グルテンの入っている小麦、ライ麦、大麦などの穀物などの食品を食べると体調不良になるセリアック病。
もともとグルテンの入っている穀物の消費量が多い欧米で見られる病気だったようですが、日本人の食事が欧米化してきた影響で、日本でもセリアック病が増加傾向にあるそうです。
小麦アレルギー、グルテンアレルギー(グルテン過敏症)、カンジダ症、リーキーガット症候群。
これらの症状とセリアック病は似ているけど、何が違うのでしょうか?
この記事では、セリアック病とグルテンアレルギーなど似ている症状との違い、セリアック病の症状、原因、一生治らないセリアック病の治療目的は症状緩和ということ、症状を緩和させる方法について説明しています。
セリアック病とは?
グルテンを食べることで、体が過剰に免疫反応を起こしてしまう自己免疫疾患がセリアック病です。
小麦アレルギー、グルテンアレルギー(グルテン過敏症)、カンジダ症、リーキーガット症候群との違い
腸内のカンジダ菌が増殖することで困った症状を引き起こすカンジダ症。
元々酵母の形態のカンジダ菌が増殖する際に、真菌の形態になります。
網目状になって食べ物や毒素をフィルターする働きをする腸壁は、真菌になったカンジダ菌の菌糸によって網目が広げられ、アレルゲンや毒素が血流に混入。
この時に現れる症状が、リーキーガット症候群で、これが食物アレルギーを引き起こします。
グルテンはネバネバしていて消化しにくく、過剰に摂取することで、消化しきれなかったグルテンが腸の粘膜に入り込み炎症が起き、リーキーガット症候群を悪化させます。
一方、セリアック病は、体内に入ってきたグルテンを異物と認識し、異常な免疫反応が生じることで、自分自身の小腸粘膜を誤って攻撃してしまいます。
一見すると、小麦アレルギー、グルテンアレルギー(グルテン過敏症)、カンジダ症、リーキーガット症候群が悪化した状態がセリアック病のように見えますが、自己免疫疾患か、自己免疫疾患ではないかという違いがあります。
セリアック病の症状
・腹痛
・慢性の下痢
・ガスがたまる
・全身倦怠感
・貧血
・栄養失調
・関節痛
・神経系疾患
・口内炎
・湿疹、アトピー
・不妊症と流産
上記の症状は代表的なものですが、他にもたくさんの症状があります。
セリアック病の原因
カンジダ菌
セリアック病の原因には、カンジダ菌も無関係ではありません。
真菌の形態のカンジダ菌の表面には、グルテンに見られるタンパク質と非常によく似たタンパク質があるそうです。(酵母のカンジダ菌にはないそうです。)
このタンパク質はHWP1と名付けられ、その構造はグルテンのタンパク質の構造と酷似しているため、免疫システムがカンジダ菌とグルテンを間違えてしまうことがあります。
カンジダ菌が腸壁に付着して広がり始めると、免疫システムが反応します。
カンジダの異常増殖を攻撃するとき、HWP1のような表面タンパク質も破壊しようとします。
免疫システムがHWP1を攻撃することにより、免疫システムはグルテンに対する感受性を構築し始め、時間が経つにつれて、これはセリアック病に非常に類似したものに変わる可能性があります。
遺伝
セリアック病には、遺伝的要因も影響するようです。
セリアック病の治療
セリアック病は治る?
セリアック病は、体の免疫システムがグルテンを異物として反応するようにプログラムされてしまっているので、残念ながら治りません。
それでもセリアック病の症状を緩和することはできます。
症状を緩和させる方法
1、グルテンを避ける
グルテンを一生、完全に避けなければいけません。
「ちょっとだけならいっか。」ということも通用しません。
今までのグルテン摂取によって免疫システムが自分自身の小腸粘膜を誤って攻撃してきたので、グルテンを完全に避け、小腸粘膜を修復する必要があります。
小腸粘膜が回復してきて症状が緩和されても、またグルテンを食べてしまうと1からやり直しです。
2、カンジダダイエット
腸内に増殖したカンジダ菌を除菌する食生活に変える必要があります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
3、 栄養補給
セリアック病によって傷ついた腸壁は、体に必要な栄養素を吸収できない状態にあります。
そのため、セリアック病の患者は栄養失調に陥りやすい傾向があります。
食事とサプリメントで、足りていない栄養を補う必要があります。
セリアック病には欠かせない3つのサプリメント
1、プロバイオティクス
腸内に善玉菌を届けるプロバイオティクスのサプリメントは必須です。
出来るだけ菌数、菌種の多いものを選び、同じメーカーのものばかりではなく、違うメーカーのものとローテーションで摂取することが効果的です。
2、オメガ3
フィッシュオイル、フラックスシード、チアシードなどに含まれているオメガ3には抗炎症作用があります。
3、L-グルタミン
L-グルタミンというアミノ酸は、グルテンによりダメージを受けた胃腸を修復する作用があります。
牛肉・豚肉・鶏肉・魚などの骨を煮込んだボーンブロススープは、L-グルタミンが豊富です。
4、胃を酸性に保つ
カンジダ菌は普段酸性である胃腸がアルカリ性に傾くと、増殖し真菌になりやすいです。
胃を酸性に保つために、アップルサイダービネガーの摂取が推奨されます。
5、ストレスを溜めない
免疫に影響するストレスは、カンジダ菌の増殖に繋がります。
十分に休息を取り、疲労やストレスは溜めないようにしましょう。
まとめ
セリアック病とグルテンアレルギーなど似ている症状との違い、セリアック病の症状、原因、一生治らないセリアック病の治療目的は症状緩和ということ、症状を緩和させる方法について説明しました。
セリアック病は一生グルテンが食べられない状態にありますが、これはグルテンアレルギーなどにも共通するということです。
体の免疫システムは、一度異物と認識した成分はずっと覚えているので、長期間グルテンフリーを頑張ったからグルテンアレルギーが治る、ということはないそうです。
私自身がまさに以前グルテンフリーをきっちり続け、今はゆるくやっているわけですが、この記事を書いたことで自分のゆるいグルテンフリーは意味がないということが分かりました。
私にも一生グルテンを食べない覚悟が必要なようです。
・セリアック病の人
・カンジダ症の人
・小麦アレルギーの人
・グルテンアレルギーの人
・リーキーガット症候群の人