ほとんどの醤油が意外にもグルテンフリーではないことをご存知でしたか?
醤油が大豆でできていることは誰でも知っていますが、市販の醤油の多くは大豆と小麦からできています。
醤油について深掘りしていくと、「え、醤油ってこんな怪しいものが入っているの?」という醤油もあることを知りました。
この記事では、
・なぜ醤油に小麦が入っているのか
・小麦アレルギーでも醤油は大丈夫なのか?
・入っている小麦の量
・醤油の製造方法による違い
・使われている大豆の違い
を解説しています。
醤油を選ぶ際の参考になれば幸いです。
ほとんどの醤油に小麦が入っている
市販の醤油のパッケージに記載してある原材料を見ると、「小麦不使用」または「グルテンフリー」の表記があるもの以外ほぼ全部の醤油に小麦が使われています。
なぜ醤油に小麦が入っているの?
なんで小麦が入っているかの理由は、醤油を製造する過程の発酵に大きく関わっています。
大豆100%で作ると、発酵に2〜3年かかります。
大豆50%・小麦50%で作ると、発酵が半年ほどで終わります。
グルテンフリーを経験された方は分かると思いますが、小麦って美味しい!
小麦粉の代用品で作ったパンやお菓子、味や食感はどうしても小麦粉で作られた物を超えることが難しいんです。
体には良くないのですが・・・
醤油が美味しいのも一部は小麦のおかげだったんですね。
小麦アレルギーでも醤油はいいの?
醤油の原材料で利用される小麦は、醸造過程で小麦アレルゲンが消失または減少するので、小麦アレルギーの人でも醤油は使用しても大丈夫と言われています。
これはアレルギーの程度などで判断することになると思いますが、
ここは個人の判断次第になります。
醤油の種類と小麦の量の割合
先ほど醤油は大豆50%・小麦50%と記載しましたが、厳密に言うと醤油の種類によって小麦の使用量の割合が違います。
薄口醤油 大豆50%・小麦50% プラス米が原料の酒
白醤油 大豆10〜20%・小麦80〜90%
たまり醤油 大豆90〜100%・小麦0〜10%
たまり醤油とは?
たまり醤油だけは他の醤油と製造方法が異なります。
江戸時代、味噌作りの際に染み出してきた液体が溜まったものが「たまり醤油」の誕生です。
手間がかかる上に少ししか取れないので、昔ながらの伝統製法で作られた本物のたまり醤油はあまり出回っていなし高価です。
醤油の製造方法による違い
たまり醤油が他の醤油と製造方法が全く異り、味噌作りの副産物であるということは説明しました。
では、たまり醤油以外の醤油はどのように製造されているのでしょう?
本醸造・混合醸造・混合の3つの製造方法の違いについて説明します。
本醸造とは?
国内で流通している醤油の約8割が本醸造醤油です。
大豆
小麦
食塩
混合醸造とは?
国内で流通している醤油の残り約2割が混合・混合醸造醤油です。
そのうちの混合醸造とは、
大豆・小麦・塩から出来た「諸味」にアミノ酸液を添加し醸造させる製造方法です。
食塩
脱脂加工大豆
小麦
アミノ酸液
糖類(ブドウ糖・砂糖)
アルコール
調味料(アミノ酸等)
カラメル色素
甘味料(ステビア・甘草)
ビタミンB1
アミノ酸液とは?
大豆(脱脂加工大豆)のたんぱく質原料を塩酸で分解し、苛性ソーダで中和したもの・・・
らしいのですが、何のことかちょっとピンとこないと思います。
手間をかけず安価に作る醤油っぽい調味料の原料です。
脱脂加工大豆は、いわゆる大豆のカスです。
後で詳しく説明します。
調味料(アミノ酸等)とは?
「調味料(アミノ酸等)」は言い換えると、
・グルタミン酸ナトリウム
・MSG
・化学調味料
・味の素
いろいろな言い方が出来ますが、緑内障・偏頭痛の原因になったり、発がん性も危惧されている調味料です。
なんでアルコールが入っているの?
本醸造醤油も発酵の段階で自然にアルコールが生成されますが、そのアルコールについては表記義務がありません。
原材料にアルコール表記があるものは、後から添加されたことを示しています。
本醸造でも原材料にアルコールが表記されているものがありますが、発酵がうまく進まずアルコール度数が低くなってしまった場合にアルコールを添加したと思われます。
醤油のあるアルコール度数は2〜3%ほど。
自然に生成されたアルコールはいいとしても、なんでわざわざ後から加えるのかというと、
・香りをよくするため
だそうです。
混合とは?
混合醸造では諸味とアミノ酸液を一緒に醸造させるのに対し、
混合ではアミノ酸液は加えられますが、醸造されません。
アミノ酸液
脱脂加工大豆
小麦
食塩
アルコール
調味料(アミノ酸等)
甘味料(ステビア・甘草)
つまりパッケージに「醤油」と表記できるようです。
混合醸造醤油と混合醤油の見分け方
パッケージの原材料を見ていただければ記載してあります。
混合醸造は糖分で甘くしてある醤油で、九州・四国など一部の地域で愛用されています。
コンビニ弁当などについてくる使い切りサイズの醤油は、ほぼ混合醤油です。
大豆でも違いが
醤油の製造方法の違いを見てきましたが、醤油のメインの原材料「大豆」でも違いが出てきます。
脱脂加工大豆
大豆から大豆油を取って残った部分が脱脂加工大豆です。
大豆から大豆油を抽出する際、ヘキサンという毒性のある溶剤を使用します。
このヘキサンの毒性は、加熱で簡単に除去できるため、大豆油製造の副産物である脱脂加工大豆で醤油を作ることは、安全性に問題はないということになります。
この説明での安全か安全でないかの判断は、個人に委ねられます。
そして、脱脂加工大豆には産地表記の義務がないため、国産大豆か外国産大豆かが分かりません。
丸大豆
搾油されていない大豆で作られた醤油が丸大豆醤油です。
丸大豆醤油は産地が明記してあります。
遺伝子組み換え
醤油の大豆タンパクは、製造工程でアミノ酸やペプチドに分解されるため、醤油は遺伝子組み換え表示義務の対象外です。
しかし日本の消費者から不満が出たため、各醤油メーカーは任意で「遺伝子組み換えではない大豆」と表記しているケースが多いです。
また、遺伝子組み換え大豆の混入が5%以下であれば、遺伝子組み換え大豆が入っていても「遺伝子組み換えではない」と表記できるようです。
まとめ
分かりにくい説明は省き、簡単で分かりやすい説明だけにしたつもりでしたが、長くなってしまいました。
醤油は奥が深いです。
以上の説明を踏まえて、私自身が醤油を選ぶ基準をまとめてみました。
↑これを選びたいと思います。
たまり醤油
グルテンフリー醤油
和食には欠かせない醤油。
選ぶ際の参考にしてください。
ココナッツでできている醤油の代替調味料↓
・ご自分、またはご家族にアレルギー体質の方がいる
・健康のため、食べ物には気をつけている
・いい醤油を選びたい
・醤油の原材料表記を見ても、イマイチ意味が分からない