舌や頬の内側に白い苔が付いている…
これは口腔カンジダ症の可能性があります。
免疫機能が弱い乳幼児や高齢者によく見られる症状ですが、それ以外の人でも発症することはあります。
この記事では、口腔カンジダ症の症状、原因、発症しやすいケース、治療法、乳児の口腔カンジダ症について説明しています。
口腔カンジダ症の症状
●舌、頬の内側、扁桃腺、歯肉、口唇の裏側に、白い苔のようなものがポツポツ出ている
●苔を拭い取ると少し出血することがある
●ヒリヒリしたような痛みがある
●口角が乾燥して割れる
●食べ物を飲み込みにくい
●口の中にまずい味が広がる
●食べ物の味を感じられない
口腔カンジダ症は食道に発症することもありますが、これはとても珍しいケースということです。
口腔カンジダ症の写真が見たい方は、↓こちらのサイトで見ることができます。【閲覧注意】

最初は牛乳を飲んだ後のような白さから始まり、放置するとどんどん増殖して広がります。
口腔カンジダ症の原因

健康な状態の舌
腸内でのカンジダ症の増殖
健康な人の腸内にもいるカンジダ菌。
普段は丸い酵母の形をしていますが、食生活の乱れ、疲労、ストレス、抗生物質の服用などをきっかけに増殖し、真菌の形になりバイオフィルムという膜を形成します。

腸内でカンジダ菌が増殖しバイオフィルムを形成すると、カンジダ菌の放出する毒素が血流に混入し、全身で感染症を発症しやすい状態になります。
カンジダ菌は普段から口の中にも住んでいるので、腸内でカンジダ菌が増殖している状態では、口の中のカンジダ菌も増殖しやすい環境にあります。
がん治療
抗がん剤治療、放射線治療は、健康な細胞にまで損傷を与えるため、全身で菌に感染しやすい状態にあり、口の中のカンジダ菌も増殖しやすい環境になります。
白血病・HIV
免疫機能が著しく弱る白血病とHIV。
日和見感染しやすい状態にあり、口の中のカンジダ菌も増殖しやすい環境になります。
白血病患者、エイズ患者に口腔カンジダ症が見られるケースは多いようです。
糖尿病
免疫機能が弱く血糖値の高い糖尿病患者は、全身で、カンジダ菌が増殖するのに好条件となっています。
口腔カンジダ症を発症しやすいケース
●抗生物質の服用
●ドライマウス
●糖尿病
●貧血
●白血病
●HIV
●コルチコステロイド(副腎皮質ステロイド)の使用
●免疫抑制剤の使用
●喫煙
●入れ歯の使用
口腔カンジダ症治療
化学薬品での治療
一般的な医療機関を受診すると、医師の視診で舌苔の出方を見て診断するか、舌苔のサンプルを採取し検査機関に送ります。
食道に感染が見られる場合は、内視鏡を使用することもあるそうです。
舌苔がカンジダ菌由来のものだった場合、抗真菌薬で治療します。
●フルコナゾール(ジフルカン)
経口抗真菌薬
●クロトリマゾール
ロゼンジ(トローチ)の抗真菌薬
●ナイスタチン
乳児の口の中を拭き取る用のうがい薬
●イトラコナゾール(スポラノックス)
エイズ患者、または他の薬で効果が見られなかった場合に使用する薬
●アムホテリシンB
重度の口腔カンジダ症の治療に使用される薬
薬での治療は、数週間で症状が治まることがほとんどですが、再発する場合も多いようです。
乳児期に口腔カンジダ症を発症した赤ちゃんは、1歳になるまでに何度も繰り返すこともあります。

口腔カンジダ症を自然な方法で治す
薬での治療は、腸内環境が改善されないため、一度症状が引いても再発することが多いようです。
根本的な原因である腸内環境を改善することで、再発を防ぎます。
特に乳児の場合、できるだけ化学薬品を使用せずに治してあげたいと思う方が多いと思います。
食生活の改善
カンジダダイエットは、カンジダ症を治すための食事療法です。

↑こちらの記事にやり方が詳しく書いてあります。
カンジダ菌の大好きな砂糖と炭水化物を避け、抗炎症作用、免疫機能を促進する食品を中心に食べる食生活です。
↓母乳育児をされているお母さんは、こちらの記事を参考にしてください。

プロバイオティクス摂取
カンジダダイエットという食事療法で腸内のカンジダ菌を除菌することと並行して、発酵食品やサプリメントからプロバイオティクスを摂取します。


赤ちゃんもプロバイオティクス摂取が推奨されます。

口腔内の衛生管理
●歯磨き
歯ブラシとデンタルフロスで歯の衛生状態を保ちます。
舌苔は歯ブラシで磨いたり、削り取ろうとしないでください。
口腔カンジダ症が治癒したら、歯ブラシは新しいものに取り替えてください。
●入れ歯を清潔に保つ
●マウスウォッシュは使わない
医療機関で処方されたマウスウォッシュ以外のマウスウォッシュ、マウススプレーは避けます。
口をゆすぐ場合、
1、塩水
2、水にベーキングソーダ(重曹)を混ぜたもの
3、水にレモン汁を混ぜたもの
4、水にアップルサイダービネガーを混ぜたもの
を使用するといいとのことです。
口腔カンジダ症を発症している乳児の授乳
口腔カンジダ症を発症している乳児に授乳する際、お母さんの胸や乳首にカンジダ症が感染するケースもあるそうです。
感染しやすい場所は、胸の谷間、胸の下など肉が重なって暖かい場所で、ひどい場合は脇の下に湿疹のような症状が出ることも。
この場合、患部を清潔で乾いた状態に保つことが大切になります。
赤ちゃんに口腔カンジダ症やカンジダ菌が原因のオムツかぶれが出ている場合、お母さんがカンジダ症にかかっている可能性が高いです。
お母さんの母乳で、赤ちゃんもカンジダ症になります。
お母さんの食生活を見直してみてください。

まとめ
口腔内に生える白いカビ、口腔カンジダ症の症状、原因、発症しやすいケース、治療法、乳児の口腔カンジダ症について説明しました。
口腔カンジダ症を予防するには、治療と同じく、腸内環境を整えることが大切になります。
症状がなくなったから今までの砂糖や小麦、添加物いっぱいの食事に戻すというのではなく、できる限りカンジダダイエットで避ける食品を長期的にも避ける必要があります。
特に1度カンジダ症を発症している場合、食生活の乱れや、過労、ストレスがきっかけで再発することはよくあります。
重症化の場合、専門家に相談することが1番ですが、一般的な医療機関では薬での治療がメインになるので、食事療法など自然な方法で治していきたい場合は、自然療法医など代替治療の専門家に相談することをオススメします。
・乳幼児がいる人
・高齢の人
・入れ歯を使っている人
・糖尿病の人
・免疫機能が弱い人
・腸内環境が悪い人