健康な人の腸内にもいるカンジダ菌。
普段は丸い酵母の形態でをしていて、悪さはせずに大人しく暮らしています。
ところが、糖分の過剰摂取、免疫の低下、抗生物質の服用など様々な理由で腸内環境のバランスが崩れた時に、真菌の形態に変わり増殖します。
カンジダ症はこの状態の時に出る、様々な困った症状です。
真菌になったカンジダ菌は、腸内で菌糸を伸ばし腸壁にしっかりとくっつき、バイオフィルムという膜を形成します。
この記事では、バイオフィルムとは何か?カンジダ菌のバイオフィルムに効く天然の抗菌剤の種類を説明しています。
バイオフィルムとは?
バイオフィルムとは、細菌などの微生物が作りだす防御膜のことです。
キッチンやお風呂場の排水溝。
掃除をしないとヌルヌルした汚れがたまっていきますが、あれもバイオフィルムです。
人間の体内・体外でも、腸内、口腔内、粘膜、皮膚など、菌などの微生物は様々な住みやすい場所にバイオフィルムを形成します。
人間や動物が群れで行動したり、生活を共にするように、微生物も群れて助け合いながら生きています。
バイオフィルムは微生物の家のようなもので、人体の免疫からの攻撃や、抗生物質など薬からの攻撃から微生物を守る役割をします。
そのため、腸内にバイオフィルムが作られてしまうと、除去することが困難になります。
家庭内でバイオフィルムが形成されやすい場所
キッチンカウンター
シンク
排水菅
蛇口
スポンジ
まな板
フードプロセッサー
コーヒーメーカー
水筒
トイレ
浴槽
シャワーヘッド
洗濯機
換気扇
床
歯ブラシ
ペットの水用の容器
おしゃぶり
リモコン
ドアノブ
メガネ
携帯https://t.co/V7BklidITR— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 11, 2020
カンジダ菌バイオフィルムの耐性
医療機関や薬局で処方される抗真菌薬(ナイスタチンやジフルカンなど)は、以前はバイオフィルムに効果があったそうなのですが、カンジダ菌がこれらの抗真菌薬に耐性を持ち始め、ここ数年、効果が低下していることが報告されています。
細菌は鉄化合物、硫酸塩、皮膚や死んだ微生物などの有機物、その他の様々な物質を消費できます。
そして細胞外高分子物質(EPS)という非常に粘着性のある物質を生成し、バイオフィルムを構成。
菌はバイオフィルムに所属することで、抗菌剤に対し単体でいるよりも最大1000倍の耐性を持ちます。
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 11, 2020
カンジダ菌は砂糖を餌にしてバイオフィルムを作る
カンジダのバイオフィルムが32%のグルコースで構成されているそうです。
糖分を摂ることは、カンジダ菌がバイオフィルムを作ることを手助けしていることになります。
また、バイオフィルムは、外部からの攻撃からカンジダ菌を守るため、金属イオンを吸収する作用を持ちます。
そのため、歯科の詰め物に使うアマルガムや、予防接種の添加物に含まれる水銀などもバイオフィルムを形成する材料になります。
カンジダ菌バイオフィルムに効く天然の抗真菌剤
オレガノオイル

オレガノは自然界で最も強力な抗真菌薬の一つです。
そしてその有効成分・カルバクロールが凝縮されたオレガノオイルは、更に強力で、バイオフィルムにも有効です。
カプリル酸

カプリル酸はココナッツオイルに含まれる、バイオフィルムに有効な成分です。
特にカプリル酸とペクチン(特定の果物の可溶性繊維)の組み合わせがバイオフィルムを除去する効果があるそうです。
オレガノオイルの場合、その強力な作用から、過剰摂取で腸内の有用な菌まで殺してしまう可能性がありますが、カプリル酸摂取ではその心配はないそうです。
ニンニク

ニンニクに含まれるアリシンという成分がバイオフィルムに効果を示します。
カンジダ症の治療でニンニクを摂取する場合、ガーリックパウダーなど粉末のものよりも、生のニンニクが特に効果を示すそうです。
N-アセチルシステイン(NAC)
N-アセチルシステイン(NAC)は、アミノ酸がつながってできたグルタチオンの構成要素であり、肝臓で合成される抗酸化物質です。
食品からは摂取できません。
N-アセチルシステイン(NAC)は、バイオフィルム形成を阻害すると同時に、バイオフィルムを破壊、さらにバイオフィルム中の細菌を殺すこともできます。
N-アセチルシステイン(NAC)と処方薬の抗真菌薬(ケトコナゾールなど)を併用する場合は、医師に相談してください。
ルンブロキナーゼ
ルンブロキナーゼは、食用ミミズから抽出される、たんぱく質分解酵素です。
粘液性のある血液をサラサラにし、血管壁に形成される血栓沈着物中のフィブリンタンパク質を分解することができます。
バイオフィルムを破壊する作用もあるため、小さな子供の慢性連鎖球菌性咽頭炎と自閉症の治療に使われています。
最近ではライム病に対する効果も期待されていますが、まだ研究途中ということです。
細菌がバイオフィルムを形成するとき、
適当にその辺にいた細菌とバイオフィルムを形成するというわけではありません。細菌は他の細菌と通信を取り合ってバイオフィルムを形成します。
クォーラムセンシング(QS)という細菌通信妨害は、バイオフィルム形成を阻害します。https://t.co/4F8M1UsJ9m
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
クォーラムセンシング(QS)作用がある食品
リノール酸
オレイン酸
蜂蜜
プロポリス
アップルサイダービネガー
カプリル酸
ステビア
キシリトール
ニンニク
マヌカハニー
生姜
クランベリー#バイオフィルム #バイオフィルム除去— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
ハーブ以外のバイオフィルム阻害剤
オゾン
キトサン
NAC
ラクトフェリン
EDTA
亜鉛
アイアン
マンガン
マグネシウム
モノラウリン
コロイダルシルバー
ゼオライト(Acidithiobacillus thiooxidans)
L. ロイテリ
クエン酸塩(クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム)
ノルスペルミジン— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
バイオフィルム阻害ハーブ
アンドログラフィス
クルクミン
ベルベリン
シナモン
黒クミン油
ボスウェリア
バニラ
銀杏
オレガノオイル(カルバクロール+チモール)
ケルセチン
アピゲニン
ナリンゲニン
セントジョンズワート
ケンフェロール
ロスマリン酸(高濃度)
バイカレイン
続く— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
ニーム
ゲンチアナバイオレット
マンゴスチン(連鎖球菌)
アルファルファ
オイゲノール— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
バイオフィルム阻害酵素
トリプシン
セラチオペプチダーゼ
ナットウキナーゼhttps://t.co/4F8M1UsJ9m— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) May 12, 2020
まとめ
バイオフィルムとは何か?カンジダ菌のバイオフィルムに効く天然の抗菌剤の種類を説明しました。
カンジダ菌はバイオフィルムを作るために長期間に渡って糖分を食べ、構築しています。
このバイオフィルムを除去することも1日〜2日でできることではありません。
バイオフィルムを放置していた期間が長ければ、その分除去することも時間がかかります。
この記事に書いた天然の抗菌剤は、複数種類を同時に併用することによって、より効果を示します。
また、同じ種類の抗菌剤を長期間使用するよりも、違う種類のものをローテーションで使用することが推奨されています。
そして、バイオフィルムを破壊したら、次は中に住んでた菌を除菌する必要もあります。
除菌のプロセス中は、バイオフィルム内の菌が溜め込んでいた重金属などの毒素も出てくるので、この毒素も体外に排出する必要があります。
活性炭(アクティベートチャコール)やベントナイトクレイ(食用粘土)がオススメです。
バイオフィルムの除去、中にいたカンジダ菌の除去、死んでいくカンジダ菌が放出する毒素の排出と共に、損傷を受けた腸内の修復も必要になります。
このようにバイオフィルムの対処には、しっかりとした治療プランが必要になります。
一般の病院に受診した場合は、耐性の問題がある薬が処方されるケースが多いため、カンジダ症など腸内の問題に詳しい自然療法医などの専門家に相談することをオススメします。
・カンジダ症の人
・慢性疲労症候群の人
・潰瘍性大腸炎、クローン病の人
・慢性副鼻腔炎の人
・気管支炎の人
・逆流性食道炎の人
・全身性エリテマトーデスの人
・多発性硬化症の人
・ライム病の人