは、フランスでのガス溶接工達の死因の調査に関わったことがありました。

犠牲者たちは皆、溶接の炎に近づきすぎていたため、ケルブランはこれを二酸化炭素中毒死と結論づけました。

しかし溶接工のいた環境の空気中には、酸素と窒素しか存在しません。

なぜ二酸化炭素が発生したのかはわからずに終わりましたが、ケルブランは溶接の安全対策規定を変更することにより、多くの溶接工の命を救うことになります。

ケルブランが高校生だった時、教室では錆びた鉄でできた暖房を使用していました。

冬になりその暖房を使うと、必ず頭が痛くなる生徒が出てきます。

先生は生徒に、これは二酸化炭素中毒の症状であると説明しました。

ケルブランはこの時、先生の説明に疑問を持ちませんでした。

 

本当の答えは、ケルブランが50歳を過ぎた時にわかりました。

生体内原子転換により、体内で窒素が二酸化炭素に変換されるのです。

窒素をヘリウムに交換することで、これが防げることもわかりました。

この発見の後、溶接での二酸化炭素中毒死は完全に防げるようになりました。

 

ケルブランはその後、ナトリウムがカリウムに転換することも発見。
「ナトリウム・カリウムのつながり」という本を書きました。

ケイ素→カルシウム

ケルブランはまた、珪質石でできた銅像が劣化すると、石膏や石灰が検出されることを発見しました。

これは微生物と酵素により、ケイ素がカルシウムに転換されたと考えられます。

ケルブランの出した結論は、以下の通りです。

カルシウムは、

マグネシウム1イオン(=24) + 酸素1イオン(=16)
または、
炭素 2イオン(=12×2) + 酸素1イオン(=16)
または、
炭素 1イオン(=12) + ケイ素1イオン(=28)

この組み合わせで作られます。

したがって、マグネシウムとケイ素が体内でカルシウムを作るための重要な元素になります。(炭素は元々生体に存在する。)

 

この説が正しいことを裏付ける現象は、

1、ケイ素が石灰化した肺を脱灰することにより、結核を治癒する。

2、生体は摂取量以上のカルシウムを排出する。カルシウム欠乏にはマグネシウムを摂取しなければいけない。

3、プラークの蓄積により動脈内が狭くなる疾患であるアテローム性動脈硬化は、ケイ素が減少するとカルシウムが沈着することで起こる。

4、結核とくる病患者の骨は、先にケイ素を失ってからカルシウムを失う。(カルシウム欠乏がケイ素欠乏に追従する形)

 

カルシウムをサプリメントで摂取しても、カルシウムが血流から軟組織に沈着し、石灰化したり結石を作ってしまいます。
したがってカルシウムサプリメントは強い骨を作りません。

逆にケイ素、特に生体利用率の高い植物性ケイ素の摂取は、骨に取り込まれ原子転換によりカルシウムを作ります。そして骨が強化されます。

ケイ素とリンの同化

また、ケイ素はリンととても相性が良く、お互いに依存しあっている状態にあります。

リンが豊富に存在する組織はケイ素の貯蔵場所になるため、リンがある脳組織にはケイ素が存在します。

そのため、リンを補給する場合、同時にケイ素も補給することが望ましくなります。

ケイ素とリン、両方の補給は、神経障害の治療において特に重要で、無力症の衰弱した体を回復させます。

 

馬の体内のケイ素の動きを研究したシャーノットという研究者は、馬が特定の食物を摂取した際に起きる石灰化という問題は、胆汁、副腎、軟骨、歯、筋肉、爪、皮膚、髪、肺、脾臓、血液などの組織や臓器からカルシウムやリンが流出して起きる、そしてこれと同時に通常ケイ素とカルシウムを保持している歯や骨からケイ素が完全に消える傾向にあるということを観察しました。

そしてリンを豊富に含む神経組織、脳や骨髄に、ケイ素が貯蔵されていることを発見しました。

 

カルシウムの代謝は、骨の石灰化と脱灰により行われますが、カルシウムが組織から流出するとケイ素を消耗する、ケイ素はリンにも転換する可能性を指摘しています。

 

まとめ

ケルブランによる生体内原子転換説について説明しました。

骨や歯を丈夫にするには、カルシウムの摂取よりもケイ素を摂取する方が効果的ということがわかります。

原子転換説は現在も仮説として捉えられ、ケイ素も「カルシウムの吸収を促進する」と説明されています。
が、実際はカルシウムの吸収を促進しているのではなく、ケイ素自体がカルシウムに変換してしまうということです。

そのためには、マグネシウムやリンの補給も大切になります。

 

ケルブラン曰く、

化学のように原子核内の電子の交換だけを見ていたら、原子転換説は理解できない。生体内には酵素や微生物の活動が存在するため、すべてを考慮すると原子転換が起こっていることがわかる。

と述べています。

 

 

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