「歯磨きしているのに虫歯になる」
歯磨きは普通誰でも毎日していることで、それでも歯科医院に虫歯を治しに行く人が絶えない、
なぜでしょう?
虫歯のでき方として、食べ物の糖分が歯にこびり付き、放置すると虫歯菌がやってきてその砂糖を食べ、その際に放出する酸で歯が溶かされる、と教わりました。
これが間違っているわけではないようですが、もう一つ虫歯に関わる大きな原因はあまり広まっていません。
「腸内フローラのバランスが崩れると虫歯になる」ということです。
この記事では、腸内バランスが崩れカンジダ菌が増殖すると虫歯になりやすいという「虫歯とカンジダ症の関係」、腸内環境のバランスを整えるプロバイオティクスが虫歯予防につながることについて説明しています。
虫歯とカンジダ症の関係
腸内のカンジダ菌が増殖した時に困った症状を引き起こす、カンジダ症。
このカンジダ症が虫歯とどう関係しているのでしょうか?
口腔フローラ
腸内にいるたくさんの細菌を腸内フローラと呼びますが、口腔内にもたくさんの常在菌がいて、これを口腔フローラと呼びます。
腸内フローラのバランスが崩れ、乳酸菌などの善玉菌が減少、カンジダ菌などの悪玉菌が増殖すると困った症状を引き起こします。
口腔フローラも同じように、善玉菌が減少することで、虫歯菌・歯周病菌などが増殖し、虫歯や歯周病などの症状を発症させます。
口腔内には様々な場所に細菌がいます。
・歯
・歯肉(歯茎)
・歯肉溝(歯周ポケット)
・唾液
・舌
・頬の内側
・口蓋(上顎)
・扁桃腺
虫歯は歯の問題なので歯ばかりに注意をひかれますが、虫歯の原因菌は歯だけではなく口腔内全体にいて、それは腸内環境とも深いつながりがあるようです。
腸内フローラが崩れると口腔フローラも崩れ、虫歯になりやすい
腸内フローラも口腔フローラも正常な状態ではバランスが取れています。
腸内に善玉菌が約20%いる状態では、カンジダ菌は酵母の形態をしていて、特に悪さをしません。
糖分の過剰摂取、抗生物質の服用など様々な要素で善玉菌が死んでしまった時に、カンジダ菌は増殖して真菌になり、腸内でバイオフィルムを形成し、カンジダ症やリーキーガット症候群の症状が出ます。
口腔内でも、糖分の過剰摂取などで虫歯菌が増殖すると、バイオフィルムを形成。
これがプラークになります。
プラークはしっかりと歯にくっつき、24時間後には固まりだして歯石になりさらに除去が困難になります。
腸内フローラのバランスが取れている状態では、口腔フローラのバランス、口腔内のpHバランスも取れている状態で、虫歯菌がバイオフィルムを形成することもありません。
カンジダ症の腸は歯に必要な栄養を吸収できていない
腸内フローラでカンジダ菌が増殖し、真菌になってバイオフィルムを形成している状況では、真菌の菌糸が腸壁にしっかりとくっついて腸壁に損傷を与えています。
腸壁には食べ物から栄養を吸収する役割があり、損傷を受けた状態では栄養を吸収することができません。
そのため、健康な歯や歯茎に必要なミネラルが不足し、虫歯になりやすい歯質になってしまいます。
プロバイオティクスが虫歯を予防
プロバイオティクスを摂取することは、腸内と口腔内、両方のバランスを整えるために重要です。
プロバイオティクスとは、簡単に言うと善玉菌のことで、発酵食品やサプリメントで摂取できます。

プロバイオティクスのサプリメントは、カンジダ症などの腸内フローラ用のもの、虫歯や歯周病予防の口腔フローラ用のもの、子ども用のもの、ペット用のものなどがあります。
違いは、含まれる菌の種類、菌の数(CFU)などですが、腸内用のものも虫歯予防につながりますし、口腔用のものもカンジダ予防につながる効果はあります。
販売のマーケティングのために分けている部分が大きく、内容や効果はほとんど同じと思っていいと思います。
虫歯予防のプロバイオティクス
そうはいっても、腸内と口腔内では常在菌の種類が微妙に異なるようです。
特に虫歯や歯周病予防の効果を期待されている乳酸菌は、
●ロイテリ菌
●TI2711菌
●L8020菌
●ストレプトコッカス・サリバリウスM18株(ブリス菌)
●ラクトバチルス・ブレビス(ラブレ菌)
虫歯や歯周病対策に特化したプロバイオティクスを探す場合は、これらの菌が入っているものがいいようです。
まとめ
腸内バランスが崩れ腸内でカンジダ菌が増殖すると虫歯になりやすいという「虫歯とカンジダ症の関係」、腸内環境のバランスを整えるプロバイオティクスが虫歯予防につながること、虫歯・歯周病予防効果が期待出来る乳酸菌について説明しました。
私の長男は乳児の時に酷い乳児湿疹が出ていたことから、腸内バランスが悪いことが予想されます。
そのサインは乳児湿疹以外にも、アレルギー体質、低体温、口呼吸、風邪をひきやすい、疲れやすいなど沢山あります。
そしてそんな長男、虫歯が多いんです。
現在5歳の長男は、6箇所も詰め物をした場所があります。
甘いものは好きで食べますが、周りのお子さんを見ていても、長男はそこまで食べている方ではありません。
歯磨きは私が毎日念入りに仕上げ磨きをして、フロスもしています。
それでも虫歯になるということは、虫歯予防は歯磨きよりも腸内環境の方が重要なのでは?と思いました。
このようなことを提唱されている医師・歯科医師がまだ少なく、プロバイオティクスの効果についても研究段階にあるようですが、これから確実に広まっていく考え方だと思います。
また、虫歯や歯周病、カンジダ症全般の予防には、プロバイオティクス摂取だけではなく、食生活を整えることも欠かせません。
詳しくは、カンジダダイエットのやり方を参考にしてください。

・カンジダ症の人
・歯磨きをしているのに虫歯ができる人
・生まれつき歯が弱い人
・虫歯と歯周病を予防したい人