ビタミンB群のうちの一つ、ビタミンB6。ピリドキシンとも呼ばれます。
1932年に発見されたにもかかわらず、現在もビタミンB6についての研究で新しいことが発見されています。
ほとんどの人は、食事から十分なビタミンB6を摂取できますが、葉酸やビタミンB12など、他のビタミンB群が不足することによって、ビタミンB6欠乏になりやすくなります。
この記事では、【ビタミンB6欠乏】9つのサインと症状、ビタミンB6を豊富に含む食品、ビタミンB6の副作用、ビタミンB6の推奨摂取量について説明しています。
ビタミンB6の効能
体内では、ビタミンB6は150以上の酵素反応に関与しています。
これらは、タンパク質、炭水化物、脂肪を処理することを助けます。
ビタミンB6は、神経系および免疫系の機能とも密接に関連しています。
最近では、ビタミンB6に、抗酸化作用と抗炎症作用があることがわかっています。
これは、心臓病やがんなどの予防に役立つ可能性があることを意味します。
【ビタミンB6欠乏】9つのサインと症状
1、湿疹
ビタミンB6欠乏症は、脂漏性皮膚炎と呼ばれる赤いかゆみを伴う発疹の原因の1つです。
頭皮、顔、首、胸上部に現れるこの湿疹は、オイリーでかゆみがありフレーク状なことが特徴です。
ビタミンB6は健康な肌に必要なコラーゲンを合成するため、ビタミンB6欠乏の状態を改善することで、脂漏性皮膚炎がすぐに治った例が多いです。
2、唇の乾燥・ひび割れ
唇、口角のひび割れ、出血は、ビタミンB6欠乏が原因の可能性が高いです。
特に、晴れた日、乾燥した日、風の強い日などの外的要因も加わります。
リボフラビン、葉酸、鉄、その他の栄養素の欠乏もこの状態を引き起こす場合があります。
3、舌炎
舌が腫れ、痛み、炎症、、発赤、表面がなめらかになるなどの症状が出ます。
重症な場合、咀嚼と嚥下に障害が出ることもあります。
ビタミンB6、葉酸とビタミンB12の不足も舌炎を引き起こす原因になります。
4、鬱
ビタミンB6は、不安、抑うつ、痛みの感情を制御するのに役立つセロトニンやガンマアミノ酪酸(GABA)などのいくつかの神経伝達物質の生成に関与しています。
自閉症の人にビタミンB6を摂取してもらった研究では、約半数の人の行動上の問題に改善が見られました。
これは、おそらく神経伝達物質の生成に役立つためです。
ビタミンB6を1日50〜80 mgサプリメントで摂取した際、気分、過敏性、不安、うつ病などの月経前症候群(PMS)の症状が改善したという研究結果もあります。
PMSを経験する女性が実際にビタミンとミネラルの欠乏症を持っているかどうかは、現在研究中ということです。
5、免疫の低下
ビタミンB6欠乏は、抗体であるT細胞を含む白血球の体の産生を減少させる可能性があります。
白血球の減少は、免疫機能の低下につながります。
さらに、B6は体が白血球の作用を指示することを助けるインターロイキン-2と呼ばれるタンパク質を作るのを助けます。
自己免疫疾患を持つ人は、ビタミンB6の働きが阻害されている可能性があるため、それを補うためにも、他のビタミン類が必要になります。
6、疲労
ビタミンB6は、赤血球中のタンパク質で、体全体に酵素を運ぶヘモグロビンを生成を補助する役割があります。
ヘモグロビンが少なすぎるために細胞に十分な酸素が供給されない状態を、貧血と呼びます。
ビタミンB6は、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの生成にも関わっているため、貧血でよく眠れない状態が、慢性疲労を引き起こします。
7、手足の神経障害
ビタミンB6の欠乏は、末梢神経障害と呼ばれる神経損傷を引き起こす可能性があります。
腕、脚、手、足などに、針で刺されたような痛み、ヒリヒリする痛み、しびれ、激痛を感じるなどの症状が出ます。
重症になると、バランス感覚が悪くなり、歩行障害や不器用になるといった症状が出ます。
ビタミンB6摂取の副作用で神経障害が出る場合もあるため、サプリメントの摂取には注意が必要です。
8、発作
ビタミンB6欠乏で、脳が過剰に刺激されることを防ぐ神経伝達物質ガンマアミノ酪酸(GABA)の生成がされない場合、筋肉の痙攣、てんかん、意識を失うなどの症状が出る場合があります。
ビタミンB6の欠乏は、新生児の発作を引き起こすことがよく知られています。
最初の症例は、1950年代にビタミンB6含有量が不十分な乳児用粉ミルクを赤ちゃんに与えたときに記録されました。
最近では、ビタミンB6欠乏による発作が成人でも報告されています。
これらの症例は、妊娠、アルコール依存症、薬物相互作用、または肝疾患で最も多く見られました。
9、高ホモシステイン
ホモシステインは、タンパク質の消化中に生成される副産物で、アミノ酸の一種です。
このホモシステインを無毒化するためにビタミンB6、ビタミンB12、葉酸が必要になります。
代謝で無毒化されない場合、ホモシステインが血管を老化させ、血管と神経の損傷、脳卒中、心臓病、アルツハイマーなどのリスクが高まる可能性があります。
ビタミンB6を豊富に含む食品
レバー
マグロ
カツオ
唐辛子
米
ニンニク
バジル
パセリ
ターキー
などに、豊富に含まれます。
ビタミンB6は、肉・魚・野菜・フルーツ・穀物・ナッツ・卵など、いろいろな食品に含まれているため、食事から摂取しやすい栄養素です。
ビタミンB6のサプリメント
↓ビタミンB6を含むビタミンB群のサプリメントです。
ビタミンC、葉酸も入っています。
↓ビタミンB6単独のサプリメントです。
P-5-Pは、ビタミンB6を活性化した形態で配合されているものです。
ビタミンB6の副作用
ビタミンB6は、ほとんどの場合安全と言えるようです。
過剰摂取で神経障害が出る場合があるようです。
妊娠中・授乳中の方は、1日 2 mg を超えない範囲で摂取してください。
ビタミンB6の推奨摂取量
大人
鉄芽球性貧血
1日200-600 mgから始め、症状の改善が見られるようになったら1日30〜50 mgに減らします。
ビタミンB6欠乏症
1日2.5〜25 mgを3週間続け、そのあとは1日1.5〜2.5 mgに減らします。
経口避妊薬を服用中の人
1日25-30 mg
高ホモシステイン血症
1日50〜200 mg、ビタミンB6単独のサプリメントで摂取。
ビタミンB6を100 mgあたり、0.5 mgの葉酸を併用して摂取してください。
加齢黄斑変性
高齢者の視力低下を引き起こす眼疾患です。
ビタミンB6を1日50 mgを、ビタミンB12を1日1000 mcg、および葉酸を1日2500 mcgと組み合わせて毎日摂取。
これを7年間続けます。
動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)
1日250 mgの熟成ニンニク抽出物
100 mcgのビタミンB12
300 mcgの葉酸
12.5 mgのビタミンB6を含む特定のサプリメント(Kyolic、Total Heart Health、Formula 108、Wakunga)
12か月間毎日100 mgのL-アルギニンを摂取します。
腎臓結石
1日25-500 mg
つわり
1日に10〜25mgを3〜4回摂取。
これでもビタミンB6欠乏の症状がある場合、ドキシラミンとビタミンB6が一緒に配合されているサプリメントに変えます。
妊娠中
1日 1.9 mg
授乳中
1日 2 mg
月経前症候群(PMS)
1日50-100 mgをビタミンB6単独で摂取するか、
200 mgのマグネシウムと一緒に摂取します。
子ども
7-12か月 0.3 mg
1〜3歳 0.5 mg
4〜8歳 0.6 mg;
9〜13歳 1 mg
ビタミンB6の推奨摂取量は、ケースによって大きく異なるため、専門家に相談することをお勧めします。
まとめ
【ビタミンB6欠乏】9つのサインと症状、ビタミンB6を豊富に含む食品、ビタミンB6の副作用、ビタミンB6の推奨摂取量について説明しました。
ビタミンB6は、いろいろな食品に含まれているため、食事から必要摂取量のほとんどはカバーできるようですが、貧血や高ホモシステイン血症が見られる場合は、ビタミンB6単独で配合されているサプリメント摂取が推奨されているようです。
また神経系と関わりのあるビタミンB6の欠乏が、同じく神経に作用する化学調味料であるMSGへの過敏症につながっていることがあるようです。
その場合、グルタミン豊富なボーンブロスで体調不良の症状が出る場合があるようです。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。↓
・妊娠中の人
・肝臓の問題がある人
・腎臓の問題がある人
・消化器系の問題がある人
・自己免疫疾患にかかっている人
・腸内環境が悪い人
・喫煙する人
・肥満の人
・アルコール中毒の人