抗酸化物質の種類と働き・摂取する際に気をつけること

栄養

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切ったリンゴが変色する。

古い油が悪臭を放つ。

鉄がさびる。

 

これらは身近で見られる酸化です。

 

酸化は私たちの体内でも起きていて、それは「老化」と呼ばれたり、「病気の原因である」と言われています。

 

抗酸化物質(アンチオキシダント)は、この酸化のプロセスを食い止める、または弱める物質のことを言います。

 

 

この記事では、抗酸化物質とは、酸化ストレスとは、フリーラジカルとは、抗酸化物質摂取の注意、抗酸化物質を含む食品について説明しています。

 

 

こんな人に読んでもらいたい
・慢性疾患を予防したい人
・老化を予防したい人
・ジャンクフードを食べることが多い人
・栄養をサプリメントに頼る人

 

抗酸化物質とは?

抗酸化物質は、生体組織の酸化プロセスの影響を打ち消すことができる物質です。

 

抗酸化物質は、ビタミンやミネラルといった栄養素であったり、化学反応を助ける体内のタンパク質である酵素であったりします。

 

抗酸化物質は、がん、心臓病、脳卒中、アルツハイマー病、関節リウマチ、白内障などの慢性疾患の発症、老化を予防する働きがあると考えられています。

 

酸化ストレスとは?

体の組織で損傷など何らかの問題が発生した際、体では問題の部位に対しフリーラジカル(活性酸素)という物質が生成され問題を酸化して解決しようとします。

 

この際、過剰なフリーラジカルは、通常体内の抗酸化物質によって中和されますが、体内の抗酸化物質が不足している場合、フリーラジカルが酸化プロセスを続けてしまうため、慢性炎症に発展、細胞、タンパク質、DNA(遺伝物質)に損傷を与えます。

 

これが酸化プロセスです。

 

 

フリーラジカルの働き

物質を構成する原子(または分子)は、陽子(+)と電子(ー)を持ち合わせます。

 

原子は持ち合わせる電子の数により、安定していたり不安定であったりします。

 

不安定な原子は安定を求め、他の物質と化学反応を起こしやすくなります。

 

この化学反応は、他の物質の原子から電子をもらったりあげたりということで起こります。

 

フリーラジカルは非常に不安定な原子であり、体の問題がある部位から電子を奪い問題解決を図ります。

 

フリーラジカルの例は、

●スーパーオキシドアニオン
●ヒドロキシルラジカル
●鉄
●銅
●硝酸
●オゾン

です。

 

特に強力なフリーラジカルで、活性酸素種(ROS)という物質があります。

 

活性酸素種(ROS)は、

●スーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)
●ヒドロキシルラジカル
●過酸化水素
●一重項酸素

の4種類があります。

 

フリーラジカルは生体で問題が発生した際に必要な物質ですが、過剰に生成されることが問題になり、その過剰分を中和する抗酸化物質の不足が酸化ストレスに繋がります。

 

フリーラジカルの発生は、以下の要因によって起こります。

 

●内因性

呼吸
代謝
炎症

●外因性

汚染
紫外線
激しい運動
X線
喫煙
飲酒

 

 

フリーラジカルが電子をあげたり奪ったりすると、2番目のフリーラジカルが形成されます。

2番目のフリーラジカルは3番目を形成し、どんどん鎖が出来ていきます。

 

 

 

抗酸化物質の種類と働き

抗酸化物質は、自らがフリーラジカルと中和反応を起こすことで酸化プロセスを阻害します。

 

そのため抗酸化物質は常に補充する必要があります。

 

●ベータカロチン
●ビタミンC
●ビタミンE

などの抗酸化物質は、フリーラジカルの鎖を切断することにより抗酸化作用を発揮します。

 

●スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
●カタラーゼ(CAT)
●グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)

などの抗酸化酵素は、フリーラジカルの鎖の開始速度を低下させることによって酸化を防ぎます。

 

 

抗酸化物質には様々な種類があり、関与するフリーラジカル、それが生成される方法と場所、および損傷の標的が何かということにより有効性が異なります。

 

特定の状況では有益な効果を示す抗酸化物質も、別の状況では有毒な酸素種を生成する「酸化促進剤」として機能する場合もあります。

 

それぞれの抗酸化物質の特徴を見ていきましょう。

 

ビタミンE

脂溶性ビタミンであるビタミンEは、主に脂肪酸で構成されている細胞膜をフリーラジカルの損傷から保護します。

 

ビタミンEは実際には、数種の異性体トコフェロールに分類できますが、 α-トコフェロールはLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の脂肪を酸化から保護します。

 

ビタミンC

アスコルビン酸としても知られているビタミンCは水溶性ビタミンです。

 

そのため、細胞内などの水性環境にあるフリーラジカルを除去します。

 

ビタミンCはビタミンEと相乗的に作用してフリーラジカルを抑制します。

 

ビタミンCはまた、還元された(安定した)形態のビタミンEを再生します。

 

ベータカロチン

水溶性ビタミンでもあるベータカロチンは、これまでに発見された600を超えるカロテノイドの中で最も広く研究されています。

 

それは一重項酸素(細胞に有毒であるエネルギーを与えられているが帯電していない形態の酸素)の最高の除去剤であると考えられています。

 

ベータカロチンは、低酸素濃度のフリーラジカルの除去にも特に優れています。

 

セレン

セレンは微量ミネラルで、体にとっては少量しか必要がないミネラルですが、それなしでは私たちは生きていけません。

 

それは、グルタチオンペルオキシダーゼを含むいくつかの抗酸化酵素の活性部位を形成します。

 

セレンと同様に、ミネラルのマンガンと亜鉛は、さまざまな抗酸化酵素の重要な部分を形成する微量ミネラルです。

 

 

抗酸化酵素

●スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
●カタラーゼ(CAT)
●グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)

は、フリーラジカルを破壊する際の主要な防御線として機能します。

 

 

SODは、最初にラジカルスーパーオキシド(O2-)を還元(電子を追加)して、過酸化水素(H2O2)と酸素(O2)を形成します。
2O2- + 2H –SOD-> H2O2 + O2

 

カタラーゼとGPxは、タンパク質グルタチオンと同時に作用して過酸化水素を還元し、最終的に水(H2O)を生成します。
2H2O2 –CAT-> H2O + O2
H2O2 +2グルタチオン–GPx->酸化型グルタチオン+ 2H2O

 

 

その他の抗酸化物質

●コエンザイムQ10

体内で生成される抗酸化物質です。

加齢とともに生成が減少します。

ビタミンEやCを再生させる能力があります。

●尿酸

DNA代謝の産物です。

尿酸の抗酸化作用はビタミンCよりも強力と言われています。

●フィトケミカル(植物化学物質)

カテキン
アントシアニン
ポリフェノール
イソフラボン
リコピン
ルテイン

などがあります。

 

抗酸化物質のサプリメントは有効か?

酸化ストレスの原因になるフリーラジカルを中和させるために、抗酸化物質が必要なことはわかりました。

 

では抗酸化物質はどのように摂取したらいいのでしょう?

 

抗酸化物質の摂取方法は、主に食事からとサプリメントからの摂取になります。

 

ただ、サプリメントの摂取には注意が必要です。

 

抗酸化物質のサプリメントは、過剰摂取での毒性、薬との拮抗作用での毒性の懸念があります。

 

アルファ-トコフェロールとベータカロチンの研究

喫煙と飲酒をするフィンランド人男性が参加した研究では、グループごとに以下のものを摂取してもらいました。

●合成ベータカロチン 20mg
●ビタミンE 50mg
●合成ベータカロチン 20mg + ビタミンE 50mg
●プラセボ

 

8年後、ビタミンEを摂取したグループは摂取しなかった男性と比較して、前立腺がんの診断が32%少なく、前立腺がんによる死亡が41%少ない結果に。

しかし、わずか4年後、ベータカロチンのみのグループでは、肺がんの症例が16%増加し、肺がんによる死亡が14%増加しました。

 

 

カロテノイドとレチノールの有効性研究

喫煙者、またはアスベスト労働者のいずれかのボランティアに集まってもらい、以下のものを摂取してもらいました。

●合成ベータカロチン 30mg
●レチノール 25,000IU
●プラセボ

 

これは予備実験の段階で、合成ベータカロチンのグループの肺がん発症率が28%増加したことを示唆したという事実のために早期に中止されました。

 

 

ビタミンEの研究

1997年の研究によると、1日60 mgのビタミンEは、65歳以上の健康な患者のグループの免疫システムを強化しました。

4ヶ月後、200 mgのビタミンEは、さらに4〜6倍の改善をもたらしました。

しかし、800mgのビタミンEは、ビタミンEをまったく摂取しない場合よりも免疫力が低下しました。

 

 

 


 

食事から抗酸化物質を摂取した際は酸化ストレスに対しての保護効果を確認できる結果が出るのに対し、サプリメントでの摂取は潜在的な毒性の懸念が明らかになりました。

 

これは食事からに比べ、サプリメントでの摂取は抗酸化物質が高容量すぎるためと考えられています。

 

抗酸化物質のサプリメントの摂取量

アメリカ心臓協会、アメリカ食品栄養委員会などの機関は、

 

ビタミンC、ビタミンE、セレン、およびベータカロチンなどのカロテノイドは食品に由来するべき。

非常に高用量の抗酸化物質が下痢、出血、毒性反応のリスクなどの健康問題を引き起こす可能性がある。

 

と発表しています。

 

そのため、抗酸化物質は、

●推奨栄養所要量(RDA)

●許容上限摂取量(UL)

が定められています。

 

抗酸化物質 RDA UL
ビタミンE 15 mg 1070mg(天然)785mg(合成)
ビタミンC 90mg(男性)75mg(女性) 2000mg
βカロチン データなし データなし
セレニウム 55μmg 400μmg

 

 

抗酸化物質の種類とそれを含む食品

抗酸化物質を含む食品は以下の通りです。

 

ビタミンE

植物油
クルミ
ピーナッツ
アーモンド
種子
オリーブ
アボカド
小麦胚芽
レバー
葉物野菜

 

ビタミンC

柑橘系の果物(オレンジやグレープフルーツなど)
ブロッコリー
葉物野菜
トマト
ピーマン
ジャガイモ
マスクメロン
イチゴ

 

ベータカロチン

マスクメロン
マンゴー
パパイヤ
カボチャ
コショウ
ほうれん草
ケール
カボチャ
サツマイモ
アプリコット

 

セレン

シーフード
牛肉
豚肉
鶏肉
ブラジルナッツ
玄米
全粒粉パン

 

硫化アリル

玉ねぎ
ニンニク
ネギ
ニラ

 

カロテノイド

トマト
人参
スイカ
ケール
ほうれん草

 

クルクミン

ターメリック

 

フラボノイド

ぶどう
ブルーベリー
いちご
さくらんぼ
りんご
グレープフルーツ
クランベリー
ラズベリー
ブラックベリー

 

グルタチオン

緑の葉物野菜

 

インドール

ブロッコリー
カリフラワー
キャベツ
チンゲン菜

 

イソフラボン

大豆

 

イソチオシアネート(スルフォラファンなど)

ブロッコリー
カリフラワー
キャベツ
チンゲン菜

 

リグナン

フラックスシード
サンフラワーシード

 

モノテルペン

柑橘系果物の皮
さくらんぼ
ナッツ類

 

フィチン酸

全粒穀物
豆類

 

フェノール、ポリフェノール、フェノール化合物

ぶどう
ブルーベリー
いちご
さくらんぼ
グレープフルーツ
クランベリー
ラズベリー
お茶

 

サポニン

豆類

 

 

 

 

まとめ

 

 

抗酸化物質は慢性疾患の予防、若さを保つために重要なのですが、サプリメントでの摂取は注意が必要ということについて説明しました。

 

たいていの栄養素は、他の栄養素との相互作用で効果を発揮するため、単一の栄養素だけを取り出して高容量で摂取するということは、栄養バランスを崩す原因になります。

 

食事からの摂取は通常バランスが取れていて、過剰摂取は起こしにくくなっています。

 

とはいえ、同じものばかり食べるのではなく、いろいろな食品を食べることを心がけることは大切です。

 

 

ビタミンCは、アムラやローズヒップから抽出された粉末やエキスがオススメです。⬇︎

 

Pure Planet, オーガニックアムラプラス(Amla Plus), 500 mg, 500錠(500 mg)
created by Rinker
ピュアプラネット
ビタミンEはd-アルファ・トコフェロールの物が天然由来で吸収しやすくなっています。⬇︎

 

Now Foods, ナチュラルE-400、268mg、ソフトジェル250粒
created by Rinker
ナウフーズ

 

 

 

 

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