健康志向の高まりから、豆乳、アーモンドミルクなどのプラントベースミルク(植物性ミルク)を選ぶ人が増えています。
でもプラントベースミルクは本当に健康にいいのでしょうか?
実はプラントベースミルクには、知られざる問題点がたくさんあります。
この記事では、プラントベースミルクの危険性について説明しています。
結論から言うと、手作りオーガニック無調整プラントベースミルクであっても、常飲することで健康を害する恐れがあります。
プラントベースミルクとは?健康への隠れたリスク
プラントベースミルクは、牛乳の代わりとして出回っている植物由来のミルクです。
プラントベースミルクの種類はいろいろあります。
- 豆乳(ソイミルク)
- アーモンドミルク
- オーツミルク
- ココナッツミルク
- カシューミルク
- ヘンプミルク
- ライスミルク
- フラックスミルク
- ピスタチオミルク
- えんどう豆ミルク
など、他にもいろいろ出回っています。
牛乳と比べ低カロリーで、栄養価が高く、牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人でも飲めると言われているプラントベースミルクですが、健康へのリスクはあまり語られません。
実際、無調整ではないプラントベースミルクは、高度に加工された加工食品であり、常飲することで健康へのリスクが懸念されます。
具体的に説明していきます。
添加物の落とし穴
無調整のプラントベースミルクの作り方はシンプルで、豆やナッツ、種を細かく砕いて、成分を水で抽出します。
ただこれだけでは味や口当たりが牛乳とは程遠いミルクができるため、乳化剤、香料、着色料、pH調整剤、増粘剤、植物油などの添加物が使用される製品がほとんどです。
カラギーナン
プラントベースミルクに使用される添加物で、特に気をつけておきたいものが「カラギーナン」です。
カラギーナンは海藻から作られる添加物で、増粘剤や安定剤として使用されます。
FDA(米国食品医薬品局)やEFSA(欧州食品安全機関)などから、「GRAS(一般的に安全と認識されている)」とみなされていますが、ここ数年はリーキーガットや大腸ガンとの関連が指摘されています。
海藻自体は健康的な食品ですが、それを高度に加工することで腸内環境に有害な添加物になります。
日本国内で販売されているプラントベースミルクは、その健康懸念からカラギーナンフリーを謳う製品も増えています。
輸入プラントベースミルクや、特定のフレーバーでは含まれている場合があるため、注意が必要です。

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カラギーナンフリーであっても、ジェランガム(ゲランガム)やグアーガムという増粘安定剤として使用される添加物が使われていることが多いので、安心はできません。

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植物油
プラントベースミルクには、牛乳のようなクリーミーな質感や滑らかな口当たりを再現するために植物油が添加されます。
植物油は乳化剤との組み合わせで分離が防がれ、水っぽさを軽減します。
また、植物油を添加することで、脂肪含量を調整しています。
使用される植物油の例
- キャノーラ油
- ひまわり油
- 大豆油
など。
これらの植物油は「PUFA(多価不飽和脂肪酸)」に分類される油であり、高度に精製される製造過程で酸化し、体内の炎症の原因になります。
少量であってもぜひ避けたい油です。

栄養不足の危険
プラントベースミルクは栄養価が高いと思っている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。
本研究では、アーモンド・オート麦・米・ココナッツ・大豆を原料とする飲料について、複数のブランドを取り上げて比較分析した。その結果、これらの飲料では牛乳やヤギ乳に比べて総タンパク質・脂質・アミノ酸・ミネラルの含有量が低いことが明らかになった。
出典:動物由来のミルクとプラントベース代替飲料 脂肪酸・アミノ酸・ミネラル組成はどう異なるのか Animal Rights Centre
たんぱく質の問題
例えばアーモンドミルクは、アーモンドが2〜10%しか含まれておらず、残りは水と添加物という組成です。
多くのプラントベースミルクは、牛乳に比べてたんぱく質含有量が大幅に少ないかほぼゼロの場合があります。(例外:豆乳)
以下は、各ミルクのたんぱく質含有量です。
- 牛乳:3.4g/100ml
- アーモンドミルク:0.4~1g/100ml
- オーツミルク:0.3~1g/100ml
- ライスミルク:ほぼ 0g/100ml
- 豆乳:3.6g/100ml
たんぱく質は筋肉の維持、ホルモンの合成に必須なため、ビーガンや高齢者、成長期の子どもでは注意が必要です。
また、たんぱく質の質は、必須アミノ酸(EAA)のバランスで決まります。
牛乳はすべてのアミノ酸を適切な割合で含む完全たんぱく質ですが、プラントベースミルクの多くは不完全たんぱく質です。
不完全たんぱく質は、単独では筋肉合成や組織修復に十分な効果を発揮しません。
さらに、植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質(牛乳のカゼインやホエイ)に比べ、消化吸収率が低くなります。
これは、フィチン酸という消化を妨げる抗栄養素が植物に含まれる場合があるからです。
高度に加工されているプラントベースミルクは、加工段階でもたんぱく質が変性し、吸収効率が低下します。
シュウ酸の問題
シュウ酸は植物に自然に存在する化合物で、ミネラル吸収の阻害や腎臓結石、消化器系問題のリスクと関連しています。
アーモンド、大豆、カシューナッツ、ヘーゼルナッツなどは、シュウ酸含有量が高くなっています。
オーツ、ココナッツ、ライスなどは、シュウ酸含有量が低いです。

脂質の問題
多くのプラントベースミルクは、牛乳(全脂肪:3.5g/100ml、低脂肪:1g/100ml)に比べ脂質が少なく、エネルギー源や脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収が不足する可能性があります。
- アーモンドミルク:脂質0.5〜1.5g/100ml
- オーツミルク:脂質0.5〜1g/100ml
- ライスミルク:脂質ほぼゼロ
- 豆乳:脂質2〜4g/100ml
牛乳に近づけるためにプラントベースに添加される油は、ひまわり油、大豆油、キャノーラ油などのオメガ6脂肪酸が多く、加工のプロセスで酸化しているため、体内の炎症の原因になります。
牛乳に含まれる乳脂肪は、トランス脂肪酸(工業的につくられる有害なトランス脂肪酸とは別物)、共役リノール酸(CLA)など、体に有益な脂質となっています。
栄養強化プラントベースミルクの罠
プラントベースミルクは栄養価が低い傾向があるということがわかりました。
このため、多くのプラントベースミルクには合成栄養素が添加(栄養強化)されています。
主に添加される栄養素は、以下の通りです。
- ビタミンD…D2またはD3
- ビタミンB12…合成シアノコバラミン(微生物発酵で生成)
- ビタミンB2…合成リボフラビン(化学合成または発酵由来)
- ビタミンA…合成レチニルパルミテートまたは酢酸レチニル(化学合成)
- カルシウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- 鉄
- オメガ3脂肪酸…合成DHA
合成栄養素での強化の大きな問題は、栄養バランスを崩しやすいことです。
天然の栄養素と同じようには働かないということに注意が必要です。
天然栄養素は通常化合物の形態で存在することに対し、合成栄養素は単独の形態で製造されます。
ビタミンなどは実際無限に存在し、発見されていないものの方が多いと言われています。
発見されていない栄養素や微量栄養素、酵素などを欠く合成栄養素は、特定の栄養素を枯渇させる原因になります。
さらに合成栄養素は、質が悪く、汚染物質を含む可能性が高い傾向にあります。
例えばビタミンB12製造に使用する微生物は、下水の汚泥から採取されるそうです。
ビタミンB群製造にはコールタールが使われるため、石油由来の合成栄養素になります。
羊毛から採取するラノリン由来のビタミンD3も、羊の害虫駆除のために散布する殺虫剤が混入している可能性があります。
アレルギーと過敏症
乳製品アレルギーや乳糖不耐症の人にとって、プラントベースミルクは代替品として人気です。
しかし、プラントベースミルクがアレルギーを引き起こす可能性もあります。
私はアレルギーはアレルゲンではなく、汚染物質や変性した物質により引き起こされると考えています。
乳糖不耐症は、牛乳を加熱殺菌し、ホモジナイズド(均一化)した結果、牛乳が劣化し、それを飲んだことによって起こると思います。
誰もが加熱殺菌ホモ牛乳に対し乳糖不耐症の状態ですが、それに気づく程度の不調が出るか出ないかは個人差があります。


プラントベースミルクも高度に加工され、有害な添加物、低品質な合成栄養素が添加され、さらに大豆やアーモンドなど残留農薬の問題がある作物から作られている傾向があります。
このようなミルクを飲めば、不調やアレルギー反応の症状が出る人は当然出てくるでしょう。
ホルモンへの影響
プラントベースミルクに関連するホルモンの問題は、主に大豆ベースミルクに含まれるフィトエストロゲン(植物性エストロゲン)やその他の原材料・添加物がホルモン系に与える潜在的な影響が懸念されます。
具体的な影響は以下の通りです。
1、フィトエストロゲン(イソフラボン)によるホルモン影響
豆乳には大豆イソフラボンが含まれ、構造がエストロゲン(女性ホルモン)に似ているため、体内でエストロゲン受容体に結合し、ホルモン様作用を示す可能性があります。
イソフラボン過剰摂取で、ホルモンバランスの乱れ、月経周期の変化、甲状腺ホルモン合成の阻害、精子数の減少、子宮内膜の変化、乳がんリスクを上げるなどの影響が出る可能性があります。
大豆製品はイソフラボンを含みますが、大豆を発酵させるとホルモンへの悪影響を軽減させることができます。
また、豆腐などは未発酵の大豆製品ですが、水に浸かっている分イソフラボンが水に溶け出しています。
食べる際は浸かっている水までは摂取しないため多少影響が軽減されますが、豆乳はイソフラボンが溶け出ている水までも飲む形になっています。
大豆製品の中でも特に悪影響が出やすいものが豆乳です。
2、添加物が間接的に与えるホルモン影響
その他のプラントベースミルクでは、豆乳ほどフィトエストロゲンを含むものはありません。
アーモンドミルクとフラックスミルクに少量のフィトエストロゲン「リグナン」が含まれるくらいで、オーツミルクやライスミルクはほぼフィトエストロゲンを含みません。
ただし、加工過程での添加物が腸内細菌叢を乱し、ホルモンに影響する可能性はあります。
具体的には、カラギーナン、植物油などが腸の炎症を引き起こし、ホルモンに間接的に影響する懸念があります。
3、栄養強化によるホルモン影響
栄養強化プラントベースミルクに添加される合成栄養素、ビタミンDやカルシウムがホルモン系に影響する場合があります。
ビタミンDは、過剰摂取でカルシウム過多になり、甲状腺や副甲状腺ホルモンに影響します。
ビタミンDは「ビタミン」ではなく、「ホルモン」であることに注意が必要です。
カルシウムは、炭酸カルシウム過多で腎結石リスクが上昇し、間接的にホルモンに影響します。
どのミルクを選ぶべきか?
「プラントベースミルクは健康リスクがいっぱい」ということがわかりました。
ではどのミルクを選べばいいのでしょうか?
結論から言うと、非加熱ノンホモ牛乳が一番いいです。
ただ問題は、非加熱ノンホモ牛乳の入手が非常に困難という点です。
なので、低温殺菌ノンホモ牛乳を探してください。
プラントベースミルクはオススメできませんが、無調整でオーガニックのものはまだマシです。
常飲しなければ、健康リスクも低く抑えられます。
無調整でオーガニックであっても、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、カシューミルクなどは避けた方がいいと思います。
ココナッツミルクはまだマシかな?というレベルですが、無調整だと牛乳感覚で使用するのは難しくなると思います。
まとめ
プラントベースミルクの危険性を挙げました。
これだけ健康リスクがあると、常飲は避けるべきということがよく分かります。
特に成長期のお子さん、甲状腺やホルモンに問題のある方は、避けるべきミルクになります。
「プラントベースミルクは健康的」というイメージは、メディアにより作られたものかと思います。
さらにプラントベースミルクは、牛乳に比べ環境にも優しいと言われますが、これも疑問です。
現代の大規模酪農のやり方は確かに環境に悪い点が多くありますが、酪農自体はサステイナブルです。
むしろ多国籍大企業による遺伝子組み換え大豆の大規模栽培などは、かなり環境汚染になっていますが、それはあまり指摘されません。
プラントベースミルクを推す大きな勢力により様々な刷り込みを行われていますが、それには惑わされず、ご自分の体に無害なミルクを選ぶ参考になれば幸いです。

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