日和見感染症と言って、風邪や睡眠不足などの体調不良時に発症しやすくなるカンジダ症。
カンジダ症の中でもメジャーなカンジダ膣炎は、STD(性的な接触によって発症する感染症)と思われることが多いのですが、発症はもともと持っている常在菌の増殖による要因が大きく、STDかどうかはグレーゾーンなようです。
性交渉後にカンジダ症を発症してしまった場合は、パートナーを疑いたくなりますが、一概にパートナーのせいにはできないようです。
この記事では、カンジダはSTDではないけど人にうつるケースもある、うつる場合はどういう状況か、うつらないようにするにはどうしたらいいか、ということを説明します。
カンジダはうつるもの
カンジダは人にうつります。
ただ、
性交渉をしたら必ずうつる
患部に触れたら必ずうつる
というわけではないようです。
カンジダがうつる条件
カンジダ菌が接触によってうつるには、特定の条件が必要です。
カンジダ菌をもらう人の腸内環境に善玉菌がたくさんいた場合、性器や口腔内にも善玉菌がいるため、カンジダ菌が住みにくいpHに保たれています。
この状態では、カンジダ菌はうつりにくくなります。
逆に、カンジダ菌をもらう人の腸内環境に善玉菌が少ない場合、カンジダ菌が住みやすい環境が出来上がっているので、うつりやすくなります。
特に疲労やストレスが溜まった時、睡眠不足の時、抗生物質服用後はうつりやすくなります。
カンジダがうつるケース
うつされる人の腸内環境に善玉菌が少ないと仮定した場合、どういうケースでうつるのでしょうか?
性交渉
オーラルセックス、アナルセックス、キスも含まれます。
重症なカンジダ症を発症している場合、舌の表面が白苔という白いもので覆われている場合があり、これが見られる口腔内はカンジダ菌が沢山いると考えられます。
パートナーにこの症状が見られてそれでも性交渉をする場合は、万全の腸内環境、万全の体調でのぞみ、コンドームを使用しましょう。
また自分の性器にカンジダ症の症状が見られる場合は、性交渉は控えましょう。
カンジダ膣炎を発症している時の出産
妊娠中はホルモンの関係でカンジダ膣炎を発症しやすくなります。
妊娠中にカンジダ膣炎を発症しても、お腹の中の赤ちゃんには影響しませんが、出産時に発症している場合、赤ちゃんは産道を通って出てくるのでうつってしまう可能性があります。
赤ちゃんにうつった場合、鵞口瘡(口内炎のようなもの)やおむつかぶれなどの症状を引き起こします。
カンジダ症を発症している人と一緒に入浴
カンジダ症の人と一緒に入浴したり、同じタオルを使うことではまずうつらないと思いますが、可能性がゼロということはないようです。
カンジダ症の重症度、うつされる人の健康状態を考慮して、場合によっては一緒の入浴は避け、タオルなども分けたほうがいいかもしれません。
カンジダをうつされないためにできること
腸内環境に善玉菌がたくさんいてバランスが取れていれば、誰かのカンジダ菌との接触があってもうつることはありません。
そのような腸内環境を作るために出来ることは以下の通りです。
食生活
砂糖・小麦・カフェイン・お酒・化学調味料・抗生物質・農薬・遺伝子組み換え食品など、カンジダ菌の増殖を助ける食べ物を避ける食生活に変えます。
免疫を高める
食生活と共に、疲れ・ストレスを溜めない、十分な休息をとる、風邪など必要のない時は抗生物質を服用しないなど、体の免疫を高めるようにします。
プロバイオティクスの服用
食生活と共に、生きた善玉菌が凝縮されたプロバイオティクスのサプリメントを毎日服用します。
サプリメント以外にも、発酵食品(できれば手作りのもの)をたくさん食べて、乳酸菌など腸内環境に有用な善玉菌を取り入れます。
まとめ
カンジダはうつるのかうつらないのか?といえばうつりますが、うつった原因はうつされた人の腸内環境が大きく関係しているので、うつした人のせいというより自己責任という部分が大きいというお話でした。
だからカンジダをうつされないようにするには、接触を避けたり共用の物を洗ったり消毒したりする以上に、普段の食生活と生活習慣が予防になります。
例えばパートナーがカンジダではないのに、たまたま性交渉後にカンジダ症が発症。
「カンジダはSTD」と思い込んでいると、実は自分が悪いのにパートナーのせいにしてしまうケースもあると思います。
この場合、パートナーにとってはとんだ濡れ衣ですね・・・
・性交渉後にカンジダを発症した人
・カンジダを発症していて性交渉をしてもいいのかわからない人
・カンジダを発症していて同居する家族にうつすことが心配な人
・カンジダ膣炎を発症している妊婦の人