腸内で増殖しカンジダ症を引き起こすカンジダ菌は砂糖が大好きです。
カンジダ症の症状の一つに「砂糖への渇望」があります。
腸内のカンジダ菌に砂糖を与えず、餓死させることでカンジダ症を治す食事療法「カンジダダイエット」を行うと、大抵の人は甘いものへの強い欲求という壁にぶち当たります。
カンジダ症の私がカンジダダイエットを行った際、猛烈な砂糖への渇望の症状が出て、かなり苦しみました。
「なんで私はこんなにも砂糖中毒になってしまったのだろう?」という疑問から、どのようにして砂糖への渇望が起こるのかを調べてみました。
砂糖への渇望に苦しんでいる方は、それがどうして起こるかを知ることにより、砂糖中毒を克服することの助けになるかと思います。
砂糖への渇望に陥る3つの理由
1、血糖値とホルモンバランス
血糖値が上がった時、インスリンというホルモンがから分泌され、血糖値を下げようとします。
血糖値が下がった時、グルカゴン・アドレナリン・ノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血糖値を上げようとします。
血糖値は、これらのホルモンによってバランスを保たれています。
糖分過多な食生活は、このバランスを崩します。
砂糖を摂取してからインスリンが分泌されるまでに少しタイムラグがあるため、血糖値は過剰な砂糖摂取で急激に上がり、遅れて分泌されたインスリンの作用で急激に下がるという乱高下(血糖値スパイク)が起きます。
血糖値が急激に下げられた状態は低血糖であり、
●頭がボーっとする
●眠くなる
●集中できない
などの症状が出ます。
この状態から脱出するため、体は自然と血糖値を急激に上げる糖分が欲しくなってしまうようです。
食後に甘いものが欲しくなるのは、このためです。
血糖値の乱高下からくる砂糖への渇望対策
1、マルチビタミン、マルチミネラルの摂取が大切です。
特に、
●ビタミンC ー ホルモンを分泌する役割がある副腎に蓄えられている栄養素
●ビタミンB群 ー 糖の代謝を活性化させる栄養素
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ナイアシン
パントテン酸
葉酸
ビオチン
●亜鉛 ー インスリンの構成成分
が重要です。
また、オメガ3脂肪酸は、抗炎症作用と共に、インスリンの感受性を改善する作用もあるため、砂糖への渇望を抑える効果があると言えます。
2、食事の際はサラダから食べる
空腹時は脳が血糖値を上げるようにサインを出しているため、糖分から食べたくなりますが、それをすることにより血糖値が急激に上がり、遅れて分泌されたインスリンにより急激に下がるという乱高下が起こります。
食事を始める際は、生野菜など、食物繊維が豊富な食品から食べ始めると、炭水化物の分解を緩やかにし、腸からの糖の吸収を遅らせることができるそうです。
3、グルタミン摂取
グルタミンは、食欲に影響しているセルトニンというホルモンバランスを調節する作用があります。
また、グルタミンは、血糖値を下げる働きをするインスリンの感受性を調節する作用がある可能性も期待されています。
糖分過多な食生活が一般的になった現代では、血糖値の乱高下が日常茶飯事になっており、このことが神経伝達物質の低下を招きます。
グルタミンは体内でGABA(ガンマアミノ酪酸)に変換されますが、このGABAは、感情的な摂食と不安を軽減する神経伝達物質です。
4、血糖値を調節するハーブ
アシュワガンダというハーブには、血糖値を調節し、乱高下を防いでくれる作用があります。
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アシュワガンダの有効成分であるウィタノリド含有量は8%です。
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2、脳内神経伝達物質
砂糖を摂取すると脳の中でドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質が分泌されます。
これは覚醒作用のある麻薬に依存している時と、非常に似ている状態にあります。
実際に麻薬中毒患者が、依存症の治療初期の段階で、強い砂糖への渇望の症状が出ることは、よくあるそうです。
疲れている時や、イライラしている時に甘いものを摂取すると、これらの脳内神経伝達物質により、幸福感を感じます。
この快感が次第に癖になり、砂糖中毒が慢性化します。
ドーパミンは、喜びと幸福感を引き起こす化学物質で、脳は特定の行動を強化する報酬システムとしてドーパミンを使用しています。
なぜ脳が砂糖摂取という行動を強化するのかはわかっていませんが、研究では、人類の歴史の中で生き残るにはカロリーが必要だったため、カロリーが高い砂糖を摂取することに喜びや幸福感という報酬を与えているのではないか、という説が有力です。
脳内神経伝達物質を分泌させない砂糖への渇望対策
ドーパミンが分泌することの快感が癖になっている場合、麻薬中毒者が施設に入り依存症を治療することに近い環境が必要になります。
施設に入ることはあまり現実的ではないので、自宅で同じような環境を作ります。
同居している家族に事情を理解してもらい、協力をお願いします。
自宅には、砂糖、糖分を含む食品、ご飯、パン、パスタ、フルーツなども置かないようにします。
ある程度砂糖への渇望が治るまで糖質制限を続け、治ってきた後も糖質が高い食品を避ける生活を続けます。
3、カンジダ菌が放出する毒素
カンジダ症の人の腸内では、カンジダ菌が真菌となって増殖しています。
特にカンジダ菌が増殖している時、またはカンジダ菌のエサになる砂糖を控え、カンジダ菌を除菌している時に、カンジダ菌は何種類もの毒素を放出します。
グリオトキシン
カンジダ菌はグリオトキシンという毒素を放出します。
グリオトキシンは、猛毒なカビ毒であるマイコトキシンの一種です。
マクロファージを破壊
白血球の中にある免疫細胞のマクロファージは、病原性のある細菌やウイルスなどの異物を捕食して消化してくれる作用があるため、免疫機能にとってとても大切です。
グリオトキシンは、このマクロファージを破壊してしまいます。
スルフヒドリルを不活性化
グリオトキシンは、たんぱく質のスルフヒドリル(チオール)基を不活性化してしまいます。
スルフヒドリル(チオール)基は、多くの酵素をサポートするために重要です。
フリーラジカル
グリオトキシンは、フリーラジカル(活性酸素)を生成します。
アセトアルデヒド
アセトアルデヒドも、カンジダ菌が放出する毒素の一つです。
飲酒した次の日の二日酔いの原因も、このアセトアルデヒドです。
砂糖を摂取すると、カンジダ菌のエサになり、副産物としてエタノールを生成しますが、アセトアルデヒドは、このエタノールのうちの一つです。
そのため、アセトアルデヒドも砂糖を摂取した時と同じく、脳内でドーパミンを分泌させることにつながります。
アセトアルデヒドとドーパミンが結合すると、サルソリノールという神経毒が生成されます。
このサルソリノールが、人を麻薬中毒のように砂糖中毒に走らせてしまう作用があるようです。
カンジダ菌の放出するグリオトキシンで免疫が弱まり、カンジダ菌は更に増殖しやすい環境を得られます。
そしてアセトアルデヒドのせいで砂糖への渇望が更に強くなるという悪循環に陥ります。
カンジダ菌が放出する毒からくる砂糖への渇望対策
1、水をたくさん飲む
カンジダ菌の放出する毒素を、尿と共に排出するため、たくさん、こまめに水を飲みます。
水道水の塩素は、腸内の善玉菌を殺してしまう作用があるため、塩素は除去するようにしてください。
ビタミンCは塩素を中和します。
↓粉末のビタミンCです。
2、サウナやソルトバスに入る
サウナやソルトバスに入ることは、皮膚からデトックスできる効果を得られます。
3、マグネシウムの補給
カンジダ菌の放出するアセトアルデヒドを解毒するために、マグネシウムが必要になります。
現代人はマグネシウムが不足している傾向にあるため、積極的にマグネシウムが豊富な食品を摂取することとサプリメントでの摂取が推奨されます。
4、モリブデンの補給
マグネシウムと同じく、アセトアルデヒドの解毒に必要なミネラルです。
必要量は微量ですが、大変重要です。
5、カンジダダイオフ用のサプリメント摂取
アクティベートチャコール(活性炭)は、カンジダ菌の放出する毒素を吸着する作用があり、体外に排出してくれます。
まとめ
砂糖への渇望に陥る3つの理由とその対策について説明しました。
砂糖への強い渇望がある方は、3つの理由のうちのどれか1つではなく、全部に当てはまっている可能性が高くなります。
砂糖中毒だった私は、砂糖が食べられない現実を受け入れることに時間がかかり、血糖値を上げないステビアとココナッツフラワーでお菓子を作ってみたり、色々工夫しましたが、脳が欲しがっているのは糖分なため、脳が幸福感を得ることはありませんでした。
家に砂糖がないため、買いに行ってしまったりと、3歩進んで2歩下がるような糖質制限を続けているうちに、少しずつ砂糖への渇望の気持ちが薄れてきました。
私の場合、長男の乳児湿疹を治したくて行った糖質制限(カンジダダイエット)だったため、砂糖を我慢することはとても辛かったけど、長男の湿疹が綺麗になっていくことが、砂糖以上の報酬になりました。
・カンジダ症の人
・砂糖中毒の人
・甘いものが好きな人
・糖尿病の人
・糖質制限をしている人