塩分の摂り過ぎが体に悪いことは知られていますが、塩分は体に必要な物質でもあります。
体は水分を吸収するために塩分が必要で、激しい運動の後や熱中症、胃腸炎で脱水症状になっているときに塩分が含まれたスポーツドリンクを飲むのは、このためです。
2006年のアメリカ医療ジャーナルに掲載された研究結果では、「2300 mg(1日の推奨許容量)未満のナトリウム摂取は、心血管疾患死亡率の37%の増加と全死因死亡率の28%の増加に関連しました。」とあります。
塩分を摂らなすぎると死につながる可能性もあるんですね。
この記事では、塩の効能、塩には精製されて人体に必要なミネラルが取り除かれた塩と、天然のまま何種類ものミネラルが含まれる塩がある、塩の種類、高血圧の原因は塩分だと信じられてきたが、実は糖分だったということを説明しています。
塩とは?
塩は主に2つのミネラル、塩化物とナトリウムでできています。
海塩はわかりますが、岩塩や湖塩も大昔に海だったために採れている塩なので、塩はどれも海が起源で、「海塩(シーソルト)」と言えます。
人体に不可欠な塩
人間の体のほとんどは水でできていることは知られていますが、実際には海と非常によく似た組成の塩水でできているそうです。
血、汗、涙などはしょっぱいですよね。
これは塩分が含まれているためです。
塩の効能
血糖値の調節
血圧の調節
甲状腺機能の維持
抗ヒスタミン作用
塩分摂りすぎの問題
このように人体に不可欠な塩ですが、なぜ現代では塩分が体に悪いと思われているのでしょう?
これは、一般的に出回っている塩が天然塩(自然塩)ではないためです。
一般的に出回っている塩は精製塩で、いわば偽物の塩です。
食卓塩
値段が安く、一番出回っている精製された塩が、食卓塩です。
食塩とも言います。
食卓塩の成分は、通常、岩場から採掘された、または海水から採られた後、天然のミネラルを取り除き、ナトリウムと塩化物のみが残ります。
海塩(シーソルト)
天日塩などの海塩は、海水を煮詰めて取り出した塩です。
シーソルトと聞くと、自然で健康に良い塩のイメージがありますが、もともとどんな塩も海から来ているという事と、食卓塩も海水から採った塩で作られているものあるため、名前を変えた食卓塩であると言えます。
それなのに値段は食卓塩より割高です。
天然塩の場合は、原料名に「海水」とだけ表記してあります。
天然塩(自然塩)
精製されていない塩が天然塩です。
食卓塩と海塩は2種類のミネラル(塩化物とナトリウム)だけを含むのに対し、天然塩は60種類以上のミネラルを含みます。
そしてそのミネラルの配合も絶妙にバランスが取れており、人体に有益な栄養素となります。
塩化ナトリウムが99%以上を占める食卓塩と海塩が高血圧の原因になりやすいのに比べ、天然塩は塩化ナトリウム以外にもたくさんのミネラルが含まれているため、摂取することで健康促進の効果を期待できます。
天然塩の種類を紹介すると、
リアルソルト
「リアルソルト」というのは商品名です。
アメリカ・ユタ州の古代に海底にあった場所から採掘された岩塩です。
地中約90メートル掘ったところから出てくる塩は、地表近くに大気汚染、土壌汚染があったとしても影響されません。
↓リアルソルトに含まれるミネラルの一覧です。(英語)
クリックしてReal-Salt-Analysis.pdfにアクセス
ヒマラヤピンクソルト(ヒマラヤ岩塩)
パキスタン、ネパール、インド、チベットのヒマラヤ山脈採れる岩塩がヒマラヤピンクソルトです。
地殻変動で閉じ込められた天然の塩分が綺麗なピンクの結晶になったものを採掘します。
リアルソルトと同じく、古代の海水は現代の海水と違って汚染されていないという利点があります。
ケルト海塩
ケルト海塩(Celtic Sea Salt)とは、商品名です。
フランスの北西部のブルターニュ地方で採れる塩です。
色はグレーがかっていて、湿り気があります。
ぬちまーす
マグネシウムとカルシウム含有量が高い沖縄の天然塩「ぬちまーす」。
国産の天然塩ではミネラル含有量がダントツに高いため、オススメです。
高血圧の原因は塩ではなく砂糖
上記のリアルソルトの公式ホームページに、栄養士のフィアー・クレイグさんの見解が記載されています。
これによると、フィアーさんは、
塩分を摂取すると、腎臓が適切な濃度を維持するように作用するため、血圧がわずかに上昇します。
これにより、食事中の塩分を減らすと血圧が下がると考えられています。
しかしこれは短期的な目線で見た結果で、長期的な慢性の高血圧とは関係がない。
精製された炭水化物、砂糖が多すぎると血液中の水分が増加し、血圧が上昇します。
と述べています。
高血圧の原因は、塩分ではなく糖分だったという意見です。
裏付ける証拠として、塩は人類がかなり昔から摂取してきたのに対し、砂糖が一般的になったのは産業革命後。
高血圧は糖尿病や肥満、心臓病などの現代病であり、これらは全て産業革命後の砂糖の登場と共に増加していった歴史があるためです。
もともと人類は塩分を摂っていましたが、高血圧になることはなかったんですね。
フィアーさん曰く、
この事実が信じられない高血圧患者には、2週間、塩分摂取を減らして、血圧が下がるかどうか観察します。
大抵これでは血圧は下がりません。
次に、精製された砂糖と炭水化物の摂取を減らし、血圧を観察します。
何が起こるでしょう?
これは高血圧患者が自分でやる実験なので、医師に相談しながらやる必要がありますが、結果は「血圧が下がった」ということが予想されます。
また、フィアーさんの言う「塩」とは「天然塩」のことで、精製された塩の場合、塩化ナトリウムの濃度が高いため、血液中の塩化ナトリウム濃度が上がり、濃度を下げようと血液により多くの水が入ってきて血圧が上がります。
まとめ
塩には精製されて人体に必要なミネラルが取り除かれた塩と、天然のまま何種類ものミネラルが含まれる塩がある、高血圧の原因は塩分だと信じられてきたが、実は糖分だったということを説明しました。
「高血圧の原因は糖分」説については、賛否両論あるようです。
私が個人的に思ったのは、
天然塩に含まれるマグネシウムやモリブデンなどのミネラルは、糖分を餌に増殖するカンジダ菌が放出する毒性物質・アセトアルデヒドを分解してくれます。
亜鉛は糖分を代謝する役割があります。
天然塩を摂取することで、ミネラルの恩恵を受け、ある程度糖分からの悪影響に対応できると考えると、天然塩を摂取することで糖尿病予防になるのでは? と思いました。
アトピー患者が海水に浸かると症状が軽減されるといいますが、海水の天然塩のミネラルが肌から吸収されて改善するのも納得です。
天然塩の場合、過剰摂取ということは心配いらないそうです。
(精製された塩は過剰摂取厳禁です。)
体が欲しい分だけ摂取することが適正摂取量だ、とフィアーさんの見解にはありました。
・健康的な塩を選びたい人
・高血圧の人
・アトピーの人
・腸内環境が悪い人
・カンジダ症の人