ビタミンDは強い骨の形成や、免疫に関わる大切な栄養素ですが、世界の人口の50%がビタミンD不足、13%がビタミンD欠乏症に陥っていると言われ、問題視されています。
植物性食品にはほとんど含まれず、主に動物性食品に含まれ、肌が日光に当たることでも合成されるビタミンDは、積極的に摂取するようにしないと、多くの人が欠乏症に陥る可能性があります。
慢性疾患を予防する効果があるビタミンDを効率的に摂取するには、どうしたらいいのでしょう?
この記事では、日光・食事・サプリメントなどから、効率的にビタミンDを摂取する6つの方法について説明しています。
ビタミンDの効能
脂溶性ビタミンであるビタミンDは、体内でホルモンのような働きをします。
●腸でのカルシウムとリンの吸収を助ける
●骨粗鬆症の予防
●糖尿病の予防
●風邪・インフルエンザの予防
●がんの予防
●うつ病の予防
ビタミンDの体内での働きは非常に重要ですが、多くの人が不足している傾向にあります。
ビタミンDを効率的に摂取するには、どうしたらいいのでしょうか?
ビタミンDを効率的に摂取する6つの方法
ビタミンDの1日の推奨摂取量は、
600IU。(70歳以上は800IU)
1日の上限摂取量は、
2000IU と定められています。
この推奨摂取量では全然少ないという意見もあり、摂取量については現在も模索中と言えます。
1、日光浴
日光が肌に当たることにより合成されるビタミンDは、サンシャインビタミンとも呼ばれます。
皮膚の細胞にあるコレステロールに日光からの紫外線、その中でもUVBが当たることにより、ビタミンD3が合成されます。
このビタミンDは肝臓に貯蔵され、小腸でのカルシウム吸収促進などに使われます。
D3はたんぱく質に結合しやすく、D2に比べ血中濃度が3倍維持されやすい、
日光から摂取するD3はUVAからの一酸化窒素生成との相乗効果で、食品やサプリメントから摂取するD3よりも効果的、
という意見もありますが、はっきりとした研究結果はなく、現在はまだよく分からないということです。
「紫外線が皮膚表面の皮脂に当たりビタミンDを生成するなら、日光浴直後のシャワーはビタミンD吸収を阻害する?」という疑問があります。
答えは「しません。」
紫外線と反応するのは、皮膚の中のコレステロールで、表面にあるわけではないということです。https://t.co/q1dBpf1fEU
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) February 14, 2020
日光浴からのビタミンD摂取に影響する要素がいくつかあります。
●場所
●季節・時間・天気
●肌の色・日焼け止めの使用
●年齢
●肥満
日光浴をする場所
赤道に近いほど物理的に太陽光線に近いため、ビタミンDをより多く生成できます。
逆に、赤道から遠くなるほどビタミンDの生成は減少します。
比較的国土の小さい日本でも、北海道と沖縄では差が出るようです。
ウィキペディアによると、10μg(400IU)のビタミンD生成に必要な日光浴時間は、顔と手のひらだけに紫外線を浴びた場合、
7月 | 12月 | |
---|---|---|
北海道札幌 | 10〜20分 | 139分 |
茨城県つくば | 10〜20分 | 41分 |
沖縄県那覇 | 10〜20分 | 14分 |
冬にかなりの差が出ます。
また、ガラスは紫外線ブロック仕様になっているため、窓越しの日光浴ではビタミンDは生成されません。
窓ガラスは紫外線を通さないので、窓越しの日光浴ではビタミンDを摂取することはできないということですが、
「全く期待できない?」と思い調べてみました。結論は、「ほとんど期待できない」ということです。
ビタミンD生成に必要なUVBはカットされ、シワやたるみの原因になるUVAだけ通すようです。— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) February 23, 2020
天気がいい日に室内の観葉植物をベランダに出したら、葉が焼けてしまったという経験はありませんか?
あれは室内では窓ガラスでUVBから守られているけど、外に出ると日焼けしてしまう証拠ということです。
人は窓越しの日光ではビタミンD合成はもちろん、日焼けもできないそうです。
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) February 23, 2020
季節・時間・天気
紫外線量が減少する冬は、ビタミンD生成も減少します。
1日の中では、午前10時から午後2時が紫外線量が高くなります。
さらに、曇りの日は晴れた日に比べ50%減、
スモッグなどで太陽光線が遮られる場合もビタミンD生成は減少します。
肌の色・日焼け止めの使用
褐色の人は肌の色が白い人に比べビタミンD生成量が少ない傾向にあるため、より長い時間日光に当たる必要があります。
日焼け止めの使用はビタミンD生成を阻害しますが、大抵塗り残しがあるため少しは生成されているということです。
日焼けは皮膚がんのリスクを高めると言われますが、ビタミンD摂取のために日焼け止めは使わないほうがいいのでしょうか?
アメリカでは、SPF15以下の日焼け止めの使用が推奨されています。
また、日光からビタミンDを十分に摂取する時間の2倍〜3倍を過ぎると、皮膚にダメージが出てくるため、長すぎる日光浴は推奨されていません。
ビタミンDを日光から過剰摂取するということはないので、心配いらないそうです。
年齢
加齢による皮膚の老化、肝臓機能の低下、腎臓機能の低下は、ビタミンD吸収障害につながります。
同じ条件で同量の日光に当たったとしても、高齢者の場合はビタミンD生成量が少なくなります。
以前は、乳幼児のビタミンD欠乏が問題になっていましたが、最近は高齢者のビタミンD欠乏も問題です。
特に屋外で運動する機会が減る高齢者は、サプリメントでの補給が骨折、がん、心臓病、糖尿病、関節炎などを予防すると言われています。
肥満
肥満では、ビタミンDが脂肪に過度に蓄積されてしまうことから、血液中に流れる量が減ってしまいます。
肥満の人のビタミンD欠乏症率は、80〜90%と非常に高くなっています。
肥満の人はビタミンDに限らず、他の栄養素も欠乏している可能性が高いそうです。
2、魚介類の摂取
脂ののった魚はビタミンD含有量が高い傾向にあります。
●サーモン
●サバ
●イワシ
●マグロ
など。
人も肝臓にビタミンDを溜めるように、魚の肝臓には特にビタミンDが多く含まれます。
なぜ魚が牛肉や鶏肉よりもビタミンD含有量が高いのか?
これは海中のプランクトンが光合成によりビタミンDを生成、それを魚が食べるためということです。
ビタミンD含有量
●母乳(250ml) 10IU
●乳児用人工ミルク(250ml) 100IU
●脂ののった魚(75g) 200IU
●卵の黄身(L2個分) 50-100IU1日の推奨摂取量は、
乳幼児 400IU
大人 600IU冬季や天気が悪い日が続く場合、積極的に食事から摂取することが大切になります。https://t.co/a52O6qXGwz
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) February 3, 2020
3、キノコ類の摂取
キノコは植物性食品で唯一ビタミンDを含む食品です。
キノコに含まれるビタミンDはD2で、人と同じようにキノコに日光が当たることで合成されます。
そのため、暗い室内で人工的に栽培されたキノコはビタミンD含有量が低いのですが、収穫後にUVBライトで照射しビタミンDレベルを上げる処置を施す農家もあります。
UVBライトで照射されているキノコは、大抵パッケージに「紫外線照射」「ビタミンD含有」という記載があり、値段も少し高めです。
キノコに紫外線を当てることで他の栄養素に影響が出ることはないそうです。
このことからわかるように、天日干しされた干し椎茸はビタミンD含有量が高くなります。
生、乾燥にかかわらず、スーパーで購入したキノコを調理前に日光にさらすことは、キノコのビタミンD含有量を上げることになります。
また、なめこ・松茸・しめじなど、どのキノコも共通して、傘が開ききっていない「ボタン」と呼ばれる状態が好まれます。
しかし、ビタミンD含有量という点では、傘が開いている方が高くなるということです。
ビタミンDは脂溶性で、水に溶けにくい、酸化されにくい、光にも分解されにくい、熱にも強い特性があります。
加熱調理してもビタミンDの損失は心配いりません。
4、卵黄の摂取
卵黄もビタミンD摂取源になります。
ただ、室内で飼育されている鶏の卵からの卵黄は、ビタミンD含有量が低い傾向にあります。
「フリーラン」「フリーレンジ」の太陽の下で運動できる環境で育った鶏の卵黄には、室内飼育の鶏の最大4倍のビタミンDが含まれます。
5、サプリメントの摂取
赤道から離れた地域に住む人、屋外に出る機会が少ない人、宗教上肌を隠す人、高齢者、完全母乳の乳児などは、サプリメントでのビタミンD摂取が推奨されています。
ビタミンD3のサプリメントは、通常動物由来です。
羊の毛(ウール)に付着した羊毛脂(ラノリン)を採取し、UVBを照射して生産されます。
ビタミンD2のサプリメントは、通常植物由来です。
キノコ類や酵母に含まれるエルゴステロールという脂溶性物質を採取し、UVBを照射して生産されます。
ビーガンの人はD2を選びますが、そうでなければD3の方が効果が高いため推奨する意見が多いです。
ですが、効果の差については現在も研究段階ということです。
日光からビタミンDを過剰摂取する心配はありませんが、サプリメントでは過剰摂取で副作用が出るリスクがあります。
1日10,000~40,000 IUのビタミンD摂取で副作用が出る可能性があります。
犬や猫のように毛が肌を覆う動物は、どうやって日光からビタミンDを吸収するのか?
皮膚から出た脂質が毛に付着し、それが紫外線と反応してビタミンD3に変換。
犬や猫が体を舐めて体内に取り込まれるそうです。全ての哺乳類、鳥も同じで、人間だけが少し違うとのこと。https://t.co/eW0NQr4SNO
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) February 14, 2020
↓1錠で1日の摂取量をカバー!
↓ビタミンDは舌下からよく吸収されるため、液体のサプリメントはオススメです。
6、UVランプで照射
皮膚の問題の治療に使われてきたUVランプですが、最近はビタミンD摂取のためにも使われるようになってきました。
やけどのリスクがあるため、一度の照射は15分を超えないように使用します。
まとめ
ビタミンDを効率的に摂取する6つの方法について説明しました。
私は長年、窓越しの日光浴でビタミンDを摂取できていると思い込んでいたので、窓ガラスが紫外線をブロックすると聞き、「ビタミンD欠乏症になっていたのかも…」と思うようになりました。
ビタミンD摂取には色々と条件が重なるため、それらを知っておくことで効率的に摂取できるのでは、と思いこの記事を書きました。
参考にしていただければ幸いです。
・ビタミンDを効率的に摂取したい人
・免疫を高めたい人