オレガノオイルは天然の抗菌剤として人気があります。
医療機関で処方される抗生物質とほぼ同等の効果を示し、抗生物質と比べ、腸内の善玉菌にまで悪影響を与えてしまうことを回避できるためです。
SIBO(小腸細菌異常増殖症)は、本来細菌が少ないはずの小腸で細菌が異常増殖してしまいガス、膨満、下痢、便秘などの症状を引き起こします。
抗生物質で治療する代わりに、天然でより副作用の少ないオレガノオイルを選ぶ人が増えています。
この記事では、SIBOの治療に抗生物質ではなくオレガノオイルを使うべき理由を説明しています。
SIBO(小腸細菌異常増殖症)の原因
腸内には常在菌がたくさん存在しますが、細菌の数は腸内のどこの場所か、ということで違いが出てきます。
通常、細菌は大腸に多く存在し、小腸にはあまり存在しませんが、SIBOは場合そのバランスが崩れた状態になります。
SIBOの考えられる原因は、
●小腸の運動障害(腸の動きが遅い)
●癒着など、腸の構造的問題
●栄養欠乏、または吸収不良障害
●免疫系の機能不全
●運動性または正常な消化管機能を損なう薬物、抗生物質など
です。
SIBOの治療法のひとつに抗生物質で細菌数を減らす方法があります。
しかし、抗生物質はいい菌、悪い菌に関係なく殺菌してしまうため短期的には効果を示しますが、長期的には腸内細菌叢の不均衡を引き起こすケースが多くなります。
さらに、細菌が抗生物質に耐性を持ってしまう問題もあります。
オレガノオイルは、ハーブから抽出した天然の抗菌剤で、抗生物質と比べ副作用の面でメリットが多いため、人気があります。
オレガノオイルの有効成分
オレガノオイルは、オレガノというハーブから抽出したオイルです。
オレガノをオリーブオイルにつけた料理用のインフューズドオイルとは別物で、抗菌作用のある有効成分を凝縮したエッセンシャルオイルがオレガノオイルです。
正式には「オイル オブ オレガノ」と呼ばれるようです。
カルバクロールとチモールは、オレガノに含まれる抗菌作用がある有効成分です。
カルバクロール
カルバクロールは、オレガノ、タイム、ベルガモット、ペッパーワート(デンジソウ属の水生シダ)に含まれる成分で、刺激臭と強力な抗菌作用があります。
カルバクロール含有量が一番高いのはオレガノです。
作物を販売用に出荷する際に塩素系の消毒液で洗浄することがありますが、これは作物の栄養価に影響することがあります。
カルバクロールの消毒液で洗浄した場合、サルモネラ菌などの病原菌数を大幅に減らし、さらに栄養価、味、見た目に影響を及ぼさないということです。
チモール
チモールは、カルバクロールの異性体で、オレガノやタイムに含まれます。
タイムの爽やかな匂いはチモールの匂いです。
チモールは防腐剤、殺菌剤、口臭予防剤として歯磨き粉に、その他にも軟膏、石鹸、駆虫剤や呈色試薬として使われます。
また、チモールは痰を取り除く薬として気管支炎の治療に用いられます。
オレガノオイルの副作用は過剰摂取と長期間の摂取で報告されています。
カルバクロールとチモールはオレガノオイルのメインの有効成分ですが、このうち、チモールの過剰摂取が吐き気、嘔吐、胃のむかつきなどを引き起こす可能性があります。https://t.co/Wc5hbCqz3a
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) April 24, 2020
オレガノオイルと抗生物質の比較
オレガノオイルと抗生物質、両方細菌に作用しますが、違いはなんでしょう?
効果
オレガノオイルの有効成分・カルバクロールは、細菌の細胞膜に穴を開け必須ミネラルの漏出を引き起こし、細菌細胞の内のpHを変化させることで抗菌作用を示すと考えられています。
また、カルバクロールは、カンジダ菌などの酵母、カンジダ菌のバイオフィルム、一部のウイルスにも効果を示します。
オレガノオイルの研究では、食中毒の原因になる細菌であるカンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、また病原性大腸菌O157などの株にも効果を示しました。
抗生物質も小腸の細菌を減らす効果があるのですが、数回の摂取で細菌が耐性を持ってしまうケースが多く、長期摂取で効きが悪くなる欠点があります。
また、抗生物質はカンジダ菌やウイルスには作用しないため、ほとんどの菌が死んだ隙にカンジダ菌が増殖してしまう可能性が高くなります。
研究で、オレガノオイルは、
多剤耐性菌のアシネトバクター・バウマニ、
院内感染の原因にもなる緑膿菌、
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、さらにこれらの菌が作るバイオフィルムにも抗菌活性を示しました。
抗生物質耐性菌による感染症治療の可能性が広がります。https://t.co/FhWorGFIr0
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) April 23, 2020
米軍のイラクの軍事作戦の初期、米国軍が負傷した兵士に迅速かつ効果的なケアを提供しているにもかかわらず、抗生物質耐性菌による火傷創感染が深刻な問題として浮上しました。
この感染者の死亡率はほぼ61%に登ります。
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) April 23, 2020
オレガノオイルは、院内感染症や戦場で最も頻繁に確認されている抗生物質耐性菌に効果を示すだけでなく、抗生物質に対して1000倍も耐性があると言われるバイオフィルム内の菌に対しても不活性化する効果が見られました。
— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) April 23, 2020
副作用
オレガノオイルに限らず、天然の物質が化学物質の医薬品と同じ効果を示す場合、天然の物質の方が副作用面で大きなメリットがある傾向にあります。
抗生物質の副作用は、
●吐き気
●嘔吐
●腹部痙攣
●下痢
より深刻な副作用には、
●アレルギー反応
●スティーブンジョンソン症候群(痛みを伴う皮膚の腫れ、喪失を引き起こす可能性のある発疹)
●不整脈
●腱炎
これに比べ、オレガノオイルは過剰摂取でない限り、副作用が出にくい傾向があります。
オレガノオイルの過剰摂取による副作用の可能性は、
●吐き気
●嘔吐
●胃への刺激
●組織刺激
●善玉菌の破壊
●皮膚や目への刺激
腸内細菌叢への影響
抗生物質は、酵母・真菌・ウイルスに効果を示しませんが、善玉菌・悪玉菌に関係なく殺菌効果を示します。
オレガノオイルは、抗生物質に比べ善玉菌に対する悪影響が少なく、しかも一部の酵母・真菌・ウイルスにも効果を示すという利点があります。
ただ、長期間のオレガノオイル摂取の善玉菌への影響についての研究結果は少なく、安全性は証明されていません。
そのためオレガノオイルの長期間の摂取、高用量の摂取は推奨されていません。
耐性
抗生物質はたった1つの化合物でできているため、細菌が進化して抗生物質に適応しやすくなります。
抗生物質耐性菌は、抗生物質服用中に生き残り増殖して新たな問題を引き起こします。
オレガノオイルには、カルバクロールとチモールという2種類の有効成分が含まれるため、細菌はこの化合物に耐性を持つことが困難になります。
ただ、オレガノオイルの長期間摂取では耐性菌ができる可能性も指摘されているため、副作用と耐性菌の面で長期間摂取は推奨されません。
オレガノオイルと抗生物質の比較 まとめ
オレガノオイル | 抗生物質 | |
---|---|---|
効果 | ○ | ○(短期的) |
副作用 | △ | X |
腸内細菌叢への影響 | ○(長期的△) | X |
耐性 | ○ | X |
オレガノオイルと抗生物質を比較してみると、抗生物質を使用する理由が見つからないという結果になります。
SIBOの場合も、短期的に見れば抗生物質で手っ取り早く小腸の細菌を減らせますが、その後にカンジダ菌が増殖してしまうケースが多いので、注意が必要です。
オレガノオイルの摂取方法
オレガノオイルは、液体とカプセルの2種類のタイプで販売されています。
カプセルは添加物が使われている場合が多くできれば液体のタイプをオススメしますが、オレガノオイルは苦い刺激のある味があるため、その味が受け付けられない方にはカプセルがオススメです。
液体タイプは、飲み物や食べ物に数滴入れて摂取します。
原液を直に摂取することは刺激が強すぎるため、必ず何かに混ぜて摂取します。
ほとんどの製品は、1日2回、食後に2〜3滴ずつの服用が推奨しています。
これを、風邪や感染症の場合は7〜10日間続けますが、SIBOの場合は4〜6週間続けます。
長期間の摂取は、念のため専門家に相談の上行ってください。
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P73という表記は、ポリフェノール(植物の苦味・渋み・色素成分・抗酸化物質)が73%という意味で、カルバクロールは64%以上、チモールは5%含まれます。
地中海地方の海抜高度1500〜2000mにあるミネラル豊富な岩場に生える野生のオレガノを手摘みで収穫、低温圧搾とスチーム蒸留しています。
オイルの抽出には化学薬品やアルコールは使われていません。
お値段は高めですが、オレガノオイルは1回の使用量が少ないため長持ちします。
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エキストラバージンオリーブオイルの含有量が少なく、オレガノオイルは「レギュラー」に比べ3倍の量が配合されています。
iHerbは、Amazon.caやヤフーショッピングよりもかなり安くなっています。(2020年4月現在)
ほとんどのソフトジェルの商品は、1日2回、食後に1カプセル服用を推奨しています。
これを、風邪や感染症の場合は7〜10日間続けますが、SIBOの場合は4週間続けます。
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まとめ
SIBO(小腸細菌異常増殖症)の治療には、抗生物質よりも天然の抗菌剤であるオレガノオイルを使ったほうがいい理由を説明しました。
天然の抗菌剤はオレガノオイル以外にもたくさんあり、他のものと併用することでより効果を示します。
また、オレガノオイルを長期間摂取することは推奨されないため、他の抗菌剤とローテーションで摂取する方法もあります。
詳しくは、↓こちらの記事を参考にしてください。
↓SIBO(小腸細菌異常増殖症)・IBS(過敏性腸症候群)であってもプロバイオティクスは重要です。
・SIBOの人
・SIBOの治療にオレガノオイルを検討している人
・SIBOの治療に抗生物質を使いたくない人
・SIBOの治療する上で、抗生物質のメリットとデメリットを知りたい人