オスガエルをゲイにする除草剤「アトラジン」

食の安全

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「カエルがゲイになる」というのは冗談ではなく、アメリカでは「アトラジン」という除草剤に曝露されたオスのカエルが、メス化したり、オスと交尾をしたり、去勢されてしまう、ということが起きています。

カエルの生殖活動に影響を与えるこの農薬アトラジン。
当然、人への影響も懸念され、「アトラジンの影響でトランスジェンダーが増えているのではないか?」「アトラジンは人口削減のために食品に散布されているのではないか?」という主張もあります。

除草剤「ラウンドアップ」やその主成分である「グリホサート」の健康被害については注目されますが、アトラジンがグリホサート以上に健康に悪影響を与えるという人もいます。

この記事では、アトラジンが健康にどの様な影響を及ぼすのか、どうすればアトラジンを避けられるのかについて説明していきます。

 

 

 

アトラジンとはどういう除草剤?

アトラジンは世界で最も使われている除草剤の一つで、除草剤グリホサートに次いで2番目に使われていると言われています。
アトラジンは光合成による電子伝達系を阻害する作用を持ち、植物の成長を抑制します。

とうもろこし、サトウキビ、小麦、大豆、米などの作物から、ゴルフ場の芝生にも使用されます。

アトラジンの使用は土壌汚染に繋がり、水源も汚染するため、大規模農場の多いアメリカでは、水道水からも検出されます。
残留性が高く、大気中にも揮発し、体内に蓄積する農薬です。

飲料水や農産物残留を通じて曝露される可能性があり、特に水溶性が高いため地下水汚染が問題視されます。

アトラジンの健康リスク

アトラジンの急性毒性は比較的低いと言われています(ラットでの経口LD50は約1,869~3,080 mg/kg)。
しかし、大量摂取で目や皮膚の刺激、呼吸器への影響が報告されています。
長期曝露では、内分泌かく乱作用(ホルモン系への影響)が懸念されています。
動物実験で甲状腺や生殖系への影響が示唆されており、ヒトへの発がん性については議論が続いています。
国際がん研究機関(IARC)はアトラジンを「発がん性評価の対象外」としていますが、米国環境保護庁(EPA)は「ヒト発がん性の可能性は低い」と評価。
アトラジンにはエストロゲン作用があるため、女性において乳がんのリスクを高める可能性があります。

 

アトラジンの環境影響

水系への影響が大きく、魚類や両生類(特にカエル)の生殖系や発達に悪影響を及ぼす可能性が研究で指摘されています。
土壌中では比較的分解されにくい(半減期は数週間~数ヶ月)。
欧州連合(EU)では環境・健康リスクを理由に2004年から使用禁止。

日本でのアトラジンの使用状況

アトラジンは、日本では主に除草剤として使用されており、シンジェンタ社から「ゲザプリム」という商品名で販売されています。
アトラジンはとうもろこしや穀物など、アメリカの大規模単一栽培農場で使用されることが多いため、小規模農家が多い日本での使用はアメリカに比べると限定的ということです。
オーストラリア、カナダ、ブラジルなどでも使われていますが、世界での使用量の大部分はアメリカが占めています。

 

タイロン・ヘイズ博士の研究

カリフォルニア大学バークレー校の統合生物学教授タイロン・B・ヘイズ博士は、除草剤アトラジンがカエルに及ぼす影響、特にオスのカエルをメス化させる能力に関する研究で知られる生物学者です。
博士の研究は、2010年頃まで比較的無害だと思われていたアトラジンが実は内分泌かく乱物質として作用し、低濃度であってもテストステロンをエストロゲンに変換し、オスのカエルに雌雄同体化を引き起こす可能性があることを示しました。
この研究は、アトラジンの安全性、野生生物と人間の両方への潜在的な影響について、大きな議論を巻き起こしました。

 

 

タイロン・ヘイズ博士が発見したアトラジンがカエルに及ぼす影響は、以下のとおりです。

  • アトラジンのホルモン作用が両生類の性発達を阻害する
  • オスガエルの4分の3を科学的に去勢
  • これらのオスのカエルは、テストステロンレベルが低い
  • メスに変化するオスガエルは10%以上
  • メスになったオスガエルは、オスと交配できる
  • メスになったオスガエルの子は全てオス
  • これにより性比を大きく歪め、このカエルが絶滅する可能性を生む
  • アトラジンが、世界中で両生類の減少を引き起こしている原因の一つである可能性がある
  • アトラジン汚染環境で育ったアフリカツメガエルのオタマジャクシが雌雄同体になった(卵巣と精巣の両方の生殖腺を発達させた)
  • これは、EPAが飲料水に許容する濃度「3ppb」の30分の1にあたる、アトラジン濃度0.1ppbという低濃度でも起こった
  • アトラジン散布地から最大1600km離れた地域を含むアメリカ中西部のアトラジン汚染された河川から採取された在来のヒョウガエルは、精巣に卵を抱えていることが多いことがわかった
  • これらの多くのオスは正常なメスよりもテストステロン値が低く、喉頭が正常よりも小さく、おそらくメスを呼ぶ能力が制限されていると考えられる
  • この地域のカエルの免疫系は弱体化し、死亡率が上がっている可能性がある

 

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アトラジンを製造するシンジェンタ社がヘイズ博士に行った嫌がらせについては、こちらの記事がわかりやすかったです。

無能な研究者のずさんな仕事……なのか? - HONZ
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アトラジンを避けるためにできること

アトラジンを避けるためにはどうしたらいいのか?

日本ではそこまでは使われていないアトラジン。
国産の農産物よりも、輸入農産物や加工食品に気をつける必要があります。

特に気をつけたいのは「とうもろこし」。

添加物、甘味料、増粘剤、風味増強剤など、とうもろこしからできている加工品は多いです。

【例】

  • 異性化糖
  • 加工でんぷん
  • コーンシロップ
  • コーンスターチ
  • コーンミール
  • コーンフレーク
  • コーン油
  • デキストロース
  • クエン酸
  • アスコルビン酸(ビタミンC)
  • カラメル色素
  • ポリソルベート80(乳化剤)

これらの加工品は、ほとんどの場合、外国産で遺伝子組み換えのとうもろこしが使用されています。
遺伝子組み換えとうもろこしが原材料であっても、添加物になるとオーガニック食品にも使えますし、遺伝子組み換え表記も必要なくなります。

アトラジンを避けるには、できるだけオーガニック食品を選ぶ方がいいのですが、オーガニックの加工食品にはアトラジンが含まれる可能性があるということです。

オーガニックで、ホールフードだとより確実に避けられます。

 

とうもろこしは家畜の飼料に使われることも多いため、食肉や乳製品にも間接的に混入してきます。

日本の酪農では、アメリカ産とうもろこしが飼料として広く使用されており、アトラジンの微量残留が含まれる可能性があります。
2023年のUSDA、農林水産省データによると、日本はとうもろこしの約90%以上を輸入に依存しており、その大部分(約60~70%)がアメリカ産。

年間輸入量は約1,500万トンで、飼料用が大半を占めます。
日本の酪農では、とうもろこしが乳牛の主要な飼料成分(エネルギー源)として広く使用されています。アメリカ産とうもろこしは価格が安く、供給が安定しているため、配合飼料の主要原料です。
アメリカではとうもろこしの約60~70%にアトラジンが散布されており(EPA、2000年代データ)、飼料用とうもろこしにも残留する可能性があります。

 

さらにアメリカ在住の方は、飲料水はフィルターする必要があります。
活性炭を使ったフィルターでかなり除去できますが、逆浸透膜(RO膜)の浄水器がより確実です。
ボトル入りのミネラルウィーターにはアトラジンが含まれる場合があります。

アメリカでも特に汚染が深刻なのは、内陸部の大規模農場周辺です。
さらに、ゴルフ場、公園、競技場などにスプレーされている場合もあります。

 

まとめ

オスガエルをゲイにしたりメスに変えてしまう除草剤「アトラジン」。

タイロン・ヘイズ博士の研究から、カエルや両生類に大きな影響を及ぼしていることがわかりました。
これが「人間には影響はありません」と言われても、信じられる人は少ないと思います。

公的機関の定めた基準値以下でも影響が出る可能性、成長期の子どもが特に影響を受ける可能性が懸念されているため、注意が必要です。

幸い日本の農業ではそこまで使用されていないようですが、輸入食品がたくさん入ってきているため、特にアメリカ産のとうもろこし製品を中心に避ける必要があります。

とうもろこし栽培は、除草剤グリホサートの使用も一般的ですが、グリホサートとアトラジンを両方組み合わせて使うことも一般的ということです。
この場合、シーズン初期の雑草防除にアトラジン、中期からはグリホサートを散布し、異なる雑草を一掃します。

グリホサートとアトラジンの組み合わせによる健康リスクの相乗効果を調査する研究は限られています。

日本では、食品安全委員会が個々の農薬の残留基準を厳格に設定(グリホサート0.2~30ppm、アトラジン0.02~0.1ppm)し、混合曝露のリスクはモニタリング対象ですが、具体的なガイドラインはありません。
個々で気を付ける必要が出てきます。

 

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