カンジダ症で腸内環境が悪い私から生まれた長男は、酷い乳児湿疹を発症し、現在もアレルギー体質です。
同じく私から生まれた長女は、目立ったアレルギー疾患、病気などはありませんが、私や長男と同様、腸内環境が悪いサインがいくつかあります。
そのうちの一つが、歯並びです。
現在12歳の長女は、矯正歯科に通いインビザライン(透明の矯正装置)を使用しています。
大きな原因は遺伝と思われている不正咬合ですが、腸内環境も関係しているようです。
そして、私の長女はもう手遅れなんですが、妊娠中でしたら子どもの不正咬合を予防するためにできることがあるようです。
この記事では、長女が歯科矯正が必要になった経験から、不正咬合・ガタガタの歯並びにならないためにできること、もう既に歯並びが悪くなってしまっている場合にはどうすればいいのか、を説明します。
不正咬合・ガタガタの歯並びの原因
「歯医者が虫歯を作ってる」より
歯学博士・長尾周格(著)「歯医者が虫歯を作ってるー歯科医だから知っている、危ない話」という本によると、
●歯並びは母親の栄養状態で決まる
●不正咬合は遺伝ではなく、成長・発育の問題
●不正咬合は予防可能
●不正咬合の本質的な原因は、栄養欠乏(ただし不正咬合となった本人の栄養欠乏ではなく、妊娠前および妊娠中の母親の栄養欠乏)
●妊娠期の母体に十分な鉄がないと、生まれてくる子どもに鼻中隔軟骨の形成不全が起こり、上あごの成長が不足する
このようにあります。
栄養欠乏の私から生まれた長女の歯並び
この本に書いてあることは、私たち親子の現状にぴったり当てはまります。
私自身も上の前歯の1本(側切歯)が内側に生えていて、噛み合わせもずれています。
私は小学生の頃から「貧血」と診断され、それに対して食生活で改善する努力もしてこなかったため、妊娠中も特に栄養については気にせずいつもと同じような栄養に悪い食生活をしていました。
完全母乳で、常に私のおっぱいにぶら下がっていた長女は、吸啜運動はしっかりしてきたので、もしかしたらそれが顎の発達につながるかも、という希望がありましたが、そういったことはありませんでした。
乳歯列の段階で、長女の乳歯はスペースがなく、きつそうに並んでいました。
本来、乳歯列はスペースがあり「隙っ歯」の状態で並んでいないと、永久歯が生えるスペースがなくなります。
7歳くらいで乳歯が抜け始めてきた時に歯並びが悪くなる兆しがバッチリあり、歯科医院で矯正歯科を紹介されました。
不正咬合・ガタガタの歯並びにならないためにできること
「歯医者が虫歯を作ってるー歯科医だから知っている、危ない話」によると、妊娠中の鉄分欠乏が生まれてくる子の歯並びに大きく影響するようです。
頭蓋骨や鼻中隔軟骨といった骨の形成に、鉄は特に大切なミネラルだそうです。
生まれてきた子は、6歳くらいまでは消化管が未発達であるため、食事から十分な量の鉄を取り込むことが困難ということです。
そのため、胎児は胎内で成長している際に、出生までに母体からありったけの鉄をもらって生まれてくるそうです。
「じゃあ、鉄分をたくさん摂ろう!」と思われるかと思いますが、そんな簡単な話ではないようです。
具体的には
ここからは「歯医者が虫歯を作ってるー歯科医だから知っている、危ない話」からではなく、私の考察になります。
以前に貧血の原因になるビタミンB12の欠乏についての記事を書きました。

ビタミンB12と鉄分は深い繋がりがあり、貧血だからといって鉄分を補給していても、ビタミンB12が不足している状態で、鉄はほとんど吸収されない、
だったらビタミンB12も一緒に摂取しようと、ビタミンB12と鉄分を補給したとしても、腸内環境が悪い状態では、ビタミンB12も吸収されない、
ということです。
詳しくは上記の記事を読んでみてください。
この悪循環を改善するために、まずできることは腸内環境を改善することです。
具体的に言うと、糖分を避けます。
腸内環境の悪化は、腸内の常在菌であるカンジダ菌が、糖分をエサに増殖し、真菌になってバイオフィルムを形成することで起こります。

このカンジダ菌とカンジダ菌のバイオフィルムを除去するための食事療法が、カンジダダイエットです。

妊娠中・授乳中の方は、ゆるいカンジダダイエットで腸内のカンジダ菌を除菌します。

カンジダダイエットと並行して、発酵食品やサプリメントからプロバイオティクスを摂取します。


ここまでのプロセスを数日間実践して、ある程度腸内環境が改善されたら、ビタミンB12や鉄などを積極的に摂取し始めます。
ビタミンB12、鉄以外にも、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラル、ビタミンCなどその他のビタミン、葉酸も必要になります。
妊娠中の方は、相談できる栄養学に詳しい専門家を見つけていただけると安心です。
もう既に歯並びが悪くなってしまっている場合には(子どもの場合)
ここまでは、不正咬合とガタガタの歯並びの予防について説明しました。
では、もう既に歯並びが悪くなってしまっている場合にはどうすればいいのでしょう?
長尾周格(著)「歯医者が虫歯を作ってるー歯科医だから知っている、危ない話」によると、
予防矯正を早期に施す必要がある
ということです。
具体的には、矯正歯科で
●取り外しのできる「拡大床」
●取り外しのできない「W・アーチ」または「急速拡大装置」
で、上あごの側方拡大を行い、永久歯の入るスペースを作ってあげることを推奨されています。
取り外しのできる、床矯正装置。見た目は入れ歯と似ています。↑
長女の場合
長女は6歳臼歯が完全に生えきったタイミングで、上下顎に、取り外しのできない急速側方拡大装置を取り付けました。
私は治療を始める前に、3軒の矯正歯科専門医院で見積もりを出してもらいました。
側方拡大をする矯正方法は、割とここ数年で主流になってきた方法で、私はこの方法を希望していました。
昔ながらの乳歯をあらかじめ抜歯してスペースを作る方法は避けたいと考えていました。
乳歯を抜いてスペースを作っていくと、歯列アーチの大きさは変わらないため、最終的に上下左右の小臼歯が1本ずつ、永久歯が計4本ない状態で一生を過ごすことになります。
歯が1本減っただけで噛む力は激減するのに、最初から4本足りないというのは、生涯のにわたって大切な咀嚼が完全にできていない状態を続ける、それが消化や体全体の問題につながる可能性があります。
見積もりを出してもらった3軒とも、私の希望の側方拡大の方法でできるということでした。
日本で主流の取り外しのできる「床矯正」は、私の住むカナダではあまりやってない印象です。
急速拡大装置を、バンドとセメントで固定して取りはずせなくする方法を提案されました。
どの先生も「床矯正はやればできるけど、あまりオススメしていない」とおっしゃります。
これは私の勝手な予想ですが、真面目な日本人は子どもたちも欧米に比べて真面目で、床矯正で取り外しができても、ちゃんと食事や歯磨き以外の時は床矯正装置を使用する、
それに比べ、欧米の子どもたちは、ちゃんとつけなかったり、無くしたりが多いのかな?と思いました。
私は、固定の急速拡大装置で納得し、一番自宅から近い専門医院を選びました。
ところが、
選んだ矯正専門医院で治療が始まった途端、先生に「かかりつけの歯科医院で、この歯とこの歯を抜歯してきてください」と言われます。
抜くのが嫌で3軒も見積もりを出してもらいに行ったのに、「なぜ?」と思いました。
先生に「見積もりと違うじゃないですか!」とはっきり言いましたが、先生は「側方拡大の方法でできる子と、無理がある子がいる。娘さんは相当あごが小さいから、側方拡大では無理がある。」と言われます。
それを見積もりで見てもらったつもりだったのですが、どこかで誤解があったのでしょうか?
どうしても納得できず、その医院には丁重に「もう行かない」ということを伝え、2番目に自宅から近い医院で治療をやり直しました。
2軒目の矯正専門医院では、1軒目の先生に長女のあごが小さすぎて側方拡大は無理と言われた話をしましたが、その先生は「できます。」と言ってくれ、今に至ります。
側方拡大終了後、インビザライン
長女は固定式の急速側方拡大装置→リテーナーを8歳から約1年半つけていました。
その間、決められた期間に決められた回数、親が上あごの装置のネジを回して歯列を横に広げます。
長女はほとんど痛がりませんでした。
正確な期間を覚えていないのですが、装置であごを横に広げたら、装置は歯列が元に戻ってしまわないようにそのままつけっぱなしにします。
並行して、ワイヤーとブラケットで叢生(ガタガタの歯並び)を治しました。
10歳頃にワイヤーを一旦全部外し、全部永久歯に生え変わるまで夜だけつけるリテーナーで過ごします。
ここまでは第1の治療です。
第1の治療は、顎にスペースを作ることが目的でした。
第2の治療は、歯列のアーチに歯を綺麗に並ぶように収め、噛み合わせも調整します。
全部の歯が永久歯に生え変わった12歳に第2の治療が始まりました。
第2の治療前の口腔内写真です。
上顎↓
下顎↓
正面↓
右側面↓
左側面↓
ほとんど綺麗になっていますが、捻転歯を治さなければいけないのと、上顎犬歯の位置など、微妙に調整しなければいけない箇所がいくつかあるようです。
長女の場合、ワイヤーでの治療か、透明のマウスピースのようなインビザラインでの治療か、選択肢がありました。
通院回数、値段はほぼ同じでしたが、長女本人の希望でインビザラインにしました。
印象材で型を採って、模型を作って、インビザライン作成・・・と勝手に思っていましたが、その医院が5年前に導入したというスキャナーで、口の中をスキャン。
その間約5分です。
そのデータを技工所に送り、2週間後にまず4セット納品されました。
1セットを2週間使うので、2ヶ月分です。
装着当日は少し痛がりましたが、まる1日で痛みはなくなったようです。
ワイヤーvsインビザライン
ワイヤーのブレースも経験している長女は、インビザラインにしてよかったそうです。
歯磨きが楽だし、見た目にも矯正しているとわからないからです。
ワイヤーとブラケットが付いていた頃は、習い事の空手で、顔に当たった蹴りが唇の上から前歯のブラケットにも当たり、流血したこともありました。
1度外食の際に、透明のリテーナーをナプキンで包んで置いておいたら、トイレに行っている際にレストランのスタッフがナプキンをリテーナーごと捨ててしまったことがあったので、今はインビザラインを外したら必ずケースに入れるようにしています。
インビザラインはビスフェノールA(BPA)フリー?
私が気になったのは、プラスチック製品に含まれる有害物質ビスフェノールA(BPA)がインビザラインに入っているかどうか、です。

いくつものサイトで検索した結果、インビザラインはBPAフリーで、フタル酸系可塑剤などの有害物質も含まない、医療グレードの高ポリウレタン樹脂で構成される透明で柔軟なプラスチックで作られているということでした。

私の解釈では、BPAフリーのプラスチックからも環境ホルモンの働きをする有害物質が溶け出すと思っていましたが、インビザライン製作側の公式な見解では「完全に安全」ということです。
もしかしたら数年後に有害物質が見つかるかもしれませんが、「安全」ということにしておきましょう。
まとめ
妊娠前か妊娠中ならお子さんの不正咬合、ガタガタの歯並びは予防できる、すでにそのタイミングを過ぎていて、不正咬合、ガタガタの歯並びが見られるようでしたら、6歳前後で矯正歯科を受診、6歳臼歯が生えてくる頃から側方拡大であごを広げ、永久歯の生えるスペースを作ってあげることがオススメです、ということについて説明しました。
もし6歳臼歯の生えるタイミングを逃したとしても、側方拡大ができるケースもあるようです。
矯正歯科医院で相談してみてください。
ちなみにお金がかかるイメージがある歯科矯正ですが、長女の場合、
第1の治療で$4000(約50万円)
第2の治療で$4000(約50万円)
最初に行った矯正歯科医院で、レントゲンと模型代$500(約6万円)
を払っているので、100万円超えです。
これはカナダの話なので、日本で床矯正をした場合、30万円前後でできると聞きました。
かなりの差ですね。
ただ、30万円に何が含まれるのかわからないので、もしかしたら他に色々かかるのかもしれないです。
側方拡大で不正咬合、ガタガタの歯並びを予防できる年齢でしたら、迷わずやることをオススメします。
年齢が上がってからの矯正では、時間がかかる、お金がもっとかかる、抜歯しなければいけないかもしれないなど、デメリットが多いです。
矯正歯科医によっては、側方拡大をやっていない先生もいるようなので、納得のいかない説明だった場合は、セカンドオピニオン、サードオピニオンをオススメします。

・0〜12歳くらいのお子さんがいる人
・妊娠中の人
・妊娠する予定がある人
・お子さんの歯科矯正を考えている人
・床矯正、側方拡大装置を考えている人
・お子さんにインビザラインでの矯正を考えている人