ドーン・レスターとデビット・パーカー著「What really makes you ill?(あなたが病気になる本当の理由)」という本は、病気になる原因について私たちの今までの認識を覆す内容が書かれています。
第1章「病気の処方薬」では、医薬品・処方薬の効果は科学的な根拠に基づいて作られているわけではない、ということを説明しました。
第2章「効果がなく、危険なワクチン」では、処方薬同様、ワクチンにも科学的な根拠がなく、毒物を含むため深刻な副作用を発症しても全く不思議はない、ということを説明しました。
第3章「病原菌理論の虚偽」では、処方薬やワクチンのベースになっている考え方が「病原菌理論」で、この理論からして間違っているということを説明しました。
第4章「感染症神話」では、過去に流行した感染症の例をいくつか挙げ、一般的な認識との誤差、その矛盾点を指摘しています。
第5章「動物の病気」では、狂犬病、ウシ結核、BSE、粘液膿症、炭疽(症)などの例をもとに、現代医療の病気に対する間違った認識が動物に対してどのように影響しているかについて説明しています。
第6章「地球の汚染・科学の失敗」では、気候変動という問題を利用し本当の環境汚染から注目をそらしている事実、私たちが生活する上でどのような毒素が蔓延しているかについて説明しています。
第7章「非感染症」では、心血管疾患、化学物質過敏症、自己免疫疾患、アレルギーから自閉症やがんまで、様々な非感染症である疾患の、表向きの原因と本当の原因について説明しています。
今回は、第8章「地球の問題」の内容を要約して紹介します。
国連の「持続可能な開発」アジェンダ、特に持続可能な開発目標(SDGs)の問題と、それが世界の人々の健康にどのように関わってくるのかについて説明しています。
「What really makes you ill?(あなたが病気になる本当の理由)」は、日本語訳はなく英語版しか出ていないのですが非常に内容の濃い本なので、全文を読んでみたいという方は是非購入をおすすめします。
※2023年12月20日、日本語訳が出ました!
地球の問題
国連(UN)は、第二次世界大戦の終わり、1945年に設立されました。
最初は51カ国でスタートし、現在は193カ国が加盟しています。
国連の中心的使命は、
国際平和と安全の維持
です。
1945年以来、世界大戦こそ起きていませんが、世界のさまざまな地域で多くの紛争が発生しているため、国連が国際平和の維持に完全に成功したとは言えません。
21世紀の国連の使命は、
●平和と安全
●気候変動
●持続可能な開発(Sustainable Development)
●人権
●武装解除
●テロ
●人道と健康の緊急事態
●男女平等
●統治
●食糧生産
などが挙げられています。
国連には、多くの組織や機関が存在します。
●UNDP(国連開発計画)
●UNICEF(国連児童基金)
●WFP(世界食糧計画)
●UNFPA(国連人口基金)
●UNCTAD(国連貿易開発会議)
●UNEP(国連環境計画)
●世界銀行
●IMF(国際通貨基金)
●WHO(世界保健機関)
●FAO(食糧農業機関)
●UNAIDS(国連エイズ合同計画)
●IAEA(国際原子力機関)
●WTO(世界貿易機関)
●CTBTO(包括的核実験禁止機関-試験-禁止条約機関)
●OPCW(化学兵器禁止機関)
これらは「グローバルな課題」のために存在しますが、課題はその性質が完全に理解され、根本原因が正しく特定されている場合にのみ解決できます。
この章では、これらの課題が実際は正しく理解されておらず、その解決策がむしろ事態を悪化させていることについて説明しています。
現在の国連戦略の重要な側面の1つは「開発」です。
開発は、文明と生活の質の向上と同義であると認識されています。
発展途上国にグローバル化経済に参加する機会を与え、恩恵を受けさせるという支援は、「グローバリゼーション」が開発の背後にある原動力になっています。
貧しい発展途上国が現在の状態にあるのは、その原始的な性質の結果であると認識されています。
しかし、これは誤った認識です。
貧困と急速な人口増加の中で、経済発展は巨額の債務によって妨げられているのが現実です。
「発展途上国」または「後発開発途上国」と呼ばれる国の多くは、かつてヨーロッパ諸国の植民地でした。
植民地支配から解放されたように見える現在も、発展途上国は経済的に先進国に搾取され、植民地であり続けています。
先進国の搾取が、現在も発展途上国の貧困に影響している事実を認めることなく、すべての国連加盟国は国連の「持続可能な開発」アジェンダの実施に同意しています。
このアジェンダは、1992年にアジェンダ21で始まり、2000年にはミレニアム開発目標(MDGs)が続き、2015年には持続可能な開発目標(SDGs)が続きました。
アジェンダ21
国連環境開発会議(UNCED)は、1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催されました。
地球サミットとしても知られるこの会議の主な成果は、「アジェンダ21」でした。
国連のウェブサイトによると、アジェンダ21とは、
人間が環境に影響を与えるあらゆる分野の国連システムの組織、政府、および主要グループによって、グローバルに、全国的に、そしてローカルに取られるべき包括的な行動計画。
と説明されています。
貧困の撲滅や環境対策など、将来への持続可能な文明を実現するための国際的な行動計画ということです。
すべての人の生活水準を向上させたいという願望は、確かに有益な目標です。
しかし、1992年以来、アジェンダ21の下で実施されてきた措置のほとんどが失敗してきた事実があります。
一部の人たちの生活水準は改善されましたが、依然として貧困、飢餓、健康障害に苦しんでいる人たちが圧倒的多数です。
そしてお金持ちと貧乏人の格差は広がっています。
アジェンダ21の「開発と環境」の目的の達成には、「健康と開発は密接に関連している」という声明があります。
ここで注意が必要な2つのプログラムは、
●伝染病の管理
●環境汚染と危険による健康リスクの軽減
です。
伝染病の管理は、第3章「病原菌理論の虚偽」で説明した、病原菌理論という誤った理論の上に成り立っています。
誤った理論は誤った対策を生み出し、その対策のメインは、
●ワクチン接種
●医薬品の投与
●有毒物質の使用
などです。
ミレニアム開発目標(MDGs)
「開発アジェンダ」の次の段階は、ミレニアム宣言が署名され、ミレニアム開発目標(MDGs)が採択された2000年9月に導入されました。
ミレニアム開発目標には、主に発展途上国に焦点を当てた8つの目標が含まれ、そのうち3つは健康問題に関連しています。
●乳幼児死亡率の削減(MDG4)
●妊産婦の健康を改善する(MDG5)
●HIV / エイズ、マラリア、その他の病気と闘う(MDG6)
現状を見ると、これらの目標が失敗に終わっていることは明らかです。
にもかかわらず、ミレニアム開発目標2015レポートは、MDGsの満了時に、
グローバル、国、地域の協調的な取り組みのおかげで、MDGsは数百万人の命を救い、さらに多くの人々の状態を改善してきた。
と主張します。
この主張には根拠がありません。
レポートでは、適切な統計データが不足していることを認めています。
持続可能な開発目標(SDGs)
2015年9月、国連加盟国は開発アジェンダの次の段階に合意しました。
新しい宣言「私たちの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」というタイトルの文書を発表しています。
この文書では、2030年までに達成するべき、17の計画(SDGs)と、169の目標が記されています。
MDGsとは異なり、SDGsは発展途上国だけでなく、すべての国連加盟国によって実施されます。
文書では、
これらの計画と目標では、私たちは非常に野心的で変革的なビジョンを設定しています。
貧困、飢餓、病気、そして欲求のない、すべての生命が繁栄できる世界を構想しています。
と主張しています。
MDGsが失敗に終わったにもかかわらず、失敗の原因を見直さずにSDGsを実施しても、目標を達成する可能性は低いです。
人類が直面している問題を解決するためには、全く異なるアプローチが必要になります。
健康と幸福
2030アジェンダの目標3の中心的な内容は、
すべての年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、幸福を促進する。
ことです。
この目標には13の目標が含まれています。
健康に関する国連の専門機関WHO(世界保健機関)は、健康を次のように定義しています。
病気や虚弱がないだけではなく、肉体的、精神的、社会的に幸福の状態。
この本の前の章で何度も触れてきたように、WHOは根底にあるのが「病原菌説」という誤った理論であり、さらに慢性疾患の原因に対しては理解が不十分と認めているため、WHOが健康的な生活を保証することはできません。
現在とこれまでのWHOのアプローチは、病気の発生率と死亡率の増加を起こしています。
「すべての人の健康」という目標は、健康と開発が相互に関連しているという考えに基づいています。
↓
不健康な人々は生産性が低い
↓
不健康な人々の医療費は、国にとって財政的負担
↓
人々の存在意義は、国の発展と経済成長
これは重大な欠陥のある考え方です。
さらにもう一つの大きな欠陥のある考え方は、「健康が、医薬品やワクチンなどを使用する現在の医療システムのみにより提供される」ということです。
SDG3のターゲット8には、
経済的リスク保護、質の高い医療へのアクセス、すべての人にとって安全で効果的、質の高い、手頃な価格の必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む国民皆保険を実現する。
という目標があります。
2019年1月のWHOファクトシート「ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)」には、次のように示されています。
UHCとは、すべての個人とコミュニティが経済的困難に苦しむことなく必要な医療サービスを受けることを意味する。
ただし、10億人以上が世界で貧困に苦しむ中、UHCという保健医療サービスを実施するには、かなりのコストがかかります。
この問題には、豊かな国が貧しい国に援助するという形が提案されています。
病院などの施設建設に加え、医薬品やワクチンの費用も含まれます。
この保健医療サービスの重大な欠陥は、豊かな国の医療サービスが人々を健康にするというわけではないことです。
例えば豊かな国とされているアメリカは、医療サービスに莫大な金額が費やされているにもかかわらず、何百万人ものアメリカ人が健康状態が悪いことに苦しんでいます。
すべての人のための医薬品
現代医療は、「医療サービスに医薬品が欠かせない、医薬品だけが病気を治せる手段である」と主張しますが、これには根拠がありません。
医薬品は、体の生化学的プロセスをサポートするようにはできておらず、病気のプロセスに関与すると考えられている特定の身体機能を妨害するように化学産業の研究所内で作られた合成化合物です。
体の正常な機能を妨げる物質は、定義上「毒」です。
医薬品は「毒」であるため、病気に対する効果を示しても、同時に意図しない、予期しない効果も伴い、これを副作用と呼んでいます。
さらに、現代医療ではこの副作用を治療するために、副作用に病名をつけ別の医薬品で治療しようとします。
また、医薬品は厳格な安全性試験を受けたとされていますが、発売後に深刻な副作用を引き起こし販売停止になった医薬品はたくさんあります。
これは安全性試験の信頼性を疑う事実です。
他の薬物との相互作用を調べる試験もされていないか、数種類の薬物しか調べられていないため、複数の医薬品を摂取する場合にリスクになります。
安全性試験は6ヶ月までしかされていないケースが多く、6ヶ月を超える長期的なリスクは考慮されていない傾向があります。
「2001年〜2010年の間にFDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認された新規治療薬の発売後に起きた安全性の問題」と題された2017年5月の記事には、
2001年〜2010年にFDAによって承認された222種類の新規治療薬のうち、71種類(32.0%)が市販後の安全性の問題が見つかりました。
しかし、販売中止になったのは、たった3種類の製品のみでした。
興味深いことに、発売後の安全性問題が多かった医薬品は、生物学的製剤(バイオ医薬品)と精神治療薬でした。
第7章「非感染症」で説明したように、バイオ医薬品は、生物から遺伝子操作された医薬品のことを言います。
バイオ医薬品は、生細胞のタンパク質を遺伝子組み換え技術で作り出しているため、この自然界には存在しないタンパク質構造が病気から回復しようとする生化学的プロセスを助けるということはありません。
効果に疑問が残る医薬品で、世界中の人々を健康にすることは無理でしょう。
さらに、インドやバングラデシュは自国に医薬品製造施設を持ちジェネリック医薬品を製造していますが、本家の大手製薬は正確に再現できないと主張するバイオ医薬品を次々に開発し、発展途上国の医薬品製造に大きな影響を及ぼしています。
これは、貧しい国の人々が手頃な価格の医薬品を利用できるようにするという2030アジェンダの目標に反しています。
医薬品は人を健康にはせず、むしろ病気にするため、「発展途上国の人々が医薬品を簡単に手に入れられるようになるべき」と言っているわけではありません。
問題は、先進国に厳しい環境規制が存在するにもかかわらず、医薬品製造施設は有毒な排水を河川などの地元の水域に排出しているという事実です。
これには医薬品を摂取した人からの排泄物、医薬品製造プロセスでの下水廃棄物が含まれます。
特にNRDC(天然資源防衛協議会 )の報告書は、製薬業界の有毒廃棄物で汚染された水を無害化する技術は存在しないということを明らかにしています。
この製薬業界による水質汚染は、地元住民の健康状態を悪化させるでしょう。
すべての人のためのワクチン
「予防接種に関する10の事実」と題されたWHOのページには、
予防接種は毎年200万〜300万人の死亡を防ぎます。
世界的な予防接種の適用範囲が改善されれば、さらに150万人の死亡を回避することができます。
と記載されています。
これらの主張を立証することはできません。
「すべての人のためのワクチン」という目標を掲げた2030アジェンダは、主に感染症がより蔓延しているとされ、人々、特に子どもたちが「命を救うワクチン」を緊急に必要としている発展途上国での予防接種の適用範囲を拡大することに焦点を当てています。
2009年のWHOグローバルヘルスリスクレポートでは、
国が発展するにつれて、人口に影響を与える病気の種類は、下痢や肺炎などの主に感染性疾患から、心血管疾患やがんなどの主に非伝染性疾患に移行します。
と主張しています。
この主張からすると先進国には感染症が存在しないか、存在してもごく少数であると解釈できますが、現実はそうではありません。
先進国にも感染症と診断される症例は多くあります。
予防接種プログラムを含む「公衆衛生的介入」は、発展途上国がワクチンの費用を問題なく払えるようにするために開発の必要性を主張します。
オーストラリアのアボリジニの人々や子どもたちと一緒に働いたアーチー・カロケリノスMD博士は、1995年のインタビューで次のように述べています。
病気の子どもや栄養失調の子どもに免疫をつけることはできず、それを乗り越えることを期待することもできません。
感染症と呼ばれる症例は、貧しい生活条件に関連しています。
それは先進国のスラム街でも一般的になってきています。
NHS(イギリス国民保険サービス)のレポートでは、貧しい生活条件、貧しい衛生環境での「細菌の繁殖」が感染症の蔓延の原因になっていると認識しており、これを防ぐためのワクチン接種の必要性を強調します。
発展途上国で蔓延している病気の原因であると言われている細菌にはさまざまな細菌が含まれており、その多くは健康な人の体内で発見されていることに注意してください。
例えば、発展途上国の子どもたちにとって重大な健康問題であると言われている肺炎。
肺炎の原因菌の一つは、肺炎レンサ球菌です。
これは、健康な子どもにも見られることが認められているため、肺炎の原因にはなり得ない細菌です。
「バングラデシュにおける小児期の死亡の原因:最新情報」という2001年の記事によると、バングラデシュの子どもの死因は、医師の口頭分析によるものがほとんどであることを報告しています。
これは死因が細菌によることを証明していません。
にもかかわらず、バングラデシュでは2015年に、肺炎レンサ球菌によって引き起こされる肺炎を予防すると主張されているPCV(肺炎球菌結合型ワクチン)が導入されました。
ワクチンは病気を予防しないどころか、副作用、体調不良、死に関連しているという証拠が増えています。
ワクチンの副作用は、発熱や注射部位の痛みなど、すぐに現れる場合もあれば、数ヶ月〜数年経って現れる場合もあります。
副作用が軽く、ほとんど気づかないくらいの場合もあれば、重篤になる場合もあります。
予防接種の目的は感染症を根絶することですが、現在までに「根絶された」とする感染症は、天然痘のみです。人類は2世紀以上にわたって予防接種を行ってきたにもかかわらず…
ポリオは「ほぼ根絶」状態にあると主張されていますが、これにも疑問が残ります。
ポリオの主な症状は、麻痺です。
ポリオ流行国の代表であるパキスタンでは、ポリオ症例が大幅に減少しているそうです。
ところが、急性弛緩性麻痺(NPAFP)が大幅に増加しました。
ポリオはウイルスが原因で人々に感染すると考えられていますが、ウイルスは生物ではなく、人々に感染することはできません。病気も麻痺も引き起こしません。
ワクチンが麻痺を引き起こしている可能性があります。
詳しくは、第2章「効果がなく、危険なワクチン」を参照してください。
さらに、1990年〜1991年の北インド農村地域における麻痺性ポリオの状況を見ると、37例の麻痺症例中60%は、麻痺の前に発熱を抑えるための筋肉内注射を受けていた報告がありました。
ワクチンと他の有毒物質の組み合わせが、事態を悪化させている可能性があります。
インドでは 殺虫剤DDTの使用が禁止されておらず、ホルムアルデヒドはインドの化学産業の製品の1つであることに注意してください。
ポリオの増加は工業化と相関性があることが疑われ、産業が成長中の発展途上国では麻痺が増えています。
製薬業界は、さまざまな異なる病気を予防するワクチン、さらに場合によっては治療するためのワクチンを開発し続けています。
「2017年ワクチン・医薬品開発」というPhRMAのウェブサイトによると、
今日、アメリカのバイオ医薬品企業は、病気の予防と治療の両方を目的として264種類のワクチンを開発しています。
とあります。
驚くべきことに、264種類中101種類は、様々ながんのために開発されています。
伝染病
SDG 3の目標3は、
2030年までに、エイズ、結核、マラリア、今まで対策がとられていなかった熱帯病の流行を根絶させ、肝炎、水系感染症、その他の伝染病の対策にも取り組む。
と言及されています。
ここで言及されている伝染病は、主に発展途上国で蔓延していると主張されます。
工業化が進む地域の進み具合とこれらの伝染病の発症例の増加は比例しているため、この主張と一致します。
さらに貧困層に蔓延している伝染病について、 WHOは以下の要因を危険因子として挙げています。
●安全でないセックス
●高血圧
●喫煙
●飲酒
●安全ではない水
●不衛生
これらは貧困層特有の要因とは言えず、「病原菌が病気の原因であり、誰にでもどこにでも感染する可能性がある」と主張する病原菌理論と一致していません。
さらに、ワクチン接種の目的は、病気の原因であると主張されている細菌に対する抗体を生成するように体を刺激することで、伝染病の発症に寄与する危険因子に影響を与えるとは主張されていません。
統計を見ると、1960年代の感染症による死亡の大部分は、ワクチンの接種率が低い発展途上国で発生しました。
一部の富裕層の子どもは死亡率が低い結果になっています。
これは、住宅、栄養、衛生の改善に関連しています。
ワクチンが子どもの死亡率を下げているわけではありません。
さらに注意が必要な点は、WHO世界保健統計の信憑性が曖昧なことです。
2011年、世界保健機関の事務局長であるマーガレット・チャン博士は、
現在、約85か国、世界の人口の65%においては、信頼できる死因の統計はありません。
という声明を出しています。
貧困地域の医療制度に一般的に適当なデータを出しており、誤診、過小検出を考えると、死亡率や症例数などは、ほぼ確実に過小評価されています。
肝炎
肝炎の定義は「ウイルス、毒性物質、または免疫学的異常によって引き起こされる肝臓の炎症」です。
肝炎の最も一般的な形態は感染性肝炎で、AからEの文字で識別される5つの異なるタイプの「肝炎ウイルス」のどれかによって引き起こされます。
これは、抗体を検出する血液検査によって診断されます。
最も重大な感染性肝炎は、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスによって引き起こされるとされている肝炎です。
WHOのウェブサイトには、
ウイルス性のB型およびC型肝炎は、世界で2番目に多いがんである原発性肝がんの主な原因です。
と記載されています。
「C型肝炎」というタイトルのWHOファクトシートには、
C型肝炎ウイルス(HCV)は、急性感染と慢性感染の両方を引き起こします。
急性HCV感染は通常無症状性であり、生命を脅かす病気に関連することは非常にまれです。
とあります。
「無症状の感染症感染」というのは、矛盾している用語です。
なぜなら、現代医療は「感染」を、
病原体による侵入で、それは病気を引き起こし、認識可能な徴候および症状を伴う。
と定義しているからです。
肝臓の問題は、毒性物質によって説明することができます。
B型肝炎ワクチンは、出生後すぐに接種することを推奨されている予防接種で、アルミニウム、ホルムアルデヒド、遺伝子組換えDNA技術を使用して生成されたウイルスタンパク質が含まれている可能性が高いワクチンです。
遺伝子組み換え技術で生成された物質を新生児の体に注入することの長期的な健康への影響は、まだ明らかにされていません。
急性肝炎の症状は、
●黄疸(皮膚、目)
●極度の倦怠感
●吐き気
●嘔吐
などであり、これらは明らかに肝臓の問題を示していますが、ウイルスが原因ではありません。
慢性肝炎は、経口抗ウイルス薬で治療されることが一般的ですが、副作用に「重度の肝臓の問題」と記されているものもあり、肝疾患の治療としての使用に完全に不適切であります。
肝炎の治療薬が、肝炎の症状を引き起こしていると言っても過言はないです。
しかも、経口抗ウイルス薬には「ウイルスの増殖を抑制する効果はあるが、肝炎の症状は取り除かない」と記載されています。
したがって、B型肝炎治療が始まったら、それは一生続けなければいけないことになります。
現代医療は、「肝炎の主流は感染性肝炎である」と、ウイルスが大きな原因であることを主張しますが、毒素が肝障害に大きく寄与すること、発がん物質への曝露が原発性肝臓がんを引き起こす可能性があることは明らかです。
解毒臓器である肝臓が毒性物質の影響を受けやすいというのは、職業的曝露の例を見るとわかりやすいです。
肝炎に関連する毒性物質の一つに「溶剤」があります。
溶剤への曝露が発生する可能性のある職業は、以下の通りです。
●ドライクリーナー
●化学者
●医療従事者
●看護師
肝毒性があると特定された化学物質は、
●トリクロロエチレン(TCE)
●キシレン
●トルエン
●クロロホルム
などです。
肝毒性があると認識されている化学物質や溶剤の多くが工業プロセスで一般的に使用されているという事実は、発展途上国での工業化の増加が肝臓の問題の増加に関連している可能性が高いことを意味します。
インフルエンザ
インフルエンザは、SDG3.3で具体的に言及されている病気ではありませんが、2018年11月のWHOファクトシート「インフルエンザ(季節性)」では、世界的な現象であると主張されています。
季節性インフルエンザは急性呼吸器感染症で、世界各地で流行しているインフルエンザウイルスによって引き起こされます。
1918年インフルエンザ(スペイン風邪)については、第4章「感染症神話」で説明しました。
1918年のパンデミックは、医療機関に信頼できる死亡率と死因の統計がないと暴露されたことから、感染症の流行ではない可能性も大いに考えられます。
最も重要な側面の1つは、このパンデミックが第一次世界大戦の4年目に発生したことです。
貧困の感染症レポートでは、
感染症は、紛争地帯や戦争地帯に住む人々の間で蔓延している。
と強調されています。
病原菌理論は、感染症と紛争・戦争地帯との相関性についてを説明できません。
戦争中に罹患率と死亡率を誘発する可能性のある要因の1つは、ストレス、より正確には苦痛です。
1918年の「戦争神経症、シェルショック(戦場ショック、砲弾ショック)と兵士の神経症」というタイトルの記事では、戦闘部隊と何らかの原因で入院した患者の両方において、機能性神経症の影響がどれほど広範囲に及んでいるかが明らかにされています。
シェルショックやその他の神経状態に苦しむ人々にとって、治療は回復にほとんど効果を示さなかった。
さらに紛争に伴い行われたワクチン接種プログラムは、インフルエンザの罹患率と死亡率の増加に関連している可能性があります。
1918年インフルエンザ(スペイン風邪)では、死亡率の観点からの最大の流行地域はインドであり、推定死亡者数は1,000万〜2,000万人でした。
1918年、インドは大英帝国の植民地であり、西洋医療の製薬産業も存在していました。
これはインドでのワクチン接種プログラムの促進に影響を与えた可能性があります。
●天然痘
●腸チフス
●コレラ
●ペスト
などのワクチンが接種されていた時期と重なります。
1918年以降のインフルエンザの発生は、すべて1918年インフルエンザ(スペイン風邪)のインフルエンザウイルスの子孫ウイルスによるものとされ、ワクチンメーカーである製薬は、恐怖を煽り、ワクチン接種の推進の道具として使っています。
HIV / エイズ
「HIVと呼ばれるウイルスがエイズと呼ばれる病気の原因である」と主張する理論に根本的な欠陥があることは、第4章「感染症神話」で説明しました。
現代医療はこの欠陥を認めず、エイズの流行を2030年までに根絶すべきとして、SDG3.3の目標に盛り込んでいます。
エイズは最初はアメリカで発生しましたが、のちにアフリカで流行し、特にサハラ以南のアフリカがHIV感染が発生する主要な地域であると主張されています。
アフリカにおける「HIV /エイズ」の最も重要な側面の1つは、1980年代以降、エイズの診断が他の国、地域で使用されているものとは異なる基準に基づいていたことです。
1980年代以降、「スリム」と呼ばれる大幅な体重減少に苦しむアフリカ人たちが、HIVに感染していると認識され、他国では1980年代半ばから導入されていたHIV検査もアフリカには普及しませんでした。
これは、インフラと設備、資金の不足のためと考えられています。
●体重減少
●慢性の下痢
●発熱
●持続的な咳
●無力症
など、アフリカの人々にとって一般的だった症状を示すことが、エイズの診断につながりました。
また、妊娠中はHIV感染の偽陽性の検査結果が出やすいことは第4章で説明しましたが、アフリカでは妊娠中の検診でHIV検査をすることが多く、統計が歪められる原因の一つになっています。
結核、マラリアといった、サハラ以南のアフリカで蔓延している病も、エイズと誤診断されるケースが相次ぎました。
WHOファクトシートでは、
抗レトロウイルス療法(ART)をエイズ治療に利用可能にしたこと、それを急速に普及させたことが、致命的な病気であったエイズを慢性的で管理可能な状態に変化させたため、HIV治療は大きな進歩を遂げた。
2000年〜2017年の間に、新たなHIV感染は36%減少、HIV関連の死亡は38%減少。
この期間、ARTにより1,140万人の命が救われた。
とあります。
ARTは非常に有毒であり、ART治療で命を救うことはできないということは第4章で説明しました。
それにもかかわらず、WHOはARTの使用の拡大が、2030年までにエイズの流行を終わらせるというSDGの目標を達成するための取り組みの中心であると主張しています。
人々は植えつけられたHIVへの恐怖で自ら検査を受けるようになり、陽性の検査結果はARTを使用した治療の始まりを意味します。
ARTはウイルス複製の抑制を目的としているため、継続する必要があります。
そのため治療は生涯続きます。
2008年の「アフリカサハラ以南におけるART治療を受ける成人の早期死亡率」というタイトルの記事では、
サハラ以南のアフリカの早期死亡率は非常に高い。
患者の8%〜26%がART治療初年に死亡し、ほとんどの患者は最初の数ヶ月で死亡する。
とあります。
これらの死亡はARTの直接の結果であるという論理的な結論から注意をそらすため、これは難読化されています。
有毒な薬物が死因の唯一の原因とは言えませんが、治療の開始直後に発生する早期死亡とは無関係であるとは言えません。
アフリカなど発展途上国の健康問題には、貧困や衛生面の問題も関係していますが、産業による有毒物質も大きな要因になっています。
先進国で使用禁止になった有毒物質(多くは殺虫剤)は、発展途上国で援助や支援を装い届けられています。
有毒物質の中には、
●アルドリン
●クロルデン
●DDT
●ディルドリン
●エンドリン
●ヘプタクロル
など、現在地球上に存在する殺虫剤の中で最も危険なもの、有機リン酸塩も含まれています。
エイズを引き起こすのはHIVウイルスではなく、機能していない検査、診断であり、有毒薬物で治療されることで早期死亡が引き起こされていることは、大きな悲劇です。
結核
結核は、SDG 3.3で「2030年までに根絶させる」目標に含まれる、もう一つの疾患です。
現代医療は結核を、
●病原菌によって引き起こされる致命的な疾患
●発展途上国に蔓延する疾患
●HIV感染者は、結核菌感染率が普通の人に比べ20〜30倍高い
と認識しています。
もともと結核でもその後にHIV感染が陽性になればその症例はエイズになり、HIV感染が陰性なら病名は結核のままです。
結核とHIVが一般的に共存しているという主張は、いくつかの理由で非常に異常です。
異常のうちの一つは、2017年末には世界で3,690万人がHIV感染していると言われ、そのうち2,570万人、つまり約70%がアフリカ地域に住んでいたのに対し、結核は、2017年、結核の新規症例の62%が東南アジアと西太平洋地域で発生したとファクトシートに記載されています。
もう1つの異常は、結核は細菌性疾患と定義付けられていることに対し、HIV / エイズはウイルス性疾患であるということです。
「HIV感染が免疫系を弱め、そのために日和見感染に対して脆弱になり結核にもなりやすくなる」という主張がありますが、結核が偽陽性のHIV検査結果を生み出すのに、HIV感染が先にあるというのもおかしい話です。
結核に感染しているけど発症はしていない状態を、潜在性結核感染症と呼びます。
WHOファクトシートは、
世界人口の約4分の1が潜在性結核感染症です。
と主張します。
結核の診断と同様、潜在性結核感染症の診断は、結核菌の検出ではなく、結核菌に対する免疫反応の存在を検査することを行っていますが、結核レポートは、潜在性結核感染症の検査には限界があることを認めています。
潜在性結核感染症患者が、発症する可能性があるかどうかも判断できないことを認めています。
にもかかわらず、WHOは、潜在性結核感染症から結核発症するリスクを回避するために、潜在性結核感染症の検査で陽性となった人に、治療を受けることを推奨しています。
結核の治療は、HIV感染も伴う場合は抗レトロウイルス療法(ART)を使用、そうでなければ抗生物質を使用することが一般的です。
抗生物質は複数種類使用され、これは1種類の使用の場合、結核菌が耐性を持ってしまうことを防ぐためと説明されています。
一般的な抗生物質の1つであるイソニアジドは、副作用として肝毒性が報告されています。
発症するかもわからないような無症状の疾患に対し、このようなリスクの高い薬物で予防・治療するのは考えものです。
肝臓の損傷は、毒素を処理して排除する体の能力が著しく損なわれていることを意味します。
結核と潜在性結核感染症の早期発見・早期治療は、製薬業界の利益にはなるかもしれませんが、患者の利益にはなりません。
結核のリスク因子の一つ、糖尿病は、精製糖を多く含む加工食品の摂取と深く関係しています。
糖尿病有病率の増加と共に、結核の症例も増加しています。
以前より結核の有病率が高いインドは、世界第2位の砂糖生産国であり、最大の消費国でもあります。
近年ファーストフードは、発展途上国で影響力を伸ばしています。
有毒な食品添加物を多く含む食生活により、肝臓と腎臓が毒素の処理の限界に達すると、肺がそれを助けようとして影響を受けます。
マラリア
赤血球内にマラリア原虫属の寄生原虫が存在することによる感染症が、マラリアです。
この病気はハマダラ蚊によって伝染し、主に熱帯および亜熱帯地域に限定されます。
マラリアは、SDG 3.3で具体的に言及されているエピデミック疾患の1つであり、2030年までに根絶される予定です。
マラリアは感染症に分類されますが、人から人には伝染しません。
マラリアは結核やエイズに比べ致死率は低いとされていますが、何十億もの人々に非常に深刻な脅威をもたらすと言われており、特に危険にさらされている地域は、発展途上国、その中でも特にアフリカです。
マラリアについて現代医療の認識に矛盾・問題点は、以下の通りです。
- 発展途上国におけるマラリアを含む疾病の罹患率と死亡率に関して、入手可能なデータが不足していることはWHOも認めている。
- マラリア原虫という寄生虫に感染しているメスのハマダラ蚊によって感染すると報告されており、ハマダラ蚊とマラリア原虫は南極大陸を除き、世界のすべての大陸に生息する。
にもかかわらず、感染が熱帯および亜熱帯地域に限定されている。 - マラリアが特定の蚊(ハマダラ蚊)によって伝染するのか、特定のハマダラ蚊によってのみ伝染するのか、他の媒介動物によっても伝染するのか、主張が一貫していない。
- マラリアの主な症状、発熱と脾臓の腫大は、熱帯、亜熱帯以外の世界の多くの地域で発生したことが記録されている。
- 1564年〜1730年代(小氷期の最も寒い時期)、イギリスではマラリアが流行していたため、マラリアを媒介する種類のハマダラ蚊も存在していたことがわかる。現在のイギリスにもハマダラ蚊は存在するがマラリアの症例はない。マラリアを媒介する種類のハマダラ蚊がイギリスでは絶滅したと考えるには無理がある。
- アメリカも過去にマラリアの流行があったが、現在はマラリアは根絶されている。しかしハマダラ蚊は存在する。殺虫剤DDTの噴霧で根絶したと主張。
- 殺虫剤、薬物療法、環境工学により「マラリアは根絶された」という主張をしながら、媒介者であるハマダラ蚊はまだ生息しているという主張。
- メスの蚊は生まれてきた時点ではマラリアに感染しておらず、マラリアに感染している人を刺すことで蚊も感染。さらに人を刺すことで感染を広めるとされている。
- マラリア感染した蚊は無症状で影響を受けないが、マラリア感染した人は症状が出て命の危険がある場合もある。
- 蚊が吸う少量の血液に、どれだけのマラリア原虫が入っているのか、疑問。
- 蚊が血を吸うために刺す部位の血液に、どれくらいの確率でマラリア原虫が存在するのか、疑問。
- マラリア検査はマラリア原虫を検出するわけではなく、抗体を検出する顕微鏡検査で行われる。
- 経験の浅い顕微鏡医は、菌、垢、植物の胞子、酵母、空気中のカビをマラリア原虫と間違えることがある。
- 「マラリアに何度も感染することで免疫を獲得できる」という主張に根拠はない。
- マラリアの合併症と言われる「黒水尿」は、ヒ素中毒の影響。
- マラリアの治療薬キニーネは、マラリア感染から回復させることはなく、神経毒性がある。
- キニーネベースの薬、抗マラリア薬、特にクロロキンの過剰摂取は致命的となる可能性がある。
- マラリアのリスクグループ:乳幼児、5歳未満の子ども、妊婦、エイズ患者、移民、旅行者。
なぜこのグループが高リスクなのかについては、説明なし。 - マラリア流行地域では、妊婦に対し、妊娠中の予防治療としてスルファドキシン-ピリメタミン(SP)の投与を検討中。妊娠初期のSPの投与は、催奇形性の影響を伴う。
- マラリアワクチン「RTS、S」は、痛み、腫れ、熱に加え、熱性けいれんという深刻な副作用も報告されている。
- マラリア対策の蚊帳(ITN)は、ピレスロイドという殺虫剤が使用されており非常に有毒。この蚊帳の中で眠ることは、深刻な健康問題が発生するリスクがある。
- 屋内残留噴霧(IRS)という殺虫剤は、カーバメート、有機リン酸塩、有機塩素化合物からできている。有機塩素化合物の1つはDDT。
顧みられない熱帯病(NTD)
2030アジェンダのSDG3には、
顧みられない熱帯病(NTD)とは、熱帯地域、貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌感染症のこと。
とあり、流行の根絶の目標が盛り込まれています。
WHOのウェブサイトには、
世界中で10億人以上が貧しい生活を余儀なくされ、健康な数百人以上が生活を脅かされている。
とあり、「neglected(無視された、軽視された)」病であった印象を受けますが、これらの病気の影響はそこまで大きくありません。
リスクグループは、
●衛生設備がない地域の人たち
●感染性の媒介動物や家畜と密接に接触している人たち
●貧困層
とされています。
感染性病原体が人体に侵入する理由の1つは、微生物の複製を促進するためであると主張されていますが、これは、微生物が非衛生的な状態に住む貧しい人々の体に侵入することを好む理由を説明していません。
NTDの主な原因であると主張されている微生物は、細菌、真菌、原生動物です。
しかしこれらは健康な人の体に存在する微生物叢の構成メンバーでもあります。
細胞生物学の教科書の「細胞の分子生物学」という項には、「病原体、感染、先天性免疫」というタイトルの章があります。ここで説明されていることは、
人体は、約1013種類のヒト細胞と、約1014種類の細菌、真菌、原生動物の細胞で構成される複雑な生態系であり、これを微生物叢と呼ぶ。
病原体(を含む微生物叢)は通常、健康な微生物叢とは異なる。
健康な人の微生物叢は、無害、または有益であり、病原体が微生物叢に入ってくることで健康問題が引き起こされるという認識です。
また、無害、または有益である通常の微生物叢も、特定の条件下では有害になる可能性があることが示されています。
微生物の構成メンバーは、体の免疫システムが弱まっている場合にのみ問題を引き起こす。
無害、または有益である微生物が、なぜ有害に変わるのかは、説明されていません。
微生物は体に侵入して病気を引き起こすと信じて疑わない現代医療のこの問題点は、人間の健康問題に取り組む深刻な障害となっています。
微生物を破壊・攻撃する戦略の実施は、NTDの影響を受けている人々の問題を解決することはないでしょう。
顧みられない熱帯病(NTD)の例を見ていきましょう。
ハンセン病
ハンセン病は、WHOの顧みられない熱帯病(NTD)に分類される細菌性疾患の1つです。
第4章「感染症神話」では、歴史的にハンセン病が世界の熱帯地域に限定されていなかったことを説明しました。
世界中で新たに診断、報告されたハンセン病患者の81%は、
●ブラジル
●インド
●インドネシア
の3か国であるとされています。
ハンセン病について現代医療の認識に矛盾・問題点は、以下の通りです。
- ハンセン病は、熱帯地域以外でも発生している。
- 顧みられない熱帯病(NTD)に分類されながら、薬物での治療法が存在する。
- ハンセン病の原因菌・らい菌に感染すると、菌の増殖がゆっくりなため、潜伏期間が1年以内〜20年以上かかることもあるという主張。
- らい菌感染は、発症しないケースもあり、発症しても重症化しないケースがあるという主張は、コッホの原則に反している。
- CDC(アメリカ疾病予防センター)は、「ハンセン病が人々の間でどのように広がるのかは正確にはわかっていない」と認識の低さを認めている。
- 「95%以上の人がハンセン病に対して自然免疫を持っている」というCDCの認識。
- 「ハンセン病は、3種類の抗生物質を含む多剤療法(MDT)で治癒可能である」というWHOの認識。
- 多剤療法の薬は、吐き気、嘔吐、下痢、肝毒性などの副作用が報告されており、薬が有毒であることは明らか。
- ハンセン病の症状である神経損傷は、ヒ素、鉛、水銀などの有毒物質に曝露された際の神経障害と同じ症状であること。
- インド亜大陸内の多くの地域の地下水が、ヒ素で汚染されていることが報告されている。
- ハンセン病ワクチンは、現在試験中。
寄生虫感染症
寄生虫については、第3章「病原菌理論の虚偽」でも触れました。
寄生虫は、「他の生物の中、または表面に住む生物」と定義づけられています。
現代医療では、一部の例外を除いて、「寄生虫は病原性である」と主張しています。
しかし、2011年の「微生物真核生物」という記事では、「人体における寄生虫の機能はほとんど研究されておらず、したがってあまり知られていない」と述べています。
CDCのウェブサイトから読み取れる見解は、
- 寄生虫感染症は、主に熱帯地域で一般的な問題
- 顧みられない熱帯病(NTD)を引き起こす可能性がある
- 寄生虫感染は先進国でも見られる
- 病原性寄生虫は、原生動物、蠕虫(ぜんちゅう)、外部寄生虫の3種類に分類できる
●原生動物…腸、血液や組織に見られる。糞口経路を介して伝染する。
●蠕虫…体が細長く蠕動により移動する虫。扁形動物、回虫など。
●外部寄生虫…ダニ、ノミ、シラミなど。
ライム病は、ボレリアブルグドルフェリ菌を保菌するダニによる感染症と考えられていますが、健康な体は、侵入者の侵入を防ぐ自己保護メカニズムを持っています。
寄生虫の存在は、人の健康が損なわれていることを明確に示しています。
回虫の役割には、土壌内の死んだ有機物の分解があります。
体内の微生物叢に回虫が常在しているかしていないかにかかわらず、回虫が生体内で分解の行為を始めれば、それは「死体の分解」という任務を遂行しているだけです。
ハーバート・シェルトンの「腸内寄生虫」というタイトルの記事では、
外部寄生虫の存在は、最も一般的には不衛生、特に体や衣服の洗濯の頻度が低いことに関連している。シラミなどタイプの寄生虫は、定期的な入浴によって簡単に根絶できる。
と説明しています。
寄生虫対策のために行われる、蚊など媒介者を殺す有害物質の散布は、人々の健康状態を悪化させ、寄生虫に対する通常の防御機能を損なう方法であり、問題は解決しません。
トリパノソーマ症
トリパノソーマ症は、「トリパノソーマ属の寄生原虫の存在によって引き起こされるあらゆる疾患」のことを指します。
最も代表的なのが、
●シャーガス病(南アメリカのトリパノソーマ症)
●睡眠病(アフリカのトリパノソーマ症)
です。
シャーガス病は、ラテンアメリカで発生すると言われ、クルーズ・トリパノソーマと呼ばれる寄生虫によって口の周辺を刺されることで感染する疾患です。
「多数の寄生虫が血中を循環するが、ほとんどの場合症状はない、または軽度」という説明は、コッホの原則に反しています。
シャーガス病の治療薬の副作用には、多発性神経障害、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛などがあり、薬に毒性があることがわかります。
シャーガス病がクルーズ・トリパノソーマによって引き起こされていないことは明らかです。
この疾患の本当の原因は、産業によって生成されるさまざまな有毒物質への曝露です。
この地域の重要な産業には、鉱業と製錬が含まれ、どちらも環境汚染、深刻な健康被害を引き起こすことが示されています。
他には、農薬や石油化学製品の製造も含まれます。
南米の大規模農場では、殺虫剤の使用が年々増えています。
睡眠病は、アフリカ・サハラ以南の36か国で風土病であると説明されています。
全症例の98%が、ブルース・トリパノソーマと呼ばれる寄生虫に起因しているとされています。
この寄生虫の媒介動物は、感染した雌のツェツェバエです。
WHOファクトシートによると、
このツェツェバエは、人間、または人間の病原性寄生虫を宿す動物から感染した。
とあり、この主張は明らかに異常です。
感染は人間が先なのか、ハエが先なのか、説明がつきません。
他の寄生虫の問題にも共通する矛盾として、媒介動物は発症しないことに対し、人間は発症する、しかも死に至るケースもあるということです。
睡眠病の症状は2段階に分けられ、最初は発熱、頭痛、関節の痛みなど、軽度の症状が現れます。
次の段階で寄生虫は血液脳関門を通過し、中枢神経系に感染します。
この際の、混乱、感覚障害、協調不良、睡眠サイクルの障害が「睡眠病」と呼ばれる由来です。
睡眠病の治療には5種類の薬が投与されます。(ペンタミジン、スラミン、メラルソプロール、エフロルニチン、ニフルチモックス)
これらの薬の目的は寄生虫を殺すことであり、すべて本質的に毒性があります。
とりわけ胸痛、呼吸困難、嘔吐、下痢、胃腸障害、多発神経炎を含む有害な副作用に関連しています。
メラルソプロールは、ヒ素ベースの薬物です。
ヒ素には神経毒性があります。
アフリカにある産業の多くは、神経学的な健康への悪影響を生み出す可能性があります。
鉱業、金鉱業は、水銀への曝露が常に伴います。
鉱山労働者が最も影響を受けますが、周辺住民にも影響します。
毒性物質と神経毒性物質の組み合わせの曝露は、寄生虫以上に神経学的健康問題の説明を提供します。
リーシュマニア症
リーシュマニア症は、「熱帯、および亜熱帯で一般的な原生生物、リーシュマニア属の寄生虫によって引き起こされる疾患」と定義され、感染した雌のサシチョウバエに咬まれることで伝染するとされています。
WHOの主張では、リーシュマニア症には3種類に分類できるということです。
●内臓リーシュマニア症(VL)…最も深刻。カラアザールとも呼ばれる。症状は、貧血と脾臓、肝臓の肥大。
●皮膚リーシュマニア症(CL)…最も一般的な形態。症状は、潰瘍など皮膚病変。
●粘膜皮膚リーシュマニア症(ML)…鼻、口、喉の粘膜の破壊を伴う症状。
同じ種の寄生虫によって引き起こされる疾患が、なぜここまで異なる症状を表すかについての説明はありません。
リーシュマニア症の治療のために承認された薬、VLには静脈内リポソームアンホテリシンB(L-AmB)、CL、ML、VLには経口ミルテフォシンが使用されています。
これらは毒性があり、吐き気、嘔吐、下痢、肝障害といった副作用に関連しています。
リーシュマニア症は、感染していても無症状のケースがあることも主張されており、これには根拠を示す説明が存在していません。
住血吸虫症
住血吸虫症とは、住血吸虫科に属する寄生虫に感染することにより引き起こされる熱帯病の総称です。
WHOファクトシートで、感染の原因であると主張されている媒介動物は、淡水の巻貝です。
巻貝から放出される寄生虫に汚染された水と接触することで感染するとされています。
住血吸虫症の症状は、腹痛、下痢、血便など、腸に関連する症状と、肝臓の肥大の2種類があります。
WHOはこの2種類の症状を、
住血吸虫の卵に対する体の反応によって、引き起こされる症状に個人差がある。
と説明していますが、上記の症状は有毒物質への曝露に対する身体の反応に起因する可能性があることは明らかです。
さらに子どもでは、貧血、発育阻害、学習能力の低下を引き起こす可能性を指摘されており、寄生虫が成長と発達の障害を含むこのような症状を引き起こすことができるメカニズムについての説明はありません。
これらの症状は、内分泌系に関連しています。
他の寄生虫感染症同様、住血吸虫症の影響は特定の人たちにのみ及びます。
住血吸虫症は、熱帯および亜熱帯地域、特に安全な飲料水と適切な衛生設備を利用できない貧しい地域社会で蔓延している。
WHOファクトシートでは、このように説明されています。
WHOの住血吸虫症対策は、寄生虫駆除剤であるプラジカンテルの定期的な投与です。
プラジカンテルの目的は寄生虫を殺すことであり、そのためこの薬は本質的に有毒です。
腹痛、嘔吐、頭痛、めまい、倦怠感などの副作用と関連しています。
他の寄生虫感染症と同様、体の小さい媒介動物は寄生虫から悪影響を受けず、体の大きい人間は深刻な害を受ける可能性があるという、明確な説明のない理論が主張されています。
寄生虫汚染のある水を介して伝染すると言われている住血吸虫症の考えられる原因には、淡水域の中、または近くに直接散布される蚊の幼虫を防除するための殺虫剤などの農薬が含まれます。
これらの毒素に加えて、水域に排出される有毒な産業廃棄物など、他の多くの水質汚染物質があります。
非伝染性疾患(非感染症)
非感染症については、第7章「非感染症」で詳しく説明しました。
SDG 3の目標4は、「2030年までに、予防と治療を通じて非感染性疾患による早期死亡率を3分の1に減らし、メンタルヘルスと福祉を促進すること」を目指しています。
WHOのファクトシートは、非感染症も感染症と同じく、発展途上国や貧困層で蔓延しているという見解ですか、個人の健康状態は開発の段階や住んでいる国の収入とは関係がありません。
個々の個人的な状況が、健康状態を大きく左右します。
グローバルアクションプランレポートは、主要な非感染症の共通の危険因子を、
●喫煙
●不健康な食事
●運動不足
●飲酒
といった行動要因に関連付けており、非感染症の発症の原因を個人の責任であると示唆する方向に向けています。
確かに人々は自分の健康に責任がありますが、不誠実な医療機関の存在、医原病の存在は、現代医療が病気の主な原因であることを示しています。
4大非感染性疾患である、心血管疾患、がん、慢性呼吸器疾患、糖尿病は、すべて低・中所得国の人に大きな影響を与えています。
現代医療が非感染症に対して行っている対策は、例えば急性心筋梗塞の予防のためのアスピリン、肝臓がんの予防のためのB型肝炎ワクチン接種など、医薬品やワクチンに頼っています。
これはどちらにも予防効果はなく、むしろ健康に悪影響になります。
メンタルヘルス
SDG 3.4の目的は、非感染症の削減に加えて、精神的健康と幸福を促進することです。
メンタルヘルスについては、第1章「病気の処方薬」で説明しました。
WHOファクトシートは、メンタルヘルスの発生率が継続的に増加していることを指摘しています。
肉体的な病気とは異なり、精神的な病気に関連する症状はかなり曖昧です。
一般的に、異常な思考、知覚、感情、行動、他者との関係の組み合わせによって特徴付けられますが、どのような思考、知覚、感情、行動、人間関係が正常なのかについての定義はありません。
さらに、異常な精神状態の存在を判断するための科学的に確立された基準やテストもありません。
「異常」の解釈は、非常に主観的です。
しかも「異常」であった場合、一般的に「治療」が必要とされています。
そしてこの治療は、通常、医薬品が使用されます。
医薬品での治療は、症状の悪化を含む多大な害を引き起こす可能性が非常に高くなります。
医薬品に加えて、うつ病など精神障害の治療には、電気ショック治療などが含まれる場合があります。
電磁界への曝露が身体の機能に有害な影響を与えるということは、第6章「地球の汚染・科学の失敗」で説明しました。
電気的に機能する2つの主要な器官の1つ、「脳」に不自然な電流を直接流すと、深刻な害を及ぼす可能性があります。
化学的治療と電気的治療の増加は、医原性の罹患率と死亡率を明らかに上げるでしょう。
精神障害の原因になる要因は複数考えられますが、不自然な電磁放射や多種多様な神経毒性物質が含まれ、これらはすべて脳の機能に影響を与えることが知られています。
一般的な神経毒の例を挙げると、
●アルミニウム
●水銀
●鉛
●アスパルテーム
●メタノール
●フッ化物
などがあります。
これらの神経毒性物質は、農薬、医薬品、ワクチンだけでなく、さまざまな日用品に含まれています。
したがって、精神障害に関連する死亡率の増加は、事実上他のすべての病気の状態を引き起こす要因と同じであると言えます。
リプロダクティブ・ヘルス
リプロダクティブ・ヘルスとは、生殖に関する「健康」と「権利」のことです。
SDG 3の目標1では、大きく分けて、
●妊産婦死亡率を下げる
●家族計画、情報と教育
の2つに言及されています。
WHOファクトシートでは、
妊産婦死亡の半分以上がサハラ以南のアフリカで発生し、主に農村地域の貧困層に影響を及ぼしている。
と主張しています。
WHOは、発展途上国の死亡率データが適切に収集できていないことを認めているため、この主張は信憑性が疑われます。
妊産婦死亡の主な原因は、予防可能な合併症に起因していると言われており、発展途上国の女性は先進国の女性とは異なり、医療サービス、特に出産前検診などへのアクセスが不足しているために発生するとされています。
医療機関は、妊娠と出産を人間の自然なプロセスの一部ではなく、病状であると認識しているように受け取れます。
妊娠・出産のケアは重要ですが、女性は過去数万年にわたって、まわりの人の手助けを受け出産・育児をしてきました。
過去には多くの女性が出産中に亡くなりましたが、妊産婦死亡率は、栄養や生活環境などの要因に起因します。
この本全体で主張していることですが、ほとんどの医学的な介入は不必要であり、多くは明らかに有害であることを示しています。
例えば、出産直後に出血を抑える目的で、ホルモンであるオキシトシンを注射すると、副作用を引き起こすことが知られています。
オキシトシンは陣痛を誘発し、流産を誘発するためにも使用されることに注意する必要があります。
出産前に問題の存在を明らかにする血液検査には、HIV検査も含まれています。
妊娠は、HIVの偽陽性を引き起こす可能性がある状態の1つです。
万が一陽性が出た際は、有害な薬物であるARVを使用した薬物治療が開始される可能性があります。
産後ケアの一環として、新生児に対する予防接種が含まれます。
この危険性は、第2章「効果がなく、危険なワクチン」で説明しました。
家族計画、情報と教育への介入は、2018年2月のWHOファクトシート「家族計画・避妊」に示されています。
家族計画は、維持不可能な人口増加、人口増加による経済、環境、国や地域の開発努力に悪影響を与えることを抑制するための鍵となる。
人口増加が「維持不可能」であるという考えは、トーマス・マルサスに帰する理論に基づいています。
この理論は、「人口の増加率は、常に食料生産の増加率を超える」と主張しています。
「世界は人口過密になり、十分な食糧を提供できないという差し迫った危険にさらされている」という恐怖に基づく主張があります。
人口調査局(PRB)のウェブサイトによると、世界の人口は2050年までに98億人に達する、特にアフリカの人口は2050年までに2倍以上の26億人になると予測されています。
この声明の目的は、人々に恐怖を植え付けることです。
このような人口増加は、大きな問題を引き起こすという印象を伝えることを目的としていますが、この主張は、世界でも資源が豊富な地域であるアフリカが、約3千万平方キロメートルの土地面積を持つ2番目に大きな大陸であることを認識していません。
また、この通りに人口増加が起こったとしても、大陸が過密になったり、アフリカ人が自分たちを養うことができなくなったりすることはない、ということも認識していません。
”すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、全ての若者の可能性が満たされる”ために活動する国連機関である「UNFPA」は、性病、性感染症に対し、以下のような認識を持っています。
性感染症は死産、先天性感染症、敗血症、新生児死亡などの妊娠関連の合併症も引き起こす可能性がある。
病原性生物によって引き起こされる病気は存在しておらず、したがって性感染症もありません。
しかも、性感染症の治療は非常に有害であるため、注意が必要です。
これには、母親の内分泌系を破壊し発育中の赤ちゃんに悪影響を与える可能性のある化学物質や、電磁放射への曝露が含まれます。
コンドームは避妊や感染症予防に推奨されていますが、アレルギー反応に関連するラテックスが含まれます。ラテックスには刺激性があります。
さらに、コンドームは一般的に潤滑剤や殺精子剤と組み合わせて使用されます。
コンドーム潤滑剤の成分として使用される化学物質の1つは、発がん性物質であるベンゼンです。
殺精子剤の一般的な成分は、ノンオキシノール-9と呼ばれる物質であり、これも刺激性であると報告されています。精子を殺す目的の物質なので、毒性があります。
生殖器領域への有毒物質の適用は、性病と誤って解釈されるかもしれない不快な症状を引き起こす可能性が非常に高いです。
危険な化学物質
危険化学物質への曝露の有害な影響は、「2030年までに、有害化学物質と空気、水と土壌の汚染による死者と病気の数を大幅に減らす」ことを目的とするSDG 3の目標9で認識されています。
2030アジェンダの目標を達成するための措置は、一般に、国連、または関連組織によって管理されるさまざまなプログラムに組み込まれています。
健康問題の場合、これには常にWHOが関与します。
そのようなプログラムの1つがIPCS(国際化学物質安全計画)であり、これはWHOによって管理されています。
WHOが、その危険性を懸念する化学物質は、以下の通りです。
●ヒ素
●アスベスト
●ベンゼン
●カドミウム
●ダイオキシン
●ダイオキシンのような内部撹乱物質
●フッ化物
●鉛
●水銀
●農薬
WHOのウェブサイトでは、化学物質によって引き起こされる危険性についての情報が不足していることを示唆しています。
さらに、年間推定193,000人の死亡の原因である「化学物質による意図しない中毒」、そのほとんどは予防可能であると認識されています。
これは、化学物質中毒の原因が予防可能であるにもかかわらず、「偶然」起こっていると読み取れます。
家庭で小さいな子どもが誤って重金属、農薬、溶剤、塗料、洗剤、灯油、一酸化炭素、薬物などの化学物質に曝露されてしまったケースなどを指していると思われますが、このようなケースは家庭や職場で長期的な曝露によって健康被害を受けたケースの中の、ほんの一握りです。
SDG 12の目標4では、
2020年までに、合意された国際的な枠組みに従って、化学物質とすべての廃棄物の環境に配慮した管理を実現し、人間の健康と環境への悪影響を最小限に抑えるために、大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
という目標が掲げられています。
他の目標のほとんどが2030年までに達成することを目指していることに対し、この目標は2020年と、他より10年早く達成される見込みがあるようです。
これは、化学物質の問題の大きさを考えると、軽視しているようにも取れます。
有毒化学物質を単に管理することは、業界がそれらを製造し続けるということは変わらないため、適切な解決策ではありません。
UNEP(国連環境計画)では、「国際化学物質管理への戦略的アプローチ」というパンフレットの中で、化学物質を、
日用品、食品や衣類から輸送や技術、その間のプロセスすべてに至るまで、化学物質は日常生活の一部。
と主張され、化学物質はごく一般的なものであるため、合成か天然かという議論はあまり意味がない、というような印象を与えます。
健康環境レポートは、環境の状態がそこに住む人々の健康に影響を与えることを認識しており、全死亡の約23%が環境要因に起因している、そこには化学物質も含まれることを認識しています。
第6章「地球の汚染・科学の失敗」でも説明したように、化学物質の大部分は潜在的な健康への悪影響の全範囲について完全にテストされていないままです。
科学界全体で、有害化学物質の危険性についての知識が非常に限られていることを意味します。
この認識の低さは、有害化学物質の複数の組み合わせへの曝露による健康への悪影響を判断するテストが事実上行われていないことによって、さらに状況を悪化させています。
WHOは、「低中所得国が、環境疾患の最大のリスクにさらされている」と認識しています。
これは、発展途上国での化学物質の生産と使用に起因するためです。
WHOは「不適切に管理された化学物質」がリスクを高めているという認識ですが、リスクを高める要因はそれだけではなく、有毒化学物質の製造、使用、廃棄も含まれます。
化学産業企業を含む大規模な多国籍企業が、より緩い規制と労働力の削減によるコストの削減を追い求めるあまり、製造施設を発展途上国に移転することがますます一般的になっています。
先進国に比べ規制が緩いからといって、発展途上国であれば有害化学物質の適切な管理を怠ってもいいというわけではありません。
しかし、現実はその傾向にあります。
1984年、インドのボパールで発生した悲劇は、 20世紀で最悪の産業災害の1つと見なされています。
1917年に設立されたアメリカを代表する化学企業、ユニオンカーバイドコーポレーション(UCC)は、1934年、カーバメート系農薬を製造する工場をボパールに建設しました。
ところが農薬事業が不振であったため、1980年代初頭に大部分の生産を停止しました。
大量の有害化学物質が工場敷地内に残されましたが、これは公表されませんでした。
1984年12月2日の夜、漏えいが発生したとの報告があり、毒性の高いガスであるイソシアン酸メチル(MIC)が大量に大気中に放出されました。
この漏えいで、約50万人が毒ガスにさらされ、そのうち約2万5千人がこれまでに死亡しました。
この工場はその後も適切な処理が行われることはなく、ボパールの住民にとって継続的な問題となっています。
2001年にユニオンカーバイドを買収し世界最大の化学企業となったダウケミカルは、ボパールの工場の処理を断固として拒否しています。
現在市場に出回り、使用されている約10万種類の化学物質の大部分は未試験のままですが、テストされた化学物質の多くは非常に危険であることがわかっています。
これらの有害化学物質の多くはPOPs(難分解性、高蓄積性、長距離移動性、人の健康・生態系に対する有害性を持つ物質)として分類されており、その危険性はUNDP(国連開発計画)の報告書「持続可能な開発のための化学物質と廃棄物管理」で認められています。
POPsへの曝露は、特定の種類のがん、先天性欠損症、発達障害、免疫機能不全、生殖器系の機能不全など、深刻な健康への影響につながる可能性がある。
にもかかわらず、報告書は、
医薬品、殺虫剤、忌避剤などの化学製品は、毎年何百万人もの死者を防ぐのに役立つ。
と主張しています。
毒性の高い化学成分を含むこれらの化学製品は、病気と死に寄与する可能性が高いです。
すべての産業の化学物質管理に予防原則を組み込むことは、問題の一部を解決するでしょう。
残りの問題部分の解決策は、産業が無毒の成分を含む製品を作成することです。
産業と開発
工業化は開発の重要な側面であると主張されています。
国が工業化されればされるほど、発展したとみなされます。
また、産業の発展から多くの利益がもたらされるとも言われています。
先進国の人口は、発展途上国の人口よりも大きな繁栄、より良い生活水準、より良い健康を享受していると言われています。
ただし、これは誤解を招く主張です。
UNIDO(国連工業開発機関)の文書では、
工業化は過去200年間で、世界中の何億人もの人々を貧困から救うのに役立ちました。
とありますが、この主張は立証されていません。
開発の結果、一部の幸運な人々の財産は大幅に増加し、本当に助けを必要とする人々はこれまで以上に無力になりました。
「開発がより良い健康につながる」という考えも問題があります。
前述のように、WHOは、国が発展するにつれて、国民が苦しむ病気が「伝染性」から「非伝染性」に変化すると主張しています。
非伝染性疾患は致命的な疾患であることが多いため、急性から慢性の健康問題への変化は健康の改善ではないことは明らかです。
しかし、2030アジェンダは「持続可能な開発」を強調し、SDG 9では「持続可能な工業化」を促進します。
世界の国々を工業化のレベルにより、「先進国」「発展途上国」と2種類に分類する言い方は、21世紀初頭の企業運営の性質を過度に単純化しています。
過去数十年はグローバリゼーションの急速な加速があり、巨大な多国籍企業が生まれてきました。
例えば、一部の多国籍企業は、自社に有利な税制を取っている国に本拠地を構え、環境的規制が緩い国に工場を構えるという戦略で利益を上げています。
汚染に起因している工場や採掘は、地元の人たちの健康に悪影響を及ぼしますが、それは病原体が原因の伝染病であるという誤った認識がなされ、ワクチンや医薬品といった毒性物質で対処されます。
汚染に対しては、「適切に管理されれば安全」という考え方が主張されており、この考え方の下では汚染物質の継続的な生産と放出の継続が可能になっています。
環境団体ピュアアースとスイス・グリーンクロスが作成した「世界最悪の汚染問題:私たちの足元の毒物」というレポートでは、世界で最も汚染されている業界を毎年公開しています。
2016年の病気の起因度によってランク付けされた汚染産業のトップ10は、以下のとおりです。
1、ULAB(使用済み鉛蓄電池)リサイクル
2、鉱業、鉱石処理
3、鉛製錬
4、皮なめし工場
5、ASGM(職人による小規模の金採掘)
6、産業廃棄物処理場
7、工業団地
8、化学製品製造
9、製品製造
10、染料産業
これらの産業が主に汚染を排出する工場を置いている発展途上国では、巨大な多国籍企業の圧力により、規制の適用が遅れている現実があります。
ただし、規制は厳しくなっても問題が解決しない側面もあります。
これは「有毒物質への安全な曝露レベルの確立」が、問題解決へつながるという誤った主張に基づき規制が導入されるためです。
一部の発展途上国の政府は、多国籍企業を誘致することで自国に利益をもたらすと考え、それを考慮した規制、税制を取ってきましたが、そこから生み出された利益のほとんどは多国籍企業に独占され、自国民は低賃金の労働を強いられた挙句、環境汚染による健康被害に苦しむという状況が生まれています。
SDG 12の目標5は、廃棄物に起因する問題を認識し、
2030年までに、防ぐ、減らす、リサイクル、再利用を通じて、廃棄物の発生を大幅に削減することを目指す。
という目標を掲げています。
この中で、リサイクル、再利用はとても大切なことで現在取り組みが広がっていますが、それ以上に重要な「防ぐ」、つまり廃棄物になるようなものを生産しないことの重要性の認識は、まだまだ低いままです。
例えば、急速に成長している電気通信産業製品の処分は、有害物質、特に重金属や希土類を常に含むため、環境汚染の主な原因です。
危険ではありますが、これらの材料は貴重であり、e-廃棄物とも呼ばれるコンピューターやスマートフォンなどの商品廃棄物をリサイクルするための事業の確立が促進されています。
残念ながら、これらのリサイクル事業はほとんどは発展途上国に置かれます。
これはこの地域の環境と健康問題の悪化をさらに促進します。
携帯電話メーカーは、新しいバージョンのデバイスを継続的に導入し、売上と利益を大幅に増加させていますが、製造する製品の安全な廃棄について責任は負いません。
さらに、5Gテクノロジーがグローバルに実装された場合、人の健康への危険性を大幅に増加させます。
経済発展は、適切で環境に優しい生産技術に基づいていれば、環境の質を低下させることなく進めることができます。
一般の人は、購買習慣を変え、無毒な製品の需要を生み出すことで、この問題解決を促進できます。
貧困
貧困は21世紀の人類が直面する主要な問題の1つです。
SDG 1の目標1では、
2030年までに、あらゆる場所のすべての人々の極度の貧困(現在1日1.25ドル未満で生活している人々)をなくす。
と示されています。
2015年10月、世界銀行は「国際貧困ライン」を1日あたり1.90ドルに修正。
これにより極度の貧困層の数が増加しました。
極度の貧困の影響を最も受けているとされる地域は、サハラ以南のアフリカです。
しかし、ミシェル・チョスドフスキー博士は、著書「貧困のグローバル化と新世界秩序」の中で、データの不足についてを指摘しています。
さらに、特定の国に住む人々の貧しさの度合いを計る際、先進国と発展途上国という2つの分類だけでなく、一人当たりのGNI(国民総所得)を基準にする見方もあります。
しかし、GNI(国民総所得)による測定には限界があります。
例えば、億万長者の本拠地であるアメリカにも、2017年時点で、50万人以上のホームレスのアメリカ人が存在すると言われています。
低中所得国に分類され、極度の貧困状態にある人が何百万人もいるとされているインドでも、20万人以上の億万長者インド人が存在します。
これは世界中のほとんどの国に存在する貧富の差の存在を表しています。
さらに、収入を基準にする見方は、食料などの値段を考慮していないため、貧しさを計る基準にするには不十分です。
グローバリゼーションの拡大の問題は、主に食料の価格が大企業によって世界市場の水準にまで引き上げられているにもかかわらず賃金は引き上げられないという状況から、貧困化を促進しています。
WHOのウェブサイトでは、
貧困は、適切な住居、きれいな水、適切な衛生設備を持たないために人々の健康を害している。人々を病気にする環境に住まわせている。
と認識しています。
これは、不衛生な環境と病気との関連性の存在は正しく特定していますが、環境汚染物質や産業活動によって生成された汚染物質の役割について言及していないため、不十分です。
しかも、WHOは貧困と健康について次のように認識しています。
貧困は健康障害の主な原因であり、必要なときに医療にアクセスする際の障壁である。
貧しい人々は、十分な量と質の高い食品やヘルスケアなど、健康に必要なものを購入する余裕がない。
ここでいう「ヘルスケア」とは、ワクチンと医薬品を含むサービスについてを指しています。
発展途上国で感染症が蔓延していると主張するWHOは、貧困が感染症を蔓延させる原因になっていると認識しています。
この説の土台にある病原菌理論は間違っているため、WHOが病気の予防、治療の効果的な方法を提供できないことを意味します。
発展途上国で病気が蔓延する理由の一つとして、先進国の搾取の問題が挙げられます。
先進国は、発展途上国に製造施設を置いたり、資源を採掘しており、汚染の問題が深刻化しています。
IMF(国際通貨基金)が設立されて以来、深刻化する経済・金融危機が数多く発生しており、IMFが「経済の安定」を達成し、危機を回避するための適切な措置を講じていないことを示しています。
IMFは、「国際貿易の促進が雇用を生み出しと持続可能な成長を促進するため、世界中の貧困を削減する。」と主張しています。
国際貿易の促進は多国籍大企業のさらなる躍進につながり、雇用の生み出しはさらなる低賃金労働者を増やすだけとなる懸念があります。
したがって、IMFの現行の政策では貧困は解決できません。
それどころか、発展途上国の国内向けの産業が国際貿易により打撃を受け、多国籍大企業による加工食品、ファーストフードなどの進出が増えている現状があるため、食の面からも人々の健康に影響を及ぼします。
飢餓と栄養失調
SDG 2では、
飢餓を終わらせ、食料安全保障と栄養改善を達成し、持続可能な農業を促進する。
という目標が掲げられています。
飢餓はほぼ常に貧困と共存しており、特に食料価格の上昇が所得の増加と比例しない場合に顕著です。
21世紀初頭から世界経済の状況が悪化し続けているため、先進国、発展途上国の両方でますます問題化しています。
飢餓と栄養失調の問題は、貧困など他の問題と同様に、根本的な原因が正しく特定されていない限り解決できません。
しかし残念ながら、国連もWHOも飢餓と栄養失調の問題の根本的な性質を理解し、その原因を正しく特定することはできていません。
栄養失調は、空腹を満たせる十分な食べ物を摂取していても、その食べ物に含まれる栄養素が乏しいことでも起こります。
そのため、栄養失調は発展途上国の人々のみの問題ではありません。
食品のエネルギー値、つまりカロリーは、その栄養価とは関係ありません。
大企業がどんどん市場を支配するようになるにつれて、高度に加工された食品がより容易に入手できるようになり、伝統的な食品や食生活を摂取する習慣が減ってきています。
WHOのウェブサイトは、ビタミン、ミネラル、微量栄養素の重要性を指摘しています。
特に、
●ヨウ素
●ビタミンA
●鉄
の重要性を強調していますが、これらは唯一重要な栄養素でも最も重要な栄養素でもありません。
栄養素は単独で考慮されるべきではなく、すべての栄養素が重要です。
栄養失調は、低体重や過体重の原因になります。
カロリーや一部の栄養素のみを重視する考え方は、問題を解決しません。
世界食糧計画(WFP)は、世界中で支援する人々の栄養摂取を改善するために、幅広い専門食品を用意していますが、その内容は、
●強化ブレンド食品(FBF)
●調理不要食品(RUF)
●高エネルギービスケット(HEB)
●微量栄養素粉末
●圧縮フードバー
などです。
この中の強化ブレンド食品(FBF)の原材料には、
微量栄養素(ビタミンとミネラル)で強化された、部分的に調理済みおよび粉砕されたシリアル、大豆、豆類、豆類のブレンド
と記載されています。
調理不要食品(RUF)の原材料には、
植物性脂肪、乾燥脱脂乳、麦芽デキストリン、砂糖、ホエイ
と記載されています。
高エネルギービスケットの原材料には、
小麦粉、水素化野菜ショートニング、砂糖、大豆粉、転化糖、高果糖コーンシロップ、スキムミルクパウダー、ナトリウムとアンモニウム、重炭酸塩、塩
と記載されています。
これらはすべて、砂糖や塩などの不健康な成分を含む高度に加工された食品であることが明らかです。
ビタミンとミネラルで「強化」されていると主張されていますが、これらの製品には、体が適切に機能するために必要なすべての栄養素は含まれていません。
したがって、これらの製品を「栄養価の高い食品」と表現することは不適切です。
発展途上国で飢餓が続くと言われている理由の1つは、世界人口の増加に対応できない食糧生産によって引き起こされる食糧不足が原因であると言われています。
しかし、これは誤った主張です。
世界は食糧不足に悩まされていません。
世界には十分な食料があります。
十分な食料があるにもかかわらず飢餓が続く理由については、この後に説明します。
農業と食料不足
世界人口は2050年に98億人、2100年に112億人に達すると国連により予測されています。
この予測から生じる懸念の1つは、食料不足に関連しています。
アジェンダ21では、食料不足の懸念について触れられており「食料生産を増加させるための努力が必要である」と主張しています。
SDG 2の目標4では、
2030年までに、持続可能な食料生産システムを確保し、生産性を向上させる回復力のある農業慣行を実施する。
という目標があります。
「飢餓と栄養失調」の項で説明したように、食糧が十分に供給されているにもかかわらず、世界で飢餓が続いています。
その理由はいくつかあります。
1、飢えた人々はほぼ常に「極度の貧困」の状態に陥っている人々だから
これは発展途上国だけでなく、先進国でも見られる状態です。
食料価格の上昇についていけない所得世帯が存在します。
2、発展途上国の農業に多国籍大企業が介入し、利益優先の輸出作物の栽培に専念し始めたため
昔から存在していた農家は、輪作、二毛作などの手法で、その土地の気象条件に順応し、害虫の問題や土壌肥沃度の維持に対応していました。
ほとんどの農家が小さな区画で構成され、自給自足の側面がまだまだ残っていた時代です。
外国からやってきた植民者は、このような農地を大規模農場に変え、単一作物の栽培、輸入目的の作物の栽培を始めます。
地元の農家は、痩せた土地への移動を強いられたため、貧困と飢餓に陥っていきます。
3、緑の革命の弊害
1940年代〜1960年代に起きた「緑の革命」は、作物の収穫量を増やすために化学肥料や遺伝子組み換え種子を導入した農業革命です。
小規模農家が輪作や二毛作などの手法で回避していた土壌肥沃度の低下という問題に、戦争産業によって生産された硝酸化合物から開発された、NPK肥料と呼ばれる化学肥料が使用されるようになりました。
N(窒素)、P(リン)、K(カリウム)をメインに土壌に適用するこの方法から、土壌の自然な化学組成に不均衡が生じ、結果として作物の栄養価に影響を及ぼしました。
インドでは、農民は緑の革命により、「少ない肥料で収穫量を上げるため、収入が増加する」と信じ込まされましたが、正反対の結果がもたらされました。
収穫量は上がらないまま、肥料の使用量だけが増えていきます。
以前は自分の種子を収集していましたが、緑の革命下では、大企業が特許を持つ種子を購入しなくてはいけません。
自殺したインドの農民の数は30万人を超え、緑の革命が農業に進出した地域に自殺が集中している事実は、インド農民の意思を表しています。
4、IMFと世界銀行が提供する財政援助のため
発展途上国の財政支援のためのIMFと世界銀行の援助は、受領国が実施しなければならない政策を含む条件に合意することが必須です。
この条件は、アグリビジネス企業の開発した種子の購入、輸出作物の栽培などが含まれます。
農民はこの方式の農業を始める資金を得るためにローンを組みますが、高価な再生不可能種子の購入と不必要な有毒物質の投入に対する債務で借金漬けにされます。
5、グローバリゼーション政策が作物の多様性と市場の多様性を破壊したため
グローバリゼーションは、食料価格を世界市場レベルに引き上げることを奨励しました。
これはもともと物価が安かった地域の住人にとって、食料価格が上昇したため、貧困と飢餓を引き起こしました。
さらに、農家は食料価格の上昇ととも収入が増えたというわけではなく、その利益は大企業や投資家に入りました。
財政援助を受けるための条件を受け入れているため、農家は気候や状況に応じて作物を栽培していた頃の方式に戻ることはできず、大企業が望む輸入作物の単一栽培で株式市場が決定する価格に左右され、どんどん貧困に陥っていきます。
2011年の世界の推定食品廃棄量は10億トンを超えており、これは世界で生産される食品の総量の4分の1以上に相当すると言われています。
何百万人もの人々が飢餓に苦しんでいる世界でこのような膨大な量の食品ロスが発生しているという事実は、食糧の流通に関する深刻な不平等の存在を浮き彫りにしています。
また、国内消費用に栽培された食用作物よりも、輸出用の「換金作物」を栽培することを要求する政策の恐ろしい性質を示しています。
しかしこれらの政策は、「食料生産レベルを高めることができる持続可能な農業手法を実施することによって、食料安全保障を提供する」と主張する同じ組織によって作成されています。
●有毒化学物質
●巨大な単一栽培農場
●遺伝子工学
●特許
●農業資源の企業所有権
これらをシステムに組み込んだ工業型農業に、多くの問題があることは明らかです。
「オーガニックムーブメント」というタイトルのウェブペジでは、
●有機農業
●生態学的農業
●中小規模の土地所有
が、飢餓と貧困に対する唯一の永続的な解決策であると主張されています。
きれいな水と公衆衛生
水はすべての基本的な人間のニーズの中で、最も重要なものの1つです。
水がなければ、人間は数日以上生き残ることができません。
人体のすべての機能をサポートする細胞プロセスは、水の存在を必要とします。
つまり、人間が消費することを目的とした水は「きれい」でなければなりません。
しかし、これは国連やWHOは、「きれいな水」という用語を使用しません。
代わりに、水質を指すときに「安全」という用語を使用します。
「安全」という言葉が水と食料に対して使用される場合、完全に無害というわけではなく「可能な限り安全」を意味する相対的な用語になっていることに注意が必要です。
「可能な限り安全」という基準は、人間の健康にリスクをもたらすと考えられるレベルを下回っていれば、人間が消費することを目的とした水に汚染物質を含めることを許容します。
病原菌理論の厳格な順守は、非衛生的な条件で繁殖すると主張されている特定の病原菌が水の最大の汚染物質であり、「水媒介」感染病の主な原因であるという考えに基づいています。
WHOファクトシートでは、衛生状態の悪さに関連する同様の病気のグループに言及しており、
衛生状態の悪さは、コレラ、下痢、赤痢、A型肝炎、ポリオなどの病気の伝染に関連している。
と述べています。
下痢と嘔吐は感染症に起因する症状ではなく、体が有毒であると認識する物質を排出する自然なメカニズムです。
WHOファクトシートでは、「コレラ感染は治療しないと致命的な場合がある」とする一方、「ほとんどの人はコレラ菌に感染しているが、無症状。」という矛盾した主張があります。
しかもコレラは細菌性感染症でありながら、抗生物質では治療されません。
コレラの主な治療には、水分補給が含まれます。
さらに「コレラは簡単に治療できる」とされているにもかかわらず、製薬業界は、WHOがコレラ流行地域での使用を推奨する経口コレラワクチンを開発しました。
コレラが頻繁に発生する不健康な生活条件は、さまざまな要因の結果です。
この要因には、基本的なインフラの欠如、戦争や紛争が含まれます。
難民キャンプではコレラ感染のリスクを高める可能性が指摘されていますが、これは病原菌が原因ではなく、排泄物、腐敗した食品、ゴミで汚染された水の摂取などが、嘔吐や下痢を引き起こしていると考えられます。
2016年の国連の「目標6の進捗状況」という報告では、
約10億人が野外排便を行っており、約20億人が糞便で汚染された水源にさらされている。
と述べています。
糞便は人体によって生成される廃棄物です。
摂取した場合、これは常に嘔吐という即時反応を引き起こします。
したがって、人間の糞便排泄物で汚染された水が嘔吐、下痢を引き起こすのは、細菌の存在によるものではないことは明らかです。
第6章「地球の汚染・科学の失敗」で説明したように、細菌を殺すという目的のために消毒剤を利用する処理では、糞便が水から除去されることはありません。
消毒剤として使用される化学物質は、主に塩素ベースの化合物であり、水を浄化しません。
それどころか、この化学物質は人間の健康だけでなく環境にも重大な危険性をもたらします。
水の汚染の大部分は、鉱業、石油およびガスの抽出、化学製造、繊維製造、農業などの産業活動にも起因しています。
水を汚染する産業は、製造施設を発展途上国に移転させ、産業廃棄物に対する緩い規制、または存在すらしない規制の恩恵を受け、発展途上国の水域を汚染し続けています。
言及されている主要な懸念化学物質の1つはヒ素です。
ヒ素は、
●アルゼンチン
●チリ
●中国
●インド(西ベンガル)
●メキシコ
●アメリカ合衆国
●バングラデシュ
などの国の地下水に、高レベルで存在しています。
急性ヒ素中毒の症状には、嘔吐、腹痛、下痢などがあります。
ヒ素の他にも、ダイオキシン、殺虫剤から、塩化メチレン、トルエン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、フェノールなどの医薬品廃棄物などの汚染が懸念されています。
水質汚染を最小限に抑えるだけの対策はもはや適切ではありません。
産業活動、およびその他すべての水質汚染源は、有毒廃棄物を水に排出することを完全に禁止する必要があります。
まとめ
一部の先進国の支配層によって拡大されてきた「グローバリゼーション」。
多国籍企業が主に発展途上国から搾取するという状況が悪化し、世界で貧富の差がどんどん広がっています。
その結果、貧困や汚染などの影響から健康被害を受けている人々に対し、表向きは助けの手を述べるような目標や計画が並べられる国連の持続可能な開発目標(SDGs)。
支配層が作り出した問題を認識しようとせず、貧困の対策には開発、健康問題の対策には医薬品やワクチン、殺虫剤など有毒な化学物質で対応しようとしているため、問題が解決されるどころか悪化することが予想できます。
●石油産業を牛耳っている一族
●その石油産業から派生した製薬を牛耳る一族
●国連を作った一族
は共通しており、国家の単一世界政府への統合を支援する新世界政府(NWO)を推進しています。
そのため、国連やその関連組織であるWHOは、その一族の利益のために行動していると考えられ、世界中の人々のためではないということがわかります。
この一族の作り出す流れに乗らないために私たちができることは、医薬品、ワクチン、有毒化学物質などを避けることから始められると思います。
支配層の数よりも一般大衆の数の方が圧倒的に多いので、支配層の作り出そうとする流れに乗らない人が増えれば増えるほど、流れは変わっていくと思います。
次回、第9章「「既得権益と統制のアジェンダ」では、既得権益・利権を握る勢力が、世界でグローバル社会と呼ばれる管理社会を作り、自分たちの都合のいい政策を推し進めているということについて説明しています。
上記の一族にも言及しています。