普段から常在菌として腸にいるカンジダ菌。
疲労・ストレス・睡眠不足など体の免疫が落ちた時や、抗生物質の服用、砂糖・添加物の摂りすぎなどが原因で増殖し、カンジダ症の症状が発症します。
このカンジダ菌について、「カンジダ菌の酵母は酸性の環境で増殖する」という意見もあれば、「カンジダ菌の酵母はアルカリ性の環境で増殖する」という意見もあり、なんだかよく分りにくい感じです。
実際のところカンジダ菌の好きなpHは酸性なのでしょうか?アルカリ性なのでしょうか?
調べみたら、どうやらカンジダ菌はアルカリ性で増殖するようです。
体の各部位の正常なpHレベル、消化器官は酸性だということ、アルカリ性に傾いた腸内を酸性に戻すにはということについてこのブログで記事にしました。
カンジダ菌が好きなpHは酸性?アルカリ性?
人間の体のおよそ60%が水分であり、健康な人の体液のpHはおよそ7.4(弱アルカリ性)です。
これが砂糖や添加物、カフェインなど食生活の偏りで酸性に傾くため、体をアルカリ性に戻してあげなければいけない、というのが主流の意見です。
ただ、この意見は全部が正しいというわけではないようです。
正常なpHは体の部位により異なり、正常な状態が弱アルカリ性の部位もあれば、弱酸性、強酸性の部位もあるようです。
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各部位の正常なpH
・血液 7.35~7.45(胃付近では酸性、胃から離れるにつれて中性~アルカリ性に傾く)
・胃 2~4(空腹時は1~3)
・小腸 6~6.5
・結腸 5.5~7
・肌 4.5~6
・口腔内 6.8
・膣 3.8~4.5
カンジダ菌が生存できるpH
カンジダ菌が生存できるpHレベルは2~10と広範囲です。
しかし、酵母の形態から病原性菌糸(真菌)の形態に変化するにはアルカリ環境が必要であることが分かっています。
膣では、pHが4.5を超えると、つまりアルカリ性に傾くと、カンジダ菌が増殖を始めカンジダ膣炎を発症します。
胃のpHは酸性
「胃酸」と言われるくらいなので、胃のpHは酸性です。
胃は酸性の胃酸で入ってきた病原性の細菌を殺します。
胃の中がアルカリ性に傾くと、この殺菌作用が弱くなって感染しやい体になってしまいます。
腸のpHは酸性
胃と同様、腸も正常な状態は酸性です。
腸の中でも部位によってpHレベルは異なり、十二指腸、盲腸などそれぞれのpHでバランスを取っているようです。
酵母の形態から真菌になって増殖したいカンジダ菌は、アンモニアを放出します。
このアンモニアの毒素が、環境をアルカリ性に変え、カンジダ酵母菌は真菌に変形、より増殖を繰り返します。
カンジダ菌増殖を抑える食事制限「カンジダダイエット」でプロバイオティクスのサプリメントの併用を勧めているのは、プロバイオティクスが腸内を酸性に戻してくれる乳酸と酢酸を産生してくれるためです。
腸内がアルカリ性に傾く要因
抗生物質
腸内がアルカリ性に傾く要因はたくさんありますが、一番大きい要因は抗生物質の服用です。
抗生物質の服用は、腸内を酸性に保ってくれている善玉菌を殺してしまうことになります。
食べ物
食生活の偏りも腸内がアルカリ性に傾く大きな要因です。
特にフルーツは、そのほとんどがアルカリ性で、糖分もたくさん含みます。
フルーツの食べ過ぎは腸内をアルカリ性に傾けカンジダ菌の増殖を助けます。
その他、砂糖、穀物、加工食品、人工甘味料、炭酸飲料、カフェイン、アルコールなどもアルカリ性に傾く要因です。
年齢
11~20歳の若者グループと61~70歳の高齢者グループの比較した場合、高齢者は若者に比べ胃酸の産生能力が約70%低下していたとのことです。
腸内を酸性に戻すために
アルカリ性に傾いた腸内を酸性に戻すためにできることのリストです。
・カンジダダイエットに従った食事制限
・プロバイオティクス摂取
・必要のないケースで抗生物質を服用しない
・ココナッツオイル摂取(カプリル酸・ラウリン酸が酸性に戻してくれる)
・ビタミンC摂取
・ビタミンB摂取(特にB6とB12)
・カンジダダイエット中はアルカリイオン水は飲まない
まとめ
カンジダ菌は酸性でもアルカリ性でも生きていける強い菌ですが、増殖するために特にアルカリ性が好きという結論でした。
アルカリイオン水やアルカリ性食品がいけないというわけではありません。
アルカリ性食品も酸性食品もバランス良く食べることが大切なようです。
・カンジダ症の人
・腸内環境に善玉菌を増やしたいと思っている人
・カンジダ菌が好きなpHを知りたい人